
初版:2015年01月30日
出版社:大和書房
著者:キャロライン・L・アーノルド
小さな習慣で目標を達成できるようになった!!
新年の誓い、挫折率88%
痩せるぞ。
もう散らかさないぞ。
時間に遅れないようにするぞ。
借金を完済するぞ。
夏までにスリムになるぞ。
仕事で成果を出すぞ。
人望を高めるぞ。
もっと積極的になるぞ。
健康的になるぞ。
整理整頓するぞ。
禁煙するぞ。
もうおどおどしないぞ。
人格を磨くぞ。
目標を達成することはなぜそんなに難しいのでしょうか。きっぱりと決心して本気で始めたのに、だんだんやる気がなくなって、目標がうやむやになってしまいます。そして、生活を向上させるために自分とかわす約束である目標に挫折するたびに、気が滅入って、進歩や目標達成の力なぞ自分には無縁だと考えます。
目標達成のカギは「小さな習慣」だった!
上記の文章は「小さな習慣」のプロローグに書かれている内容です。そうです、目標を達成することは、とても難しいことです。そんな中、「小さな習慣」が教えてくれることは、以下のような目標です。
・絶対に失敗しない目標
・永久に自分を変えてくれる目標
・すぐに効果が現れ、努力が実る目標
なんと!もう夢のようですね。この無敵の目標が一体なんなのか、本書から引用して解説したいと思います。
本書が目指しているのは、曖昧な個人目標を「マイクロ目標」に変える方法を伝授することです。マイクロ目標とは、達成しやすく、達成度も測りやすく、維持もしやすい目標のことです。マイクロ目標は簡単なのに効果が高く、行動に適切に刻みこまれ、すぐに効果が出るように工夫されています。
さらに、このように続きます。
マイクロ目標なら、立てたその日に効果を発揮し一生挫折することはありません。痩せることだろうが、交友関係を広げることだろうが、貯金することだろうが、どんな目標であっても、自分を向上させるものであればマイクロ目標は成功します。
無敵すぎます…
「小さな習慣」で提唱しているのは、「マイクロ目標」を設定することです。マイクロ目標は、①簡単で②効果的な③行動のことです。そのため、最初から効果を実感でき、習慣化するまで継続できると言います。
目標設定は、その「目標」が間違ってる!
マイクロ目標の具体的な立て方の前に、なぜ一般的な目標は達成できないのか?というメカニズムを解説していきます。これを理解すると、逆説的にマイクロ目標がよく分かります。
本書には、こうしたことが書かれています。
新年の誓いをグーグル検索すると、人気があってやりがいがある個人目標へのリンクが大量に見つかります。そのほとんどは、「健康になる」「整理整頓をする」「積極的になる」といったような、私が「願望目標」と呼んでいるものです。これらの象徴的な目標は、「マッチョになりたい」「競争で主導権をとりたい」「負け組体質から脱したい」など隠れた願望が含まれた目標とほぼ同質です。これらの目標は「何をするか」ではなく、「どうなりたいか」に強い意識があります。
はい、分かりましたでしょうか?
多くの目標が失敗に終わる理由は、願望を目標にしているからです。
例えば、健康になるという目標を考えてみましょう。「健康」というのは状態です。行動ではありません。健康という行動はありませんから、実行しようがないのです。そして、あえなく失敗に終わるのです。
これが、一般的な目標が失敗に終わる理由です。
では、マイクロ目標とは何なのでしょうか?それを解説していきたいと思います。先ほどと同じく、健康になりたいという願望を持っているとしましょう。
もちろん、健康という状態は、多数の行動を蓄積した結果です。そして、「健康」を目標にする場合、多数の行動の中には、不健康な行動があります。そこで、その不健康な行動を健康な行動に変える必要があります。
この「行動の変化」を目標として掲げるのです。これが、マイクロ目標です。
では、なぜマイクロ目標は成功するのでしょうか?
その理由は、「オートパイロット」にあります。そのメカニズムを本書から引用して説明します。
意志力は日々の習慣や態度やルーティンの力には勝てないのです。
誰もが、幼いころからはぐくまれ、繰り返しによって定着した無意識の習慣や思考に突きうごかされています。こういったような確立した行動や態度が、ある種の「オートパイロット」を形成します。オートパイロットは、私たちが毎日おこなっているルーティン作業や意思決定のほとんどを、効果的かつ密かにコントロールして、限りある精神的なエネルギーや決断力を新情報や問題解決、アイデアの着想などのために保持します。私たちは靴の紐を結ぶことにほとんどエネルギーを使いません。オートパイロットを使って無意識にできるからです。コーヒーをいれたり、玄関に鍵をかけたり、車を運転するといったことはオートパイロットによっておこなわれています。ただし、オートパイロットのせいで、ジム通いをさぼったり、甘い物を食べまくったり、無駄遣いをしたり、夫や妻に悪態をついたりすることもあります。その多くが無意識に行われるオートパイロットによるもので、根深い習慣は私たちの成果を良くも悪くも大きく左右します。
つまり、オートパイロットという無意識の行動が日々の行動を決定しているのです。
そして、マイクロ目標は、そのオートパイロットを変更するから効果があり、一旦変更されれば努力感もなく継続することができるというわけです。
How to make マイクロ目標
本書から学んだマイクロ目標の設定方法を紹介します。設定方法は、全部で5点あります。
・今日から実行できる簡単な目標を設定する
・実行すると、効果的なものを目標として設定する
・同時並行で複数の目標を設定しない
・少なくとも、4週間は1つの目標を継続する
・無意識に実行できるようになってから、次の目標に取り組む
本書では具体的な事例も交えて紹介されているので、詳しく知りたい方は本書を読んでみてください。そして、最後に2016年に実際にわたしが実践したマイクロ目標の一部を紹介したいと思います。
<生産性>
-マインドマップ習得
-Evernote活用
-ゼロ秒思考
-断捨離(部屋の整理)
<体調管理>
-食事制限
-姿勢矯正
<読書>
-年112冊(年100冊以上のペース)
これらは今も継続して実践中です。本書のおかげで、生活の様々な面が向上しています。これが2017年、2018年、2019年と積み重なっていくと考えると、とても楽しみにです。
1600円の投資で何倍ものリターンを得させてもらった本でした。
初版:2015年01月30日
出版社:大和書房
著者:キャロライン・L・アーノルド