「HARD THINGS」”好きなことで起業”を思いとどまる本だった!

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HARD THINGS

起業したいですか?

好きなことで起業したい方は、ぜひ本書を読んでください。なぜなら、起業すること、CEOになることは、普通の人にはとても耐えられない苦闘だからです。


それでは、本書で学んだCEOとは?をシェアしていきます。

HARD THINGS

初版:2015年04月21日

出版社:日経BP

著者:ベン・ホロウィッツ

英雄と臆病者、CEOとは?

英雄と臆病者の違いはなにか、わかりますか?

私は子供たちに「英雄と臆病者の違いは何だと思う?」と尋ねる。何が卑怯者と勇者を分けるのだろうか。実は、人間には何も差はないのだ。差はそのなすことにある。両者ともに感じることは同じだ。どちらも死んだり傷ついたりするのは怖い。しかし臆病者は、直面すべきことに直面しようとしない。英雄は自身をしっかり制御し、恐怖をはねのけてしなければならないことにをする。しかし、英雄も臆病者も感じる恐怖は同じなのだ。他人がやったことを見て判断する観客は、彼がどう感じたかを知らない。

そうです。英雄も臆病者も、なんの違いもありません。感じる恐怖や痛みは同じです。ところが、行う行動が違うのです。

これは英雄に見えるCEOでも、同じことが当てはまります。華々しく、強く、格好よく見えるCEOでも、普通の人と同じように恐怖を感じ、緊張し、腹を立て、苦しんでいます。そして、ベン・ホロウィッツはCEOだった日々を悪戦苦闘だと述べています。

苦闘とは、そもそもなぜ会社を始めたのだろうと思うこと。苦闘とは、あなたはなぜ辞めないのかと聞かれ、その答えは自分でもわからないこと。苦闘とは社員があなたはウソをついていると思い、あなたも彼らがたぶん正しいと思うこと。
苦闘とは、料理の味がわからなくなること。苦闘とは、自分自身がCEOであるべきだと思えないこと。苦闘とは、自分の能力を超えた状況だとわかっていながら、代わりが誰もいないこと。苦闘とは、全員があなたをろくでなしだと思っているのに、誰もあなたをクビにしないこと。苦闘とは、自信喪失が自己嫌悪に変わること。苦闘とは苦しい話ばかり聞こえて、会話していても相手の声が聞こえないこと。苦闘とは痛みが消えてほしいと思うとき。苦闘とは、不幸である。苦闘とは、気晴らしのために休暇を取って、前より落ち込んでしまうこと。苦闘とは、多くの人たちに囲まれていながら、孤独なこと。苦闘とは無慈悲である。
苦闘とは、破られた約束と壊れた夢がいっぱいの地。苦闘とは冷汗である。苦闘とは、はらわたが煮えくり返りすぎて血を吐きそうになること。苦闘は失敗ではないが、失敗を起こさせる。特にあなたが弱っているときはそうだ。弱っているときは必ず。

そして、実際にベン・ホロウィッツが経験した悪戦苦闘の一部を並べてみます。

  • 強力ライバルからの反撃
  • 会社売却
  • 資金ショート
  • 無理な上場
  • 出張中に妻が呼吸停止
  • バブル崩壊
  • 株価急落
  • 最大顧客の倒産
  • 売上9割を占める顧客の解約危機
  • 3度のレイオフ
  • 上場廃止の危機

数年で、これらすべてを経験しています。その辛さは想像も、共感もできない域です…。もちろん、日々の経営においては、社員の離反や株主の圧力など、ここには挙がっていない、さまざまな苦闘があったと思います。

その結果、CEOは満足のいく経営とはほど遠い日々を過ごすことになります。

おそろしく競争が激しく、流動的な環境でさまざまな要素を組み合わせて組織づくりをするのだから、何がまずいことになるかわかったものではない。CEOの成績を統計にとれば、その平均値は100点満点で22点くらいだろう。こんな低い点数は、大学時代にオールAだった人間にとっては心理的に耐え難い。特に問題を難しくするのは、誰も平均点が22点だと教えてくれないことだ。10人の部下を管理するなら、あまりひどい誤りを犯さずに済むかもしれない。しかし1000人の部下のCEOになれば、謝りを犯さないなんてことはまったく不可能だ。組織がある程度の規模になると、自分がまさかそのような愚行に関係づけられるようとは夢にも思わなかったような愚行を引き起こすものだ。金や時間の浪費、いいかげんな仕事ぶりは見ているだけでも気分が悪い。もし自分がその会社のCEOだったら文字通り吐き気がしてくるかもしれない。
しかも傷口に塩をすり込むように、そうした愚行は結局すべてCEOの責任なのだ。

ベン・ホロウィッツのような偉大な起業家でも、22点と感じるとは…。わたしには、想像すらできない世界です。

ちなみに、ベン・ホロウィッツは、最後にはHPに会社を売却し、そのときの金額は1600億円だったといいます。そのため、起業家としては大成功しています。しかし、もちろんベン・ホロウィッツのように最後までやり遂げられる人たちばかりではありません。多くの起業家が、途中で投げ出してしまい、失敗します。

CEOには「もうこんな仕事は投げ出したい」と思う瞬間が繰り返し訪れるものだ。実際、私は多くのCEOがこの圧力に負けて酒浸りになったり、辞めていったりするのを見てきた。
どの場合にも彼らは怖気付いたり、投げ出したりすることを合理化するもっともな理由を挙げた。しかし、もちろんそれでは優れたCEOにはなれない。優れたCEOは苦痛に耐えなければならない。眠れない夜と冷汗ー私の友達のアルフレッド・チュアンはこれを「拷問」と呼んだ。私は成功したCEOに出会うために「どうやって成功したのか?」と尋ねてきた。凡庸なCEOは、優れた戦略的着眼やビジネスセンスなど自己満足的な理由を挙げた。しかし偉大なCEOたちの答えは驚くほど似通っていた。彼らは異口同音に「私は投げ出さなかった」と答えた。

ベン・ホロウィッツから4つのアドバイス

やり遂げること、これは優れたCEOに不可欠なことです。

その上で、本書から優れたCEOになるために4つのポイントを紹介します。いずれも、ベン・ホロウィッツが起業家として成功するために大切だったと述べているポイントです。

  • 最善を尽くす
  • 現状を客観視する
  • ホワイトボックス・テストを行う
  • 将来のタスクで評価しない

最善を尽くす

すでに述べてきたとおり、順風満帆に経営ができる日々は、ほとんどありません。経営を始めると、常にうまくいかないことだらけの日々になります。そのとき大切なことは、常に「今の最善」に全力を注ぐことだといいます。

「成功するCEOの秘訣は何か」とよく聞かれるが、残念ながら秘訣はない。ただし、際立ったスキルがひとつあるとすれば、良い手がないときに集中して最善の手を打つ能力だ。逃げたり死んだりしてしまいたいと思う瞬間こそ、CEOとして最大の違いを見せられるときである。

あのとき、ああしておけばよかった、こうしておけばよかったと後悔することもあるでしょう。もしくは、なぜ自分だけ、こんな不幸に見舞われるのか?他の人は、もっとうまくいってるのにと、自分を惨めに感じたり、不運に感じたりすることもあるでしょう。

それでも、そうしたことには一切エネルギーを使わず、ただひたらすら最善を尽くすことが大切です。

自分の惨めさを念入りに説明するために使うすべての心的エネルギーは、CEOが今の惨状から抜け出すため、一見不可能な方法を探すために使うほうがはるかに得策だ。やればよかったと思うことには一切時間を使わず、すべての時間をこれからきみがするかもしれないことに集中しろ。結局は、誰も気にしないのだから、CEOはひたすら会社を経営するしかない。

現状を客観視する

あの人は、なんて身勝手なんだろう?どういう神経をしてるんだろう?

そう感じることはありませんか?でも、そうした身勝手な人は、自分のことを周りに配慮できる善人だと思っています。人間は自分を客観視できない生き物です。

アンディ・グローブは人間、特にものをつくる人たちは、良い先行指標にしか耳を貸さないと説明した。たとえば、CEOは自社サービスの登録者数が通常の月間成長率を25パーセントは上回ったと聞けば、切迫した需要の大波に耐えられるよすぐにエンジニアを追加するだろう。一方、登録者数が25パーセント減少すれば、CEOは同じぐらいに熱心かつ緊急に、言い訳の準備をするだろう。「この月は低調だった。休みが4日もあり、ユーザーインターフェースを変更したことによってさまざまな問題が起きた。どうか、パニックにならないでほしい!」
どちらの先行指標も誤りだったかもしれないし、正しかったかもしれないが、この架空のCEOはほぼ全てのCEOと同様に、ポジティブな指標に対してのみ行動を起こし、ネガティブな指標に対しては説明を探すだけだ。

しかし、このようにCEOが自社の現状を客観視できないと、非常に困ります。よくありがちですし、やってしまいがちな過ちです。

現状を楽観的に捉えることも、悲観的に捉えることも正しくありません。ただ、ひたすら客観的に捉えることが大事です。ポジティブな指標もネガティブな指標と同じくらい控えめに、ネガティブな指標もポジティブな指標と同じくらい重要に、受け止める必要があります。

そうすれば、対策が手遅れになったり、逆に先走り過ぎてしまったりすることを避けられます。

ホワイトボックス・テストを行う

短期的利益と長期的利益が相反するとき、短期的利益に惹かれる力は大きいです。

実際に、ほとんどの人が、その引力に打ち勝つことができません。しかし、短期的利益を優先することで、長期的利益を損なうことは誤りです。

組織をブラックボックスのように扱った結果、HPのいくつかの部門は将来の競争力を犠牲にして現在を最適化した。会社は、会社にとって良くない方法で短期目標を達成したマネージャー達に、報酬を与えた。ここでは、ホワイトボックス・テストを行うべきだった。ホワイトボックス・テストでは、数字だけでなく、組織がどうやってその数字を生み出したのかにも注目する。短期のために将来を犠牲にするマネージャーにはペナルティが課され、将来に投資するマネージャーは、たとえ予測が困難な投資であっても報われる。

どのように数字をあげたのか?成果を出したのか?というプロセスをブラックボックスにしてはいけません。ホワイトボックスにし、長期的な視点での経営を心がける必要があります。

そうは言っても、簡単には実現できないのが実情だと思いますが…

将来のタスクで評価しない

ベン・ホロウィッツが、あるエピソードを紹介しています。

先日、私はふたりの友達とミーティングをした。一人はベンチャーキャピタリストでも、うひとりはCEOだった。そこでたまたまCEOの会社のある幹部についての話が出た。その幹部は極めて優秀だったが、大きくスケールした後の組織運営の経験を欠いていた。ベンチャーキャピタリストの友達はCEOに「その幹部が今後会社のスケールに合わせて成長するかどうか注意深く見守るのだね」と無邪気にアドバイスした。私は即刻、「冗談じゃない。そんなバカな話があってたまるか!」と激しく反応した。

人を将来のタスクで評価すべきではないということです。当たり前のことに聞こえるかもしれませんが、日常的にこのような過ちは存在しています。○○さんにリーダーになる資質があるか、マネージャーが務まるかなど、上司の間でよく交わされる会話ではないでしょうか。

しかし、それはまったく不毛なことです。直近の1年、または半年で、その人が自分の課題を改善し、成長できるかどうか、これのみを評価すべきです。3年や5年先のことを話しても意味がありません。

なぜなら、

  • スケーリングに対応することは天性でできることではなく、実際の経験から学ぶことだから
  • スケーリングにどう対応すべきか事前に知ることは不可能だから
  • 何かが実際に起きる前に、ある人の対応能力を決めて受けてしまうことは、その能力の発達に悪影響を及ぼすから

です。

いま、その人が10人の部署のマネージャーを務めていたら、(3年後の)50人のマネージャーとして最適か否かは判断しようがありません。50人のマネージャーになってみないと、対応能力があるか否かわからないからです。そして、本人が対応できるよう成長する機会もないからです。

将来のタスクへの対応能力など、予断を持たず、人を評価することが大切です。

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