「ティール組織」でわかった最強の組織とは?

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ティール組織

なにが、組織の正解なのか?

それはティール組織です。人類は7段階の組織を経て、いまティール組織にたどり着きつつあります。そのポイントは、セルフ・マネジメント、全体性、存在目的です。本書でわかった最強の組織を紹介します。


ティール組織

初版:2018年01月24日

著者:フレデリック・ラルー

人類が経験した7つの組織とは?

本書では、以下の7つの組織パラダイムを人類は経験してきたと述べられています。

  • 受動的パラダイム
  • 神秘的パラダイム
  • 衝動的パラダイム
  • 順応型パラダイム
  • 達成型パラダイム
  • 多元型パラダイム
  • ティール型

そして、現存するパラダイムは順応型・達成型・多元型・ティールの3つです。ごく稀に衝動型も存在していますが、マフィアなどの犯罪組織のみで、一般的な生活で所属することはありません。

それぞれのパラダイムに、どんな特徴があるのか詳細を説明する前に、衝動的・順応型・達成型・多元型・ティールの概要を解説していきます。

衝動的パラダイム

組織全体の1%未満だと思います。会社組織で衝動型パラダイムは、存在していないでしょう。

衝動型の特徴は、物理的なペナルティで人をマネジメントすることです。例えば、ミスをしたり、裏切り行為を働いた人を殺してしまうというような物理的ペナルティです。そうしたペナルティを与えることで、他の人の行動をコントロールしようとするパラダイムです。

順応型パラダイム

組織全体の80%以上を占めています。会社組織の大半は順応型パラダイムです。

順応型の特徴は、心理的なペナルティで人をマネジメントすることです。例えば、ミスをしたり、会社の方針に従わない人は、出世の道が途絶えたり、左遷されたりするという心理的ペナルティです。こうしたペナルティ(恐怖感)で人の行動をコントロールしようとするパラダイムです。

多かれ少なかれ会社の大半は順応型ですが、典型的なのは営業会社や昔ながらの日本企業です。上司の高圧的な態度や恐喝じみた発言、”そんなことじゃ成功しないぞ”という根拠のない指導も正当なマネジメントになるパラダイムです。

達成型パラダイム

組織全体の10%未満だと思います。いわゆる外資系企業が達成型パラダイムの典型です。

達成型の特徴は、合理性で人をマネジメントし、徹底した実力主義が採用されていることです。人の評価は、性別や年齢・パーソナリティで決まるのではなく、その人の生産性で決まります。そして、上司が部下を指導するにも、指導内容に根拠が求められます。高圧的な態度や脅しが正当化されないパラダイムです。

本書の事例では、コカ・コーラやGEといった会社が事例として紹介されています。

多元型パラダイム

組織全体の5%未満だと思います。いわゆるイケてる会社です。

多元型の特徴は、理念を重視しており、社員がその会社を大好きなことです。本書の事例ではGoogleやサウスウェスト航空、ザッポスなどが紹介されています。組織のミッションや想いを社員と共有しているので、社員はその会社が自分の体の一部であるような感覚を持っています。

ティール型

組織全体の1%未満です。事例の会社を言われても、聞いたこともない組織ばかりです。

ティール型の特徴は、誰かがマネジメントするのではなく、セルフ・マネジメントを採用していることです。衝動型から多元型まではトップが社員をマネジメントしており、そのマネジメントの方法でパラダイムが分かれていました。

しかし、ティール型はトップが社員をマネジメントするのではなく、社員自身が各自をマネジメントしています。そのため、多元型とティール型の間には大きなパラダイムの違いがあります。

本書の事例では、給与も各自で決めたり、出世も社員自身が決め、決裁権も各自にあります。資材の購入のため、上司に許可を取る必要もないという驚くべき組織パラダイムです。

以上が衝動的・順応型・達成型・多元型・ティールの概要でした。ここからは、受動型から多元型までの6つのパラダイムの詳細を本書から引用して解説していきます。

(これ以降、本書からの引用を中心に解説していきますが、本書の日本語はかなり分かりづらいです。また、本書を読もうと検討されている方は、解説本を読むほうがいいと思います。)

受動的パラダイム

これは人類にとって最も初期の発達段階だ。時代はおよそ紀元前10万年~5万年頃で、人々は家族などの血縁関係という小さな集団で暮らしていた(現在も世界の辺境地にはこうした暮らしを続けている部族が残っており、私たちがこの段階について知るための手がかりとなっている)。この集団の規模はせいぜい十数人だ。人が複雑な人間関係に対処する能力には限りがあるため、この規模を超えると集団は分解し始める。自我は十分に形成されていない。人々は他人から自分を、あるいは環境から自分を完全には区別してとらえられない(その結果、この段階では暴力や殺人が極端に多いという事実を無視し、この時代を二元論以前の楽園ととらえて理想化する研究者もいる)。生存を支えているのは狩猟である。分業を必要としないので(例外は女性が出産と育児の役割を担っていることぐらいである)、組織モデルのようなものはまだ何もない。実際、一族の中には階層が存在せず、リーダーシップを発揮する長もいない。

神秘的パラダイム

およそ1万5000年前あるいはもっと早い時期から、人類は、一部の研究者が「神秘的な」と名付けた意識段階へと移行し始めた。この段階になると、集団の規模も小さな家族から、数百人の人々で構成される部族へと拡大し、心理的にも認知的にも、複雑な物事に対処できる能力へ飛躍する大きな一歩となった。肉体面でも感情面でも、自己と他者を概ね区別して認識しているが、それでもまだ自分自身が世界の中心にい ると見ている。因果関係、つまり原因と結果に対する理解は不十分で、世界全体がさまざまな神秘に満ち満ちている。

衝動型パラダイム

歴史的に見ると、衝動型パラダイムは、人類にとって次の大きなステップだった。今から約1万年前に、最初の首長制と原始的な王国が、そして組織生活の最初の形態が生まれた(本書ではこの段階の組織を「衝動型組織」と呼ぶことにする)。
自我は完全に目覚めており、人々は他者からも世界からも異なった存在としての自己を認識している。
自我を意識して最初に感じるのは恐れであり、死が初めて現実的なものとなる。自分が全体からは隔離され た小さな存在にすぎず、苦しめられるか死ぬことになるかもしれないそう考えるようになる。世界は危険で、力強さとたくましさがなければ自らの欲求を満たせない場所に見える。力こそすべてだ。他者より強ければ、自分の欲求を満たすことができる。他者の方が強ければ、降参して庇護を求めるだろう。
感情をまだ十分に抑制できないため、かんしゃくを起こしたり暴力を振るったりすることで自分の欲求を表現することも多く、たいていは他者の感情に気づかない。

順応型パラダイム

パラダイム・シフトが起こるたびに、それまでにはなかった新たな能力と可能性が切り開かれる。順応型の意識が生まれた人類は、道具をほとんど使わずに単純農法に依存していた部族社会から、農業、国家、文明、制度、官僚制、そして宗教団体の時代へと飛躍した。発達心理学者によると、先進国社会における今日の成人人口の大半が、このパラダイムに従って活動している。
この段階では、現実はニュートン的な観点で認識されている。因果関係という概念は理解されており、人々は(過去から現在、未来へと続く)線形的な時間の流れを把握し、将来に向けた計画を立てることができる。こうした土台があると農業が発展可能となる。

達成型パラダイム

達成型の視点では、世界は新たな顔を見せる。世界は不変のルールによって支配される固定的な存合てはなく、複雑なゼンマイ仕掛けのようにとらえられる。もちろん、その中の仕組みは調査すれば理解できるのだが。「正しい」「間違っている」という絶対的な答えはなく、これは他のものよりもうまく作用するという相対的な世界観である。意思決定の基準が倫理から有効性に変わる。世界がどのように動いているかを理解すればするほど、多くのことを達成できる。最善の判断とは、最大の結果をもたらす中期のことだ。人生の目標は、前に進むこと、社会に受け入れられる方法で成功すること、自分に与えられたカードで最後まで全力を尽くすことになる。

多元型パラダイム

多元型パラダイムは、人々や社会に対する達成型パラダイムの影を十分に意識している。それは物質主義、社会的不平等、コミュニティーの喪失だ。
多元型は人々の感情にきわめて敏感だ。あらゆる考え方は等しく尊重されるべきであり、公平、平等、調和、コミュニティー、協力、コンセンサスを求める。

ティール組織の3つのポイントとは?

  • セルフ・マネジメント
  • 全体性
  • 存在目的

この3つがティール組織のポイントであると本書では解説されています。この3つのポイントを要素ごとに、本書から引用して紹介していきます。

セルフ・マネジメント

信頼

お互いに好意的な意図を持った存在として親しみを感じる。
自分たちが間違っていることがはっきりするまで、同僚を信頼することが、組織に関わる際の前提条件である。
自由と説明責任はコインの裏表である。

情報と意思決定

すべての情報はあらゆる人に開放されている。
扱いの難しい事件が起こっても、だれもが冷静に対処できる。
集団的知性の力を信じている。全員で出し合う知恵に勝るものはない。したがって、すべての意思決定は助言プロセスを通じて行われる。

責任と説明責任

一人一人が、組織のために完全に責任を持つ。対処すべき問題を感じたときには、行動する義務を負う。問題意識を自分の役割の範囲にとどめることは認められない。
フィードバックや、敬意をもった指摘を通じて、だれもが安心してお互いに説明責任を問うことができなければならない。

全体性

等しい価値

だれもが本質的には、等しく価値ある存在だ。
同時に、すべてのメンバーがそれぞれの役割や教育、生まれ育った背景、興味、スキル、性格、物の見方の違いを尊重し合って、自分なりのやり方で貢献できるようになれば、組織のコミュニティーは最も豊かになるだろう。
安全で思いやりのある職場 どのような状況であっても、恐れと分離の精神で対処することも、愛と絆に基づいてアプローチするこ ともできる。私たちは、愛とつながりを選択する。
私たちはだれもが自分らしくふるまえるような、感情的にも、精神的にも安全な環境をつくり出そうと努力している。
愛、思いやり、賞賛、感謝、好奇心、楽しみ、陽気さといった気分や雰囲気を尊重する。
職場の中で、「思いやり」「愛情」「奉仕」「目的」「魂」といった語彙を抵抗なく使える。

「分離」を克服する

それぞれの人のすべての部分を尊重できる職場を目指している。認知的にも、物理的にも、感情的にも精神的にも。また、理性的にも直感的にも。そして、女性的にも男性的にも。
私たちは、互いに深く結びついた、自然とあらゆる生命体を含む大きな「全体」の一部だということを認識している。

学び

あらゆる問題は、学びと成長を促すヒントである。いついかなるときでも学習者になる。「これで終わり」ということは絶対にない。
目的に向かって大胆に努力し続ければ、常に失敗はあり得る。失敗についてオープンに語り、そこから学んでいく。失敗を隠したり、無視したりすることは受け入れられない。
フィードバックと敬意を失わない対立は、お互いの成長を支えるために与え合う贈り物である。
弱みよりも強みに、問題よりも機会に注目する。

人間関係の構築と対立

他者を変えることは不可能だ。しかし、自分自身を変えることはできる。
思想、信念、言葉、行動は自分のものである。
噂を広めない。陰口を叩かない。
意見が一致しないときには当事者同士で解決を図り、ほかの人々を巻き込まない。 問題の責任を他人になすりつけない。だれかを非難したくなったら、自分たちがどのようにその問題 (と解決策)の一部となっているかを振り返る良い機会ととらえる。

存在目的

集団としての目的

組織にはそれ自体、魂と目的があると考える。
組織がどこに行きたいのかに耳を傾け、無理に方向を決めようとしないよう気をつけなければならない。

個人の目的/使命感

私たちは、自分の使命が組織の存在目的と共鳴するのか、そしてどのように共鳴するのかを見極めるた めに、自分の心の声に耳を傾ける義務を、自分自身だけでなく組織に対して負っている。
自分の役割に対して、自分のエゴではなく、魂を吹き込む。

将来を計画する

未来を予測し、統制しようとすることは無駄である。予測は、具体的な判断をしなければならないときに限られる。
統制しようとするのではなく、単にその場その場の状況を感じとり、対応することにすれば、すべてのことが見事に見えるようになるだろう。

利益

長期的には、存在目的と利益の間にはトレードオフは存在しない。私たちが存在目的の達成に向けて精一杯努力すれば、利益はついてくるはずである。

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