「シリコンバレー式 最強の育て方」でわかった1on1ミーティングとは?

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シリコンバレー式 最強の育て方

部下が突然辞めて驚くこと、ありませんか?

それは人材マネジメントの失敗です。そうした組織面の課題は1on1ミーティングで解決できます。「最強の育て方」でわかった1on1ミーティングのメリットとやり方をシェアします。


シリコンバレー式 最強の育て方

初版:2017年09月11日

出版社:かんき出版

著者:世古詞一

1on1ミーティングとは、なにか?

  • 部下がなかなか育たない
  • 安心して任せていた優秀な部下が辞めてしまう
  • ちょっと厳しくするとメンタルに支障が出る部下がいる
  • 言われたことしかやらない部下ばかり。自分で考えて動かない。
  • 最近、チーム全体的に活気がない
  • こんな悩みを抱えていませんか?これらは人材マネジメントの問題です。

このような事業面の課題ではなく、組織面のの課題は、1on1ミーティングで解決することができます。なぜなら、組織面の課題は個人に焦点を当てた対話の不足によって起きるからです。

1on1ミーティングとは、上司と部下による1対1の定期的な対話の時間です。一般的な面談との大きな違いは「これは部下のための時間」だということです。ですので、双方のコミュニケーションの場ではあるのですが、上司は時にカウンセラーのように部下の話を聞き、部下の状況や問題、関心事を把握します。そして時には、その場でアドバイスをして解決することを行う場です。結果として部下の気持ちがスッキリしたり、納得感を持ったり、次のチャレンジへ行動していこうとすることが最も重要なことです。1on1の頻度は、最低でも月1回。部下との関係構築ができていないうちは、私は月2回を推奨しています。そのくらいの頻度で関わることで変化が表れてきます。

引用にあるとおり、1on1ミーティングとは、上司と部下による1対1の定期的な対話の時間です。

日本では馴染みが未だありませんが、外資系企業では広く取り入れられています。本書では、グーグルやマイクロソフト、インテルなどの事例が取り上げられていました。わたしの外資系企業で働く知人も、毎週上司と1on1ミーティングをしていると言っていました。

では、1on1ミーティングには、どんな効果があり、どうやって実施すればいいのでしょうか?次章以降で、1on1ミーティングのメリットとやり方を紹介します。

1on1ミーティングのメリット

笑顔

1on1ミーティングには、3つのメリットがあります。

  • 部下との信頼関係の構築できる
  • 部下が自発的に動くようになる
  • 人材マネジメントのコストが下がる

この3つです。どういうことか、1つずつ解説していきます。

部下との信頼関係の構築できる

部下との信頼関係を構築するなら、1on1ミーティングは最適です。なぜなら、単純接触効果が働くからです。

信頼関係をつくるためには、お互いの歴史や考え方を知って共感していくことです。そのためにまず1on1の回数を増やしていくこと自体が、信頼関係づくりに寄与します。心理学ではこれを「単純接触効果」と言い、人は何かしらの対象物と繰り返し接することで、警戒心が薄れて好感度が増していくという効果があるのです。この信頼関係はすべての土台になります。

昔は飲みニケーションといい、上司と部下が飲み歩き、互いのプライベートを知り尽くして信頼関係を築いてきました。さらに、モーレツ社員といわれ、家庭を顧みず、長時間労働も当たり前でした。

ところが、いまの若者はまったく違います。飲みに誘っても、なかなか乗ってきません。モーレツ社員のような働き方も、望んではいません。

飲み会にも参加せず、残業も共にするわけではなければ、上司と部下の会話は業務の話だけになりがちです。部下個人に焦点を当てた会話をするのは難しいです。

そのため、信頼関係を築く機会を、意識的に設けていく必要があります。そうしたときに、毎週15分の1on1ミーティングは最高の機会となります。

実践していただければ、すぐに効果を実感できます。自分に興味・関心を寄せてもらっているとわかるだけでも、部下は心を開いてくれます。回数を重ねれば、部下の心をしっかりと掴んでいる感覚を持てるようになるでしょう。

部下が自発的に動くようになる

自発的に動く部下も、1on1ミーティングで育てることができます。なぜなら、関係性への欲求、有能さへの欲求、自律性への欲求のすべてを満たすことができるからです。

「内発的動機づけ」の第一人者であるロチェスター大学教授のエドワード・デシ氏は、人がやる気になるためには三つの基本的欲求が満たされることが必要と述べています。一つ目は関係性への欲求。二つ目は有能さへの欲求。三つ目は自律性への欲求です。そして実は、このやる気になるための三つの欲求は1on1ミーティングの場ですべて満たせるのです。
まず一つ目の関係性への欲求とは、相手に受け入れられていると感じていることです。例えば部下の関心のあることを聞いたり、体調を気にかけたり、言葉や質問を投げかけることです。1on1ミーティングで行うことそのままです。
次に二つ目の有能さへの欲求とは、「自分にはできる」という自己効力感を持てることです。これを部下に持たせるための働きかけとしては、例えば、部下への期待を伝えたり、感謝の言葉を述べたり、できていることに承認を与えることです。部下をできる人として接することで部下の自己効力感が高まります。これも1on1で上司が実践する欠かせない要素です。
最後三つ目の自律生への欲求とは、物事を自分で決めた実感を持って取り組むことです。押し付けられて、やらなければならないと思って取り組むのではなく、視点を変えて当事者意識を持って取り組める状態です。これも1on1ミーティングの場で行われます。

1on1ミーティングを行っていないと、優秀な部下ほど心が離れてしまう危険性があります。なぜなら、優秀な部下は放っておいても、期待どおりの成果を上げてくれるからです。そのため、ついつい出来の悪い部下にかける時間が多くなりがちです。

ところが、優秀な部下も引用にあるような欲求を持っています。

そこで、1on1ミーティングが、部下の欲求を満たし、自立して動くモチベーションになるのです。なぜなら、意識して定期的に、関心を向け、感謝や期待を伝え、仕事ぶりを見ているよと伝えることができるからです。

優秀な部下ほど、びっくり退職をされたら、その損失は大きいです。1on1ミーティングでモチベートすることが大切です。

人材マネジメントのコストが下がる

業務に集中したいのに、人に関する問題がいつも起きている

そんなこと、ありませんか?

中には、いつから自分は部下のベビーシッターになってしまったんだろうか?と嘆いている人もいると思います。

そうした人材マネジメントが大変なのは、いつも後手の対応に回っているからです。実はAさんとBさんが不仲であるとわかり、仲を取り持つのに四苦八苦するとか、優秀な部下が突然辞めると言いだし、引き止めに苦労するとか、いつも問題が起きてから、対応に迫られます。

しかし、1on1ミーティングを行なっていれば、未然に問題を解決することができます。

人材マネジメントとは、人と組織の管理です。部下の心身状態や、能力・キャリア開発、目標設定や評価などを行います。
実は、この人材マネジメントに関するテーマはすべて1on1ミーティングの場で話されます。1on1をしっかり回して、これらの方向性を決めて進捗を追っていけば、人材マネジメント業務に関して言えば、ほとんどやるべきことはないといっても過言ではありません。

そして、こう続きます。

普段から1on1を確実に行えていると、日々の現場で起こるコミュニケーションもお互いの勘所がつかめて早くなり、「後手の対応」から「先手の対応」に変化していきます。ですので、忙しいから1on1する時間がない、という考え方から、1on1を行うことで業務を楽にしていくという考え方にシフトしていくことができます。

当たり前ですが、問題は、顕在化してから対応するよりも、未然に防いだほうが、労力はかかりません。1on1ミーティングを定期的に行っていると、人材マネジメントに多大な時間がかかっているように見えます。しかし、すべての問題を事前に解決できれば、圧倒的に人材マネジメントのコストは下がります。

ベビーシッター状態から抜け出し、ストレスなく、業務に集中できるようになります。

1on1ミーティングの効果的な方法

考える

30分の1on1ミーティングの標準的な例を紹介します。

  • 00~05分 アイスブレイクと体調確認
  • 05~10分 前回のおさらいと承認
  • 10~25分 今回のテーマ
  • 25~30分 今回のまとめとアクションプランの確認

そして、1on1ミーティングは2つのコンテンツがあります。1つは「信頼関係づくり」、もう1つは「成長支援」です。

信頼関係づくりステージ

①プライベート相互理解
②心身の健康チェック
③モチベーションアップ

成長支援ステージ

④業務・組織課題改善
⑤目標設定/評価
⑥能力開発/キャリア支援
⑦戦略・方針の伝達

そして、「信頼関係づくり」は全項目を毎回行いますが、「成長支援」は全項目を毎回行うわけにはいきません。時間が足りていないからです。

それでは、各テーマごとにポイントを紹介していきましょう。

00~05分 アイスブレイクと体調確認

この時間では、①プライベート相互理解と②心身の健康チェックを行います。

このとき重要なのは、雰囲気づくりです。1on1ミーティングを効果的に行うために、部下が話しやすい雰囲気をつくることが重要です。

プライベートなことを話してもらうためには、雰囲気が重要です。人は環境によって気分が左右されるものです。そのために上司に1on1の最初の方で特に意識してほしいのは、部下の話に、自分の「納得」を求めるな、ということです。
上司が「納得する」ための時間は上司のための時間になります。1on1は部下のための場です。つまり「納得」ではなく「共感」のスタンスで臨むのです。ここでいう共感とは、100%賛成でも反対でもなく、事実を受け取ったということと、自分の意見と同じ部分を探すということです。この「共感」が「100%受け入れられている、何を言っても大丈夫という安心安全の空間」をつくります。

あなたが納得できなくても、部下の話に共感しましょう。そして、「なにを言っても大丈夫だ」という雰囲気を作ってください。

立場が上だと、ついつい部下に教えたくなります。そして、部下の間違いを訂正して説得しがちです。しかし、1on1ミーティングの冒頭で、部下に教えたり、説得したりすると、1on1ミーティングもまったく効果がないものになります。注意してください。

05~10分 前回のおさらいと承認

この時間で、部下の③モチベーションアップを行います。そのためには、部下を「ほめる」ことが大切です。

通常の状態の人をモチベーションアップするのに効果的なのは、やはり「ほめる」ことです。まず、毎回の1on1で必ずやっていただきたいのが、前回から今回までの間で発見した部下の良い言動や結果について伝えることです。小さいことで構いません。「あの発言よかったね」「前回言ったことやれてるね。いいね。」Facebookの「いいね」の感覚で気軽に自分が言えるようになりましょう。つい軽視しがちですが、実はこれは一生ものの大きなマネジメントスキルになります。

部下は、自分よりも能力が低いものです。逆に自分よりも能力の高い人であれば、部下ではなく、自分の上司になるから、当たり前です。

そのため、上司から見ると、部下の至らない点がよく見えます。しかし、部下も日々努力をしています。なにも考えず、常に低いレベルにい続けようとしている人など滅多におりません。

なので、部下の至らない点より、前回の1on1ミーティングよりもプラスになった部分に意識を向けてください。そして、その部分を承認してください。そうすると、部下も高いモチベーションで仕事に取り組むことができます。

10~25分 今回のテーマ

これが1on1ミーティングでもっとも重要な時間です。④業務・組織課題改善、⑤目標設定/評価、⑥能力開発/キャリア支援、⑦戦略・方針の伝達の中から、1つか2つ話し合います。

このとき、学習経験モデルを意識して、部下の成長をサポートしてください。学習経験モデルとは「具体的経験→内省的観察→抽象的概念化→能動的実験」という4つの段階からなるサイクルです。本書には、以下のような具体例が書かれていました。

①具体的経験(間接的経験含む)

プレゼンでしどろもどろになり失敗する。

②内省的観察(振り返り)

全然頭に入っていなかったのに、わかった気になっていた。

③抽象的概念化(教訓・学びにする)

自分で内容を見なくても説明できるレベルにならないと人前では説明できない。

④能動的実験(新たなチャレンジをする)

まずは、明日の朝礼で話をするときに、3つのポイントを意識して試してみる。

学習経験モデルは、簡単に言えばPDCAということです。ただ、一人で内省をしてPDCAを回せる人は、非常に稀です。そのため、自分でPDCAを回せるようになるまで、最初は上司がサポートをしてく必要があります。

こうしたサポートをするのとしないのでは、部下の成長速度が格段に違います。そうして時間とともに、上司が特別なアドバイスをしなくても、部下が自ら自分の課題に気づき、改善していきます。その結果、部下も自分の成長を感じられると、さらにモチベーションが高まり、改善を繰り返すようになります。

そうして、いいスパイラルに入り、自分でPDCAを回すようになると、自発的に動く人材に成長していきます。

1on1ミーティングのレベルチェック

ケーキ

最後に、部下と1on1ミーティングのレベルを紹介します。1on1ミーティングの回数を重ね、より生産性の高い、レベルの高い1on1ミーティングを目指してください。

レベル1

「コミュニケーション量の増加」によって、上司と部下の信頼関係がつくられる

レベル2

「傾聴」を通して、部下理解が深まる。上司と部下の相互理解の深まり

レベル3

「承認」を通して部下のモチベーションが向上する

レベル4

「質問やフィードバック」を通して、部下が業務から「学びや気づき」を獲得する

レベル5

「気づきや学び」をもとにして、部下が「新たな行動やチャレンジ」をする

レベル6

「チャレンジ」を通して、部下が成果への貢献感と能力の向上を自覚する

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