読書の罠2:多読、速読の罠

読書習慣のある人の中には、月に何冊の本を読んだかということを目標にしている人もいると思います。そして、実際に目標にしている10冊のために本を読んでいるという人もいると思います。実際に私も年間100冊のペースを守るために読書をしている人にお会いしたこともあります。

もちろん、本を多く読むことが悪だとは思いません。しかし、冊数を目標にして読書を行っていても、あまり意味はないと思います。そういう人の読書に共通していることは、「読書量が多ければ多いほど満足感を感じている」ということです。多読、速読にハマって、読書自体を目標にしてしまうと、「その本から何を得るか?」、そして「その本を何に生かすか?」という意識が欠け落ちてしまう傾向にあるように思います。

もちろん、多読家でも大きな成果を上げている方もいますが、「年間200冊読んでます。」という人でも、1年経っても2年経っても、変化なしということがあります。「その大量の読書を何かに生かさないの?」と質問をすると、「そうですね。いつかは起業したいと思っているんですが‥」であったり、「うーん。今は分からないですが、将来的に何かに生かしたいですね。」というような回答が返ってきます。

将来的に本当にエネルギーを注げる分野や手段に出会うことができてほしいなと思いますが、同時にせっかくの読書が勿体ないなとも思ってしまいます。

このように読書自体を目標に読書をしていても、思ったほどリターンを得られないことが多々あります。

1例ですが、「現代人の読書実態調査」(http://www.jpic.or.jp/press/docs/2009JPIC_research_R.pdf)を見てください。読書量と年収は比例しているようですが、実は「月8冊以上」の人たちには当てはまっていません。月8冊以上読む人というのは、年収1500万以上よりも年収100万未満の方が多いのです。

20代読書会_読書と年収

そう考えると、月3から4冊でも、年収には十分に効果があるようです。恐らく、年収以外の他の効果についても同様のように思われますので、無理して多読・速読をしなくても、読書にはちゃんと効果があるのです。それどころか、多読・速読にハマって、読書した冊数が何よりも重要になってしまうと、目標を見失っていく危険があると思います。

とにかくたくさん読むというスタンスよりは良書をじっくりと読むのがいいと思います。そして、読書自体を目標にするのではなく、「なぜ、この本を読むのか?」「この本で得たいリターンは何か?」などの目的をきっちり決めて本を読んでいくといいと思います。そうして、1冊の良書から最大限に学び、生かしていくべきだと思います。

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