「愛着障害」で、自分と深く向き合えるようになった!!

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愛着障害

初版:2011年09月20日
出版社:光文社新書
著者:岡田 尊司

愛着障害は、こんな人にオススメ

1.人間関係に悩んでいる人
2.部下を持っている人
3.人と同じように振舞えず、悩んでいる人

愛着障害の内容

1.愛着とは何か?
2.愛着障害とは何か?4つの愛着スタイルの解説
-安定型
-回避型
-不安型
-恐れ・回避型
3.愛着障害の克服方法

「愛着障害」で、自分と深く向き合えるようになった!!

わたしは本書を読み始めたとき、他人をより深く理解できるようになることを期待していました。ところが、読み進めていくうちに、全く予想外の展開が待っていました。

その展開は、後ほど述べますが、まずは愛着について解説します。

みなさん、愛着とは何か分かりますか?

20代読書会_愛着
本書では、冒頭で愛着をこのように説明しています。

人間が幸福に生きていくうえで、もっとも大切なものーそれは安定した愛着である。愛着とは、人と人との絆を結ぶ能力であり、人格のもっとも土台の部分を形造っている。人はそれぞれ特有の愛着スタイルをもっていて、どういう愛着スタイルをもつかにより、対人関係や愛情生活だけでなく、仕事の仕方や人生に対する姿勢まで大きく左右されるのである。

そして、こう続きます。

安定した愛着スタイルをもつことができた人は、対人関係においても、仕事においても、高い適応力を示す。人とうまくやっていくだけでなく、深い信頼関係を築き、それを長年にわたって維持していくことで、大きな人生の果実を手に入れやすい。どんな相手に対してもきちんと自分を主張し、同時に不要な衝突や孤立を避けることができる。困ったときは助けを求め、自分の身を上手に守ることで、ストレスからうつになることも少ない。人に受け入れられ、人を受け入れることで、成功のチャンスをつかみ、それを発展させていきやすい。

つまり、愛着とは人と人との絆を結ぶ能力。そして、人格の土台である、ということです。

さらに、安定した愛着スタイルを持つことは、人生を幸福に生きていくうえで、とても重要なことのようです。

では、安定した愛着スタイルを持っていない人はどうなるのでしょうか?

本書から、引用します。

従来、愛着の問題は、子どもの問題、それも特殊で悲惨な家庭環境で育った子供の問題として扱われることが多かった。しかし、近年は、一般の子どもにも当てはまるだけでなく、大人にも広くみられる問題だと考えられるようになっている。しかも、今日、社会問題となっているさまざまな困難や障害に関わっていることが明らかになってきたのである。
たとえば、うつや不安障害、アルコールや薬物、ギャンブルなどの依存症、境界性パーソナリティ障害や過食症といった現代社会を特徴づける精神的なトラブルの多くにおいて、その要因やリスク・ファクターになっているばかりか、離婚や家庭の崩壊、虐待やネグレクト、結婚や子どもをもつことの回避、社会に出ることへの拒否、非行や犯罪といったさまざまな問題の背景の重要なファクターとしても、クローズアップされているのである。

読書会

  • うつや不安障害
  • アルコールや薬物、ギャンブルなどの依存症
  • 境界性パーソナリティ障害
  • 過食症
  • 離婚や家庭の崩壊
  • 虐待やネグレクト
  • 結婚や子どもをもつことの回避
  • 社会に出ることへの拒否
  • 非行や犯罪

なんと…。これでもか!というほど、幅広い問題の根底に愛着スタイルが潜んでいるようです。

そして、この愛着スタイルの問題は、決して他人事として済ますことができないようです。

ご自分が、不安定型愛着を抱えているかもしれないし、恋人や配偶者や子どもや同僚がそうであるかもしれない。カップルのどちらかが不安定型愛着を抱える確率は、何と五〇パーセントを超えるのだ!さらに、三人の人がいて、そのうち一人でも不安定型愛着を抱えている可能性は、七割にも達する!不安定型愛着がどういうものかを知らずに世渡りすることは、片目を眼帯で覆って車を運転するようなおのだと言えるだろう。

程度の差はあるのでしょうが、3人に1人が愛着障害である割合が70%以上とは!これは、驚きました。

会社勤めであれば、同じ部署には何人か愛着障害の人がいることになります。ママ友の中にもいるでしょうし、子供の同級生の中にも必ずいるでしょう。

愛着障害が、こんなにも身近な問題だったとは知りませんでした。

では、この愛着スタイルって、どんなものがあるのでしょうか?

安定型の愛着スタイルも含めて、4つの愛着スタイルがあると解説されています。それぞれ、概要を紹介していきます。

安定型愛着スタイル

20代読書会_安定
安定型愛着スタイルの第一の特徴は、対人関係における絆の安定性である。安定型の人は、自分が愛着し信頼している人が、自分をいつまでも愛し続けてくれることを、当然のように確信している。愛情を失ってしまうとか、嫌われてしまうなどと、思い悩むことがない。自分が困ったときや助けを求めているときには、それに必ず応えてくれると信じている。だから、気軽に相談したり、助けを求めたりすることができる。
また安定型のもう一つの特徴は、その率直さと前向きな姿勢である。人の反応を肯定的に捉え、自分を否定しているとか、蔑んでいるなどと誤解することがない。そもそも人がどういう反応をするかということに、あまり左右されることがない。自分が相手の要求を拒否したり、主張を否定したりすると、相手が傷つき、自分のことを嫌うのではないかと心配したりはしない。自分の気持ちを偽ってまで相手に合わせるよりも、自分の考えをオープンにさらけ出した方が、相手に対して誠実であり、お互いの理解につながると考えている。

回避型愛着スタイル

20代読書会_回避
回避型愛着スタイルの人は、距離をおいた人間関係を好む。親しい関係や情緒的な共有を心地よいとは感じず、むしろ重荷に感じやすい。だから、親密さを回避しようとし、心理的にも物理的にも、距離をおこうとする。

回避型のコア・ウィッシュは、縛られないことである。人に依存もしなければ、人から依存されることもなく、自立自存の状態を最良とみなす。そして、他人に迷惑をかけないことが大事だと、自己責任を重視する。
自分の属する組織や集団とも、気持ちを共有することは少なく、仲間に対して、一緒にいてもあまり意味がないとか、時間の無駄であるといった、ネガティブな見方をする傾向がある。積極的に関与するよりも、自分に余計な責任がかからないようにする。
回避型のもう一つ大きな特徴は、葛藤を避けようとすることである。そのため、人とぶつかり合ったりする状況が苦手で、そうした状況に陥るくらいなら、自分から身を引くことで事態の収束を図ろうとする。人への積極的な関与を好まないのも、ある意味、葛藤を避けようとするためでもある。

不安型愛着スタイル

20代読書会_不安
終始周囲に気をつかっている人がいる。プライベートはもちろん、仕事の場でも、相手の顔色を見ながら機嫌をうかがったり、馬鹿丁寧にあいさつばかりする。そのとき、少しでも相手の反応が悪かったりすると、嫌われているのではないかと不安になって、肝心の仕事どころではなくなってしまう。
この過剰な気づかいこそが、愛着不安の表れなのだ。そして、気づかいばかりが空回りするのが、不安型愛着スタイルの人の特徴でもある。
不安型の人は、相手の表情に対して敏感で、読み取る速度は速いものの、不正確であることが多い。ことに、怒りの表情と誤解してしまうことが多々ある。
そうなってしまうのも、不安型の人にとって一番の関心ごとは、「人に受けいれられるかどうか」「人に嫌われていないかどうか」ということにあるからだ。

恐れ・回避型愛着スタイル

20代読書会_回避不安
愛着回避と愛着不安がいずれも強い愛着スタイルは、恐れ・回避型と呼ばれる。対人関係を避けて、ひきこもろうとする人間嫌いの面と、人の反応に敏感で、見捨てられ不安が強い面の両方を抱えているため、対人関係はより錯綜し、不安定なものになりやすい。

一人でいることは不安で、人と仲良くしたいと思うが、親密になることで強いストレスを感じたり傷ついてしまうという矛盾を抱えている。それは、人を信じたいが信じられないというジレンマでもある。
それゆえ、恐れ・回避型には、疑り深く、被害的認知に陥りやすいという傾向がある。自分をさらけ出すのが苦手で、うまく自己開示できないが、その一方で、人に頼りたい気持ちも強い。

この4種類の愛着スタイルを読んでみると、「あ、あの人は不安型だ」とか「あの人は回避型だったのか!」と合点がいく人も多いのではないでしょうか。

そして、自分は安定型愛着スタイルだったと安心している人も多いと思います。

一方で、あれ?自分ってもしかして愛着障害か?と不安に思われる方もいるかもしれません。実は、わたしもその一人です。

回避型愛着スタイルの説明を読めば読むほど、当てはまっている気がするからです。しかも、昔から薄々気づいていた自分の特徴を言い当てているのです。

そして、幼少期を振り返ってみると、思い当たる節もあります。ここでは解説しませんが、本書には愛着障害の原因となる事象も具体的に書かれています。

それでも、わたしは両親から愛情を受けて育った自覚があります。そのため、軽度の回避型愛着障害だったのではないかと思います。

なぜ、過去形で書くかというと、現在は回避型の傾向が薄くなってきているからです。

正直、本書を読む前、自分が愛着障害だったとは、まったく考えていませんでした。完全に他人事でした。ただ、自分のことがより深く理解できて、少し気持ちが楽になりました。

そして、本書には愛着障害の克服の仕方も解説されています。

その回復の過程も、自分は覚えがあります。

幸運なことですが、自分は無自覚に愛着障害を克服しつつあったのです。これは現在、過去含めて、周りの人に感謝するしかありません。

気になる方は、ぜひ手に取ってみてください。現代社会の人間関係を理解するうえで、とても示唆に富む良書だと思います。

20代読書会_愛着障害

初版:2011年09月20日
出版社:光文社新書
著者:岡田 尊司

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