「超一流になるのは才能か努力か?」でわかった才能の正体とは?

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超一流になるのは才能か努力か?

才能の正体は、なにか?

才能は遺伝ではありません。限界的練習によって引き出された能力です。だから、限界的練習を積むことで、誰でも一流になることができます。


超一流になるのは才能か努力か?

初版:2016年07月29日

出版社:文藝春秋

著者:アンダース・エリクソン

才能の正体は、なにか?

生まれながらの天才

こうした言葉は日々耳にします。しかし、本書では天才や才能の存在を科学的に否定しています。天才の代名詞といえばモーツアルトでしょうが、そのモーツアルトですら天才ではなかったと述べています。

わずか6歳で協奏曲を書いたモーツァルト。だがその「作曲」は、他人の作品の焼き直しであったことがわかっている。「生まれつきの才能」で超一流になった人などおらず、またトッププレーヤーに共通の遺伝的特徴なども存在しない。そして、才能の正体とは、限界的練習で獲得した能力です。

そして、こう続きます。

傑出したプレーヤーは長年にわたるひたむきな練習を通じて、長く苦しい努力の過程で一歩一歩並外れた能力を身につけていく。てっとり早く上達する方法はない。さまざまな練習法の中で最も効果が高いのは限界的練習である。限界的練習とは人間の脳と身体にもともと備わった適応性を活かし、新たな能力を生み出していくものである。そうした能力の獲得を促すのが、詳細な心的イメージだ。詳細な心的イメージがあると、そうではない場合と比べて、状況を分析し、反応する能力が格段に高まる。

そのため、一流を目指す場合、ポイントになるのは限界的練習とは、なにか?ということです。なぜなら、限界的練習さえ行えるようになれば、どんな分野においても一流の成果を上げられるようになるからです。

一方、限界的練習の場合、目標は才能を引き出すことだけではなく、才能を創り出すこと、それまでできなかったことをできるようにすることにある。それにはホメオスタシスに抗い、自分のコンフォート・ゾーンの外に踏み出し、脳や身体に適応を強いることが必要だ。その一歩を踏み出せば、学習はもはや遺伝的宿命を実現する手段ではなくなる。自らの運命を自らの力で切り拓き、才能を思いどおりに創っていく手段となる。

そう考えると、限界的練習は現代の魔法です。なぜなら、限界的練習は科学的に証明された普遍的な法則だからです。もちろん、限界的練習を完遂するのは、多大な労力が必要です。よく”10000時間の法則”という言葉がありますが、限界的練習にも10000時間以上の時間を投じる必要があります。

それでも、「がんばってるのに報われない」「どうしても結果をだしたい」ともがいている人には、この上ない朗報でしょう。もちろん、スポーツや音楽だけでなく、限界的練習はビジネスや仕事でも多大な恩恵があります。次章では限界的練習とは?を解説していきます。

超一流になるための限界的練習とは、なにか?

本書で限界的練習の要素が列記されておりましたので、そのまま引用します。

  1. 限界的練習は、すでに他の人々によって正しいやり方が明らかにされ、効果的な訓練方法が確立された技能を伸ばすためのものである。練習のカリキュラムは、エキスパートの能力とその 開発方法に通じた教師あるいはコーチが設計し、監督する。
  2. 限界的練習は学習者のコンフォート・ゾーンの外側で、常に現在の能力をわずかに上回る課題に挑戦しつづけることを求める。このため限界に近い努力が求められ、一般的に楽しくはない。
  3. 限界的練習には明確に定義された具体的目標がある。通常は対象とする技能のいくつかの側面を向上させることを目標とし、漫然と技能全体の向上を目指すものではない。まず全体的な目標を決めてから、教師もしくはコーチがいずれ目標とする大きな変化につながるような小さな変化を一つずつ達成していく計画を策定する。対象とする技能のいくつかの側面が向上していくことで、学習者は訓練によって自らの技能が向上していることを確認できる。
  4. 限界的練習は意識的に行う。つまり学習者には全神経を集中し、意識的に活動に取り組むことが求められる。単に教師やコーチの指示に従うだけでは足りない。学習者自身が練習の具体的目標に意識を集中し、練習の成果をコントロールするのに必要な調整ができるようにする。
  5. 限界的練習にはフィードバックと、そのフィードバックに対応して取り組み方を修正することが必要だ。トレーニングの初期にはフィードバックの大部分は教師やコーチが提供するもので、上達ぶりを評価し、問題を指摘したりその解決方法を教えたりする。ただ練習時間と経験が増えるのにともない、学習者は自らを評価し、失敗に気づき、必要な調整を行う方法を身につけなければならない。このような自己評価を実践するには、有効な心的イメージが必要である。
  6. 限界的練習は有効な心的イメージを生み出すと同時に、それに影響を受ける。技能の向上は心的イメージの改善と密接に関連している。技能が向上するにつれて心的イメージも詳細で有効なものになっていき、それがさらなる技能の向上を可能にする。心的イメージは練習のときも
    本番中も、自分がうまくできているかどうかを判断する材料となる。心的イメージは正しい方法を指し示し、ミスをしたときにはそれに気づいて修正することを可能にする。
  7. 限界的練習では、すでに習得した技能の特定の側面に集中し、それを向上させることでさらなの改善や修正を加えていくことが多い。時間をかけて一歩ずつ改善を積み重ねていくことが、最終的に出した技能の獲得につながる。新たな技能は既存の技能の上に積み重なっていくことから、初級者には教師が基本となる技能を正確に教え、上達してから基本をやり直す必要が生じないようにすることが重要である。

考える

かなり硬い表現だったので、わかりやすい表現に直してみます。限界的練習の要件は、以下の6つです。

  • 効果が科学的に立証されている(伝統や通説も検証が必要)
  • “無理かもしれない”レベルの課題に挑戦している
  • 1つ1つの練習に具体的な目標がある
  • 惰性ではなく、100%の集中をしている(習得する技能以外のことは考えない)
  • 数字による客観的なフィードバックがある
  • 有効な心的イメージが形成できる

※心的イメージは次章で解説します。

前章ですでに述べてていますが、これはビジネスや仕事でも応用可能です。そうすると、仕事で結果を出すための工夫は無数に存在しているとわかるでしょう。

たとえば、”営業”を考えてみてください。

科学的に効果が証明されている練習を行なっていますか?ロールプレイングを行なっている会社は多いと思いますが、効果を測定するなら比較が必要です。対称群を比較して、効果がでるようなロールプレイングの方式を確立していく必要があります。

他にも、商談にはフィードバックがあるでしょうか?上司に同席してもらってフィードバックを受ける以外にも、成約率を計測していくこともフィードバックになります。18年1Qと3Qを比較して成約率はあがっていますか?結果を意識せずに商談を繰り返しても上達はありません。

いま行なっている仕事を、限界的練習の要件から1つ1つ検証していくと、改善のアイデアが次々と出てきます。それらを1つずつ試していってください。そうすれば必ず上達し、継続すれば一流レベルになることができます。

一流と超一流をわける心的イメージとは、なにか?

心的イメージとは、一流と超一流の差をわけるものです。

傑出した技能を持つ人々とふつうの人との違いは、心的イメージの質と量である。長年にわたる練習を通じて、エキスパートは現場で遭遇しそうなさまざまな状況に対応するきわめて複雑で高度なイメージを作り上げるのだ。たとえばチェスの試合の途中に登場する可能性がある膨大な数の駒の配置のように。こうしたイメージによって、特定の状況によりすばやく正確な判断を下し、迅速かつ有効に対応できる。初心者とエキスパートのパフォーマンスを分ける最大の要因がこれだ。

たとえば、日本のプロ野球選手は700人います。そして、毎年100人がクビになり、新たな100人がプロ野球の世界に入ってきます。

  • 将来を嘱望されて入団し、そのままスター選手になる人もいます
  • 鳴り物入りで入団したのに、一軍の試合に出ないまま引退する人もいます
  • まったく無名で入団し、数年でスター選手になる人もいます
  • 若くしてトップ選手になったのに、3年も経たずに姿を消す人もいます
  • 10代から活躍し、40歳を超えてもトップでい続ける人もいます

本当に様々な結果があります。練習量に大差はありません。一流のコーチがついているので、練習の質もある程度は担保されています。

そうした一定以上の質と量の努力をしている場合、結果をわけるのは”心的イメージ”です。どんな”心的イメージ”を形成しているかで、歴史に名を刻む超一流の人が生まれる一方で、無名のまま終わってしまう元プロ選手も生まれるのです。

心的イメージの細部には分野ごとに大きな違いがあるため、網羅的な定義をしようとするとどうしても漠然としたものになるが、突き詰めれば心的イメージとは事実、ルール、関係性などの情報がパターンとして長期記憶に保持されたものであり、特定の状況に迅速かつ的確に反応するのに役立つ。あらゆる心的イメージに共通するのは、短期記憶の制約を超える大量の情報を迅速に処理することを可能にするという点である。言うなれば、通常は短期記憶によって心的処理が受けるはずの制約を回避するための概念的構造と定義することもできる。

もちろん、取り組む分野によって適切な心的イメージは異なります。またイメージなので、言語化して共有することも難しいでしょう。

ただ、心的イメージの重要性を理解しているだけでも、大きなアドバンテージになると思います。なぜなら、超一流になるには超一流の心的イメージを獲得する必要があると理解できるからです。そうすれば、超一流の人と多くの時間を共有することの大切さもわかります。

まとめると、

  • 遺伝的な才能は存在していません。才能の正体は、練習によって獲得した能力です。
  • 効果的な練習は、限界的練習で、その要件は6つあります。
  • 中でも最後は心的イメージが大きく差を分けます。正しい心的イメージの形成には超一流の人との交流が欠かせません。

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