「ダークサイド・スキル」でわかった最強のチームのつくり方とは?

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ダークサイド・スキル

最強のチームとは、なにか?

それは、メンバーがみな同じ夢を見て、同じ価値観のもと、自然と同じ方向を向いた意思決定がされるチームです。本書で、その最強のチームのつくり方が書かれていたので、紹介します。


ダークサイド・スキル

初版:20年07月06日

著者:木村 尚敬

最強のチームとは、なにか?

最強のチームとは、メンバーがみな同じ夢を見て、同じ価値観のもと、自然と同じ方向を向いた意思決定がされるチームです。

最強のチームとは、メンバーがみな同じ夢を見て、同じ価値観のもと上司の判断を仰がなくとも、自然と同じ方向を向いた意思決定が行われているチームだ。リーダーであるあなたは、ビジョンを作り、言行一致し、腹をくくる覚悟を持つ必要がある。その上で、メンバーに対して、「常に見てくれているという安心感」「絶対ぶれずに動揺しないどっしりとした安定感」「この人は絶対にチームを裏切らないという信頼感」を与え続けることが求められる。たとえ部下一人だけのチームでも構わない。小さなユニットであっても、こうしたリーダシップを発揮していれば、いずれやってくるであろう大きな組織を率いる段階になっても応用が効く。

こうしたチームを作るために、リーダーは

  • 価値観を明確にし、共有する
  • KYな人間を許容し、指摘を受け入れる

この2点が必要です。この2つの行動を実践することで、メンバーはリーダーに

  • 常に見てくれているという安心感
  • 絶対ぶれずに動揺しないどっしりとした安定感
  • この人は絶対にチームを裏切らないという信頼感

このような安心感や信頼感を感じることができるからです。

それでは、「価値観を明確にし、共有する」「KYな人間を許容し、指摘を受け入れる」では、どういうことを行えばいいのかを解説していきます。

価値観を明確にし、共有する

自分の想いや価値観、ビジョンを語ることの重要性は、様々な書籍でも語られています。本書も例外ではなく、その重要性が述べられていました。

自分の心の奥底の原点にあるもの、平易に言うところの価値観がわかったら、自分の中だけに仕舞い込まず、恥ずかしがらずに自分のチームで積極的に共有することだ。自分はこれを大事にしていると思っても、言葉にしなければ伝わらない。自分の価値観をチームのメンバーに浸透させてはじめて自分の思いのままに動くチームになるのである。
ここで気を付けなければならないのは、価値観の押し付けではない。あくまで自分の考え方の共有だ。もちろんリーダーとして異なる価値観、多様性を受け入れる必要性は前述の通りであるし、決して同質性の高いチームをつくれと言っているわけではない。
しかしながら、リーダーの価値観が(押し付けでなく)しっかり共有されているチームにおいては、いざというときのメンバー個々の判断が、必ず同じベクトルを向いてくれる。だからこそ普段はそんなことこそばゆくとも、意識してやっておくことが必要である。ある意味布教活動に近いかもしれない。

わたしも、ようやくその重要性を見に染みて感じられるようになりました。以前から重要だと認識していましたが、ふとした瞬間に腹落ちして理解できるようになったのです。

想いや価値観が大切なのは、恋人と別れる辛さを考えるとわかりやすいです。恋人でなくても、身近な人との離別でも当てはまるでしょう。

そうした人との別れは、自分の体の一部がなくなるような喪失感を感じませんか?なぜ、深い喪失感に襲われるのでしょう?

恋人や身近な人とは、想いや価値観を共有していたからだと思います。知識や事業戦略を共有していたから、喪失感を感じるわけではありません。そして、引用にもあるとおり、想いを共有している人は、いざという時に自分を信頼し、助けてくれます。

これは仕事仲間にも通じる話だと思います。営業数字や事業戦略をどんなに共有していても、深いつながりは生まれません。転職や異動で離れることになっても、体の一部がなくなるような喪失感も感じません。ところが、数ヶ月しか共に仕事をしていなくても、想いを共有していた人とは離れ難くなります。

では、リーダーとして、どうすればメンバーと想いを共有できるのでしょうか?

気恥ずかしさもあると思いますが、著者がハーバード大のビジネススクールで行ったワークを紹介してくれています。

私がハーバードビジネススクール留学時代にやったのは、八人の小グループに分かれて、一人持ち時間三十分で自分の人生を語るというものである。話す内容は自分はどこどこ大学の出身で、どの会社に入社して、といった履歴書的な内容ではなく、全員紳士協定としてのNDA(秘密保持契約)を結んで、とにかく恥ずかしいことでもなんでも全部自分をさらけ出すのだ。
三十分というのは非常に長い時間なので、かなり本音の部分まで突っ込んで話をしないと、時間が余ってしまう。やってみるとわかるが、結構泣き出す人が必ず出てくる。それだけ感情をこめて、リアルに自分のストーリーについて、生々しく語るということが鍵なのだ。話しながら、だんだん自分の頭の中が整理されていくのが本当によくわかった。ああ、自分はこういう人間だったのかと。

わたしも実践しようと声をかけている段階なので、体験談を紹介することはできませんが、とても有効だと思います。チーム内で相互理解が深まり、深い信頼関係のうえで仕事をできるようになるでしょう。

KYな人間を許容し、指摘を受け入れる

最強のチームをつくるために、リーダーは成長し続けることが重要です。

リーダーの成長が止まってしまうと、過去の成功体験ばかりを参考にするようになります。そして、自分の枠を超えた人を排除してしまうので、チーム内にイノベーションも起きなくなります。その結果、リーダーの枠に収まった小さな組織となり、時代に取り残されていきます。

著者は、そうした失敗を防ぐために、KYな人間を重宝せよと言っています。

同質化した組織では、空気を読まず、時には反対意見を堂々と述べる人間ほど、組識の(悪い意味での)自浄作用が働いて排除されがちだし、なにより、そういう部下を持ったミドル本人の負担が大きくなる。それでも、そういうKYな発言をどれだけ拾えるか、どれだけ許容できるかという器の大きさが求められているのだ。
逆にいうと、組織である以上、どうしても同質化の圧力がかかり続けるから、自分に対してお伺いを立ててくる部下を持ち上げるでなく、むしろ積極的に「バッ」をつけていく。KYな人間を優先するには、それくらいの準備が必要なのだ。
そのために重要なのは、上司が自分で答えを言わないことだ。上司としても忙しいので、何か聞かれたときに一番楽なのは、答えを言うこと、指示を出すことであるのは間違いないが、先に答えを言ってしまうと、部下はそこにすり寄ってきてしまう。

そして、KYな人間を重宝できていれば、リーダーに指摘をする人が出てきます。

たとえば、部下と二人で一対一の面談をしたときに、気軽に部下からフィードバックがもらえるか。三六〇度評価のようなかしこまった人事制度ではなく、「部長、ここは気をつけたほうがいいですよ」と本音で指摘してもらえる関係を築くことができれば、これほど役に立つものはない。

こうした部下からの指摘が発生する組織は、とても健全です。なので部下からの指摘は組織の健全度を測る重要な目安になります。

一方で、リーダーにまったく指摘ができない組織は非常に不健全です。リーダーが自分の意見とは合わないという理由だけで、正当性もなく、他の意見を圧殺してしまっている可能性があります。そうしたチームをつくってしまうと、下からの意見は一切出てこなくなるので、時間の問題でチームは潰れていきます。

また、リーダーとして成長を続けるために、社内でKYな人材を重宝するだけなく、社外にメンターを持つことも重要だと述べられています。

社内でポジションが上がっていくにつれて、叱ってくれる人は減り、すり寄ってくる人は増える。すり寄ってくる人に囲まれていれば、心地いいかもしれないが、それ以上でもそれ以下でもない。だから、自分を叱ってくれる人こそ大事にしたい。
ところが、同じ組織の上司と部下という関係だと、直接利害関係にあるため、言うほうも聞くほうも素直になり切れない。だから、メンター役は社外に求めたほうがよい。縦でも横でもない、斜めの関係をつくれるか。社外でそういう存在を見つけようと思えば、自分から外に出ていくほかはない。

たしかに、こうした存在はとても重要だと感じます。直接自分の仕事には関係のないメンターを持つこと、わたしもテーマにしていきたいです。

間接統治をしない究極のパラダイム

本書は、課長や部長などのミドル・マネージャーが、どう会社を動かすか?というテーマで書かれています。そして、会社を動かす難しさは、トップが一次情報に触れることができず、間接統治をする必要があるところに原因があります。

トップはすべての戦争で自分で陣頭指揮をできるわけではないし、一次情報が入ってくるわけでもない。繰り返すが、二次情報をもとに間接統治するしかないので、ある意味手足を縛られた状態で事業運営を行うことになる。だから、現場で働く人たちがトップの意を汲んで動いてくれないと、改革はうまくいかないのだ。
しかし、改革が失敗したときの責任はトップにある。ステークホルダーに責任を追求されるのは、自分なのだ。だから、「現場が抵抗勢力だ」と言う社長の気持ちはよくわかる。

そして、組織が大きくなれば、政治的な動きも多々求められるようになります。その一つが空中ハンコでしょう。

会社で稟議をあげて最終的に社長決裁をもらうとき、そこにハンコがいくつ押されるか。課長から始まり、部長の確認をもらって……とハンコを押す欄が並んでいるのだが、よくありがちなのは、次の欄の部長のハンコをもらう前に、隣の部門の課長にも筋を通しておかないと、後から「おれは聞いていないぞ」と怒る人がいたりして調整がむずかしくなるから、一応お伺いを立てておくというプロセスが入るのだ。いわゆる「空中ハンコ」という奴だ。
空中ハンコまで勘定に入れると相当な数になるので、たとえば経営企画部と呼ばれる部署の仕事の大半は、内部調整ばかりということになりがちだ。

わたしは最近「ティール組織」という本を読み、この”間接統治”こそ、組織が官僚体質になる原因なのではないか?と考えるようになりました。そして、間接統治はトップが部下をマネジメントし、トップに決定権があることから生まれます。

しかし、ティール組織は、こうした一般的な組織とはまったく異なるパラダイムで組織がデザインされています。セルフ・マネジメントが徹底されており、決定権は一次情報を得ている人たちに委ねられます。こうした間接統治をしない組織は、究極の組織パラダイムではないかと考えています。

参考:「ティール組織」でわかった最強の組織とは?

ティール組織

最後はわたしの意見となりましたが、ダークサイド・スキルでわかった最強のチームのつくり方の紹介でした。ぜひ、参考にしてみてください。

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