「マネージャーの最も大切な仕事」でわかったチームの生産性を高める方法とは?

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マネージャーの最も大切な仕事

チームの生産を高めるには、どうすればいいか?

インナーワークライフを高めるとチームの生産性は向上します。そして、インナーワークライフが高まるのは仕事が捗るときです。マネージャーとして、チームの生産性を高める方法を紹介します。

マネージャーの最も大切な仕事

初版:2017年01月24日

出版社:英治出版

著者:テレサ・アマビール

なぜ、同じ人でも生産性に差が出るのか?

笑顔

同じ人でも仕事の生産性が高いときもあれば、低いときもあります。この差は、なぜ生まれるのでしょうか?

生産性にバラつきがあるのは、インナーワークライフが要因です。

インナーワークライフとは①認識、②感情、③モチベーションの3つをひっくるめたものです。本書から定義を引用して、それぞれの意味を紹介します。

認識:マネジャー、組織、チーム、仕事、ひいては自分自身に対する好意的あるいは敵対的な(そしてときに 漠然とした)印象
感情:ポジティブであれネガティブであれ、職場でのあらゆる出来事から生じる気分
モチベーション:何かをする際の、あるいはしない際の原動力

そして、このインナーワークライフを高めることで、生産性(パフォーマンス)が高まると言います。

これがインナーワークライフ効果だ。人は幸福を感じ、組織や社員へのポジティブな見方を持ち、仕事そのものからやる気を引き出されているときに普段より優れた仕事をする。短期間で見れば、人は大きな負荷のもとで極めて高いレベルのパフォーマンスを発揮することができるが、それは後に詳しく解説する特殊な状況でしか発揮されない。長期的な視点で見ると、ほぼどんな状況でも、人はインナーワークライフがポジティブな状態であるときの方が優れたパフォーマンスを発揮する。

そのため、マネージャーの仕事はメンバーのインナーワークライフを高めることとなります。インナーワークライフを高めることができれば、チームとして高い成果を出せるからです。次章では、メンバーのインナーワークライフを高める方法を3つ紹介します。

チームの生産性を高める3つの要因とは?

チームの生産性(インナーワークライフ)を高める方法は3つあります。それが、こちらです。

  • 仕事のサポート
  • 仕事の任せ方
  • メンタル面のサポート

どういうことか、1つずつ解説していきます。

仕事のサポート

これこそがマネージャーとして最も大切な仕事です。それと同時に見落としがちな仕事です。

メンバーは仕事が進捗したとき、インナーワークライフが高まり、パフォーマンスも向上します。

インナーワークライフに影響を与えるすべて のポジティブな出来事のなかで、最も強力なのがやりがいのある仕事が進渉することである。インナーワークライフに影響を与えるすべてのネガティブな出来事のなかで、最も強力なのが進歩とは反対のものー仕事における障害だ。私たちはこれが根源的なマネジメントの法則であると考えている。進捗を手助けすることこそ、マネジャーにとってインナーワークライフによい影響を与える最も効果的な方法なのだ。

わたしも20名ほどのマネジメントをしています。各人のモチベーションやパフォーマンスが何によって変化するのかを注意深く観察しているつもりです。そして、本書で提言されている「仕事が進渉すること」の威力をつくづく感じています。

なにか仕事で進捗があれば、仕事量が多くても難しい課題に直面していても、とても意欲的に仕事に取り組んでくれます。一方で、能力が高いメンバーでも、数ヶ月にわたって仕事が進まないとモチベーションは如実に低下します。

なぜ、仕事の進捗がこんなにも重要なのでしょうか?それは自己効力感と深く結びつきがあります。

人間の最も基本的な原動力のひとつは自己効力感ー自分には望む目標を達成するために求められる作業をプランニングし実行する能力があるのだという信念だ。自己効力感は人生のごく初期段階から形成され始める。現実に、自己効力感を求めて子供たちは世界を探究し学ぼうとする。この 欲求は人生を通じて続き、大きくなってさえ行く。「自己最高」や仕事仲間の達成を自らの達成と比べたりする。
仕事を通じて、人は進歩し、成功し、問題や作業を乗り越えるたびに自己効力感をますます強く育てていく。驚くまでもなく、心が健全であれば、人は進捗したり障害が外的要因によるものだと考えられるとき、自らに信頼を置くようになる。しかしながら、個人的に重要なプロジェクトにおいて発生する障害は自意識に不安や疑念や混乱を生じさせ、仕事へのモチベーションを低下させる可能性がある。

仕事が進捗すると、自己効力感にプラスに働きます。そのため、さらに意欲的に集中して、次の仕事に取り組むことができ、パフォーマンスも向上します。しかし、逆に仕事が進まないと、自己効力感にネガティブな影響を与えます。そうすると、意欲も集中力も低下して、パフォーマンスも低下してしまいます。

そのため、マネージャーの最も大切な仕事とは、メンバーの仕事をサポートすることです。当たり前すぎると感じるかもしれませんが、メンバーの仕事が進むようにサポートすることが、メンバーの生産性を上げる最も重要なマネージャーの仕事です。

仕事の任せ方

仕事のサポートの”次に”重要なマネージャーの仕事です。仕事の任せ方でもメンバーのインナーワークライフを高めて、チームの生産性を上げることが可能です。そして、仕事の任せ方には7項目あります。それぞれ、本書から引用しながら解説していきます。

1.明確な目標を設定する

人は自分の仕事がどこに向かっているか、なぜこの仕事が重要なのかを分かっているときにインナーワークライフが向上する。明確な短・長期間の目標はチームに具体的な道しるべをもたらし、それが彼らの進捗を際立ったものにする。矛盾した優先順位づけや、不明瞭で、やりがいのない、恣意的に揺らぐ目標が掲げられたとき、人はいら立ち、ひねくれ、モチベーションが低下する。無駄な努力をして時間が浪費され、仕事の質が低下する。

2.自主性を与える

明確な目標の設定は、それが社員たちに何をどうすべきか指示してばかりになると裏目に出る可能性がある。真の意味で内発的に動機づけがなされ、進捗して自己効力感を得るためには、各人が自分の仕事に口を出す権利を持つ必要がある。その上、社員たちが仕事のやり方に自らの裁量を持つとき、彼らはより創造的になる。自主性のポイントは、自らの決断が重んじられるという感覚だ。

3.リソースを提供する

ふんだんなリソースが不可欠なわけではないが、必要な設備、資金、データ、材料、そして人材へのアクセスは欠かせない。社員にこうした触媒ファクターが欠けていると、彼らは進捗するのが難しい、あるいは不可能だと考えるようになり、インナーワークライフは急降下する。

4.十分な時間を与える

時おり短い期間で発生する時間的なプレッシャーはインナーワークライフを活気づけるが、ポジティブなインナーワークライフを引き出すために極めて厳しい時間的なプレッシャーを用いることは、それが数週間にわたるものであれ短期間のものであれ危険なことだ。マネジャーが不可能なほど短期間の締め切りや作業量を設定すると、社員はストレスを感じ、不満を溜め、モチベーションが下がり燃え尽きる。…つまり低い、あるいは適切な時間的プレッシャーがポジティブな思考、感情、 モチベーションを保つのに最適であるように見える。

5.仕事をサポートする

周囲からの支援やサポートもなく、完全に自分の意志に任された社員は、わずかばかりの達成しかできないー彼らはサポートを必要としているのだ。サポートには、必要な情報を提供することから、一緒にブレインストーミングをすることや、苦しんでいる仲間に力を貸すことまで様々な形がある。

6.問題と成功から学ぶ

私たちは、仕事上の問題にきちんと向き合い、分析し、それを乗り越える計画を立てたり問題から学んだときの方がインナーワークライフが遥かにポジティブになることを突き止めた。問題を無視したり、罰せられたり、行き当たりばったりに対処されるとき、インナーワークライフはネガティブなものになっていた。成功から学ぶことも大切だ。調査対象者たちの認識、感情、そしてモチベーションは、たとえ小さなものであっても成功が讃えられ、得られた知見を分析するときに、よりポジティブなものになっていた。そして成功が無視されたり、成功の真の価値が疑問視されるとき、インナーワークライフはネガティブなものになる。

7.自由活発なアイデア交換

私たちの調査参加者たちは、プロジェクトに対するアイデアがチームや組織のなかで自由に飛び交うときに最良の日々を過ごしていた。そして私たちは、マネジャーが社員たちに心から耳を傾け、様々な観点を持って熱心に議論し合うことを後押しし、建設的な批判を(たとえ自分自身に対してであっても)尊重するときに最もアイデアが活発に行き交うことを発見した。

仕事の任せ方は、あくまでも仕事のサポートよりも影響力は劣ります。マネジメントの手法を学んでいくと、仕事の任せ方こそが最重要であると錯覚してしまうことがあります。そうしたことが起きないように重要度を理解した上で、実践していくべき項目です。

メンタル面のサポート

メンタル面のサポートも仕事の任せ方と同様、メンバーのインナーワークライフを向上させることができます。そして、チームの生産性に影響を与えます。メンタル面のサポートには4項目あります。こちらも、本書から引用して解説していきます。

1.尊重

マネジャーの行為によって、人が尊重されていると感じるか尊重されていないと感じるかが決まる。評価は、そうした行為のなかで最も重要なものだろう。優れた仕事への報奨の実際の価値が大きなものであれ小さなものであれ、仕事への評価が公式のものであれ非公式のものであれ、人は自分の努力が認められると尊重されていると感じる。尊重はまた、マネジャーが部下のアイデアに真剣に耳を傾けることでも伝えることができ、部下や部下たちのアイデアが重んじられているのだというシグナルになる。

2.励まし

人を励ますことも二通りでインナーワークライフの栄養となる。第一に、マネジャー自身の熱意が社員の仕事へのモチベーションを向上させるサポートとなり得る。これは、励ましのなかにその仕事の重要性に触れる言葉が含まれているとき特に効果を発揮する。第二に、仕事を見事にやり遂げる部下たちの力を信頼していることをマネジャーが表明すると、そのメッセージが部下たちの自己効力感ー自分にはできるという自信を向上させる。

3.感情的サポート

感情はインナーワークライフを構成する三大要素のひとつであるため、自分の感情が正当なものだと認められたとき、人はより仕事仲間とつながっているという感覚を抱く。…マネジャーは人の悲しみやフラストレーション(そして喜び)を素直に受け止めるだけでも、ネガティブな感情を軽減させポジティブな感情を増幅させるのに大きく貢献することができる。共感は、感情を単に受け止めるよりさらに効果を発揮する。

4.友好関係

仕事仲間の相互の信頼、理解、ときには愛情を深める行為は職場で人とのつながりを感じる最も分かりやすい方法だ。…マネジャーは顔を突き合わせて仲間同士を親しくさせる機会を提供し、皆で楽しい時間を過ごす方法を探すことで友好関係をーそして熱い仲間意識さえもー促進することができる。互いに一緒にいて心地よいとき、仕事にネガティブな影響を与え得る個人間の軋轢は少なくなったり軽くなる。

もちろん、このメンタル面のサポートも仕事のサポートの”次に”重要です。あくまでも、メンバーのパフォーマンスが最も高まるのは”仕事が進捗したとき”であると認識した上で、仕事の任せ方やメンタル面のサポートにも気を配ってみてください。

もし、こんなに多くの項目に気を配れないと感じた場合は、思い切って”仕事の進捗”のみに集中してもいいかもしれません。変にすべての項目に気を配って、”仕事の進捗”がおろそかになってしまうほうが損失が大きいからです。

以上、メンバーの仕事が捗るサポートを行って、ぜひチームの生産性向上を試してみてください!

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