「フィードバック入門」社会変化で、人材育成も変わった!!

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フィードバック入門

フィードバックとは、なにか?

フィードバックとは、耳の痛いことを伝えて、部下と職場を立て直す技術です。そして、いまの時代に最強の人材育成法です。その効果的な方法を紹介します。


フィードバック入門

初版:2016年03月03日

出版社:PHPビジネス新書

著者:中原淳

なぜ、人が育たなくなったのか?

  • 上からは「部下を育てろ」と言われるけれども、現実にはなかなか育ってくれない
  • アドバイスをしても聞いてるかどうかわからず、同じ失敗ばかり繰り返す
  • 少しキツく言うと、落ち込んでしまうので、あまり強くは言えない
  • 部下が育たないので、仕事を任せられず、自分でやるしかない仕事がどんどん山積みになっていく
  • でも、これ以上実務をこなす時間の余裕なんてどこにもない
  • かといって家に帰れば「残業を減らして早く帰ってきてほしい」など家族に言われる始末

このような事態に困り果てている人もいるのではないでしょうか?

いまは人が育ちづらい時代になっています。なぜなら、長期雇用・年功序列・タイトな職場関係の3つが崩れているからです。高度経済成長期の職場には、この3つが存在していたといいます。高度経済成長といえば、島耕作の時代ですね。あの漫画を読むと、いまの時代との違いに驚かされます。

では、長期雇用・年功序列・タイトな職場関係が崩壊すると、なぜ人が育たなくなるのか?を本書から引用して解説します。

長期雇用の崩壊で、人が育たない

実は、「長期雇用」「年功序列」「タイトな職場関係」の三つが揃うと部下は勝手に育つ可能性が高まります。
第一に「長期雇用」だと、すぐに結果が出なくても、長い目で見てもらえます。皆さんは、「大人が育つ瞬間」はいつだと思われるでしょうか。それは、「成功体験」をしたときよりも、「大きな失敗」をしたときです。
しかし、現在のように短期的な結果が求められる環境では、大きなミスをしたら、一発で見限られてしまう可能性があります。長い目で見てもらえたのは、長期雇用が前提だったからです。だからこそ、若い社員は、失敗を恐れず、何度も学ぶ機会を与えられたのです。

年功序列の崩壊で、人が育たない

第二に、「年功序列」の会社では、定年までの道筋が一定なので、部下から見て、上司は、自分の将来像を示したロールモデルになります。だから、部下も、「今がしんどくても、15年も経てば、高級車クラウンに乗れるようになる」と思えるので、モチベーションが高まりますし、「課長のような仕事をこなせるようになるためには、今、何をすべきか」が明確にわかりますから、正しい方向で努力できます。

タイトな職場関係の崩壊で、人が育たない

第三に、「タイトな職場関係」だと、上司や先輩が部下と職場で長い時間を一緒に過ごすので、上司や先輩の仕事ぶりをじっくりと観察できます。
反対に、上司や先輩社員も、若手社員のことを長時間見ていたので、特に意識しなくても、改善すべき点を的確に指摘できました。今のように、皆が皆忙しいわけではなく、当時の部課長には時間的にも精神的にも余裕があったと述べる実務家も少なくありません。

ということで、年功序列・長期雇用・タイトな職場関係がなくなったことが、人材育成を困難にしているようです。では、どうすれば人を効果的に育てていくことができるのか?を次章以降で説明していきます。

人材育成の基礎理論とは?

人材育成には、経験軸とピープル軸の2つがあるといいます。これが人材育成の基礎理論です。1つずつ、解説していきます。

経験軸

イノベーション

部下を育成するためには、実際のリアルな現場での業務経験が最も重要であるという考え方です。簡単にいえば、仕事から学ぶということです。そのため、経験軸の人材育成で大切なのは、部下に適切な業務経験を積ませているか?ということです。

その次に、「業務経験が成長の資源」であることはわかったけれども、部下には、一体どんな業務経験を積ませることが「適切」だと言えるのでしょうか。
経験学習には、このように「現在の能力でできる業務」のレベルよりも、少し高めの業務を任せていくことが重要です。
「現在の能力でできる業務」と「ちょっと無理すればなんとかこなせる業務」の間のレベル差のことを「ストレッチ経験」といったり、「背伸び経験」と言ったりすることがあります。要するに、部下の能力を伸ばすためには、少し背伸びをしなければならない難易度の仕事を任せていかなくてはならないということです。

本書では、難なくこなせる業務のことをコンフォートゾーンと呼び、難易度が高すぎる業務のことをパニックゾーンと呼んでいました。適切な業務経験とは、コンフォートゾーンとパニックゾーンの間のストレッチゾーンの仕事です。ストレッチゾーンの仕事を与えることで、部下は適切な業務経験を積んで、成長していきます。

しかし、どうやって部下に仕事を任せていいかわからないという場合は、「任せる技術」という本が秀逸でした。レビューのリンクを載せますので、気になる方は見てみてください。

参考:「任せる技術」で、人材育成のバイブルが見つかった!!

ピープル軸

ハンバーガー

人が業務の中で成長するのは、職場の人たちから、さまざまな関わりを得られたときであるという考え方です。簡単にいえば、人から学ぶということです。

そして、ピープル軸には3つの要素があります。業務支援・内省支援・精神支援の3つです。業務支援・内省支援・精神支援とは、なんでしょうか?1つずつ解説してきます。

一つ目の「業務支援」とは、相手が持っていない専門知識やスキル、情報などを教えることや助言することです。これはどちらかというと、一方向的な情報の提示に近い概念です。前述したように、経験の浅い人であればあるほど人、は情報を必要とします。内面に何ら経験や知識が蓄積されていないのに、自分の頭で考えることはなかなか難しいものです。
二つ目の「内省支援」は、客観的な意見を通知したり、俯瞰的な視点や新たな視点を提供して、本人の気づきを促す支援のあり方です。これは上司や先輩、はたまた場合によっては同僚などから、自分の気づかない点、自分の盲点の指摘を受け、自分の行動や認知のあり方を振り返ることです。
三つ目の「精神支援」は、励ましたり、褒めたりすることで、部下の自己効力感や自尊心を高めることです。

硬い表現でしたが、業務支援とは教えること、内省支援とはPDCA、精神支援とはメンタルケアのことです。

忙しい業務の中で、そんな面倒なことが必要なのか…?と思われる方もいるかもしれません。しかし、安心してください。1on1ミーティングを実施すれば、すべてを網羅することができます。

ピープル軸を一挙に解決してくれる1on1ミーティングにてついては、「シリコンバレー式 最強の育て方」がわかりやすいです。ぜひ、読んでみてください。

参考:「シリコンバレー式 最強の育て方」でわかった1on1ミーティングとは?

これで人材育成の全体像を理解していただけたでしょうか。次は、いよいよフィードバックについて解説します。フィードバックはピープル軸の内省支援で使うスキルです。

適切な業務を与えても、やりっ放しでは成長は期待できません。定期的に振り返り、反省・改善をする必要があります。その支援に効果的なフィードバックについて説明します。

最強の育成法フィードバックとは?

いよいよ、フィードバックの出番です。日常的に使う言葉ではありますが、フィードバックの定義が何か、わかりますでしょうか?

本書のテーマである「フィードバック」は、あまたある部下育成方法の中で最も重要なものにもかかわらず、日本ではあまりこれまで注目されてこなかったものだと思います。
フィードバックとは端的に言ってしまえば、「耳の痛いことを部下にしっかりと伝え、彼らの成長を立て直すこと」です。

はい、フィードバックとは、耳の痛いことを部下にしっかりと伝え、彼らの成長を立て直すことです。そして、フィードバックには2つの要素があります。情報通知と立て直し、です。

1.情報通知
たとえ耳の痛いことであっても、部下のパフォーマンス等に対して情報や結果をちゃんと通知すること(現状を把握し、向き合うことの支援)

2.立て直し
部下が自己のパフォーマンス等を認識し、自らの業務や行動を振り返り、今後の行動計画を立てる支援を行うこと(振り返りとアクションプランづくりの支援)

つまり、PDCAでいうところのC(Check)とA(Act)の支援です。

人は弱い生き物です。自分の現状を客観的に見るのは辛いです。そのため、つい目をそらしがちになります。そこで、上司が客観的な情報を通知をして、部下に現状を伝えるのです。これを行わないと、いつまでも自分の課題に気づかないままになってしまいます。

そして、次に立て直しです。

いままで慣れ親しんだ仕事の仕方、同僚との付き合い方など、なにかしらを変更する必要があります。これも、なかなかしんどい作業です。

ただ、課題を把握していても、改善しなければ意味がありません。改善策を考えることを部下に任せても、後回しにしがちなので、上司がサポートする必要があります。

これがフィードバックです。反射的に反発してくる部下もいるでしょうが、効果的なフィードバックを行えれば、大きな成長を期待できます。ぜひ、取り組んでみてください。

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