
どうすれば、考えをまとめて、わかりやすく伝えることができるのか?
それは「インプットを増やす」「書き出す」「まとめる」「ひな形を使う」の4ステップで可能です。読書会でわかった自分の考えをまとめて伝える技術を紹介します。
開催報告:20代読書会in東京
日時:08月11日(土)09:30-12:00
参加者:18名(男性:8名、女性:10名 初参加:8名、リピーター:10名)
MVP賞
自分の考えを「5分でまとめ」「3分で伝える」技術
紹介された本
- 中ヒットに導くゲームデザイン
- 論語物語
- ドグラ・マグラ
- ファスト・アンド・スロー
- 戦略読書日記
- 科学的に正しい英語勉強法
- 「自分」を仕事にする生き方
- 20歳の自分に受けさせたい文章講座
自分の考えをまとめて伝える技術とは?
読書会で和田秀樹さんの自分の考えを「5分でまとめ」「3分で伝える」技術を紹介していただきました。本書の内容をもとに、考えをまとめて伝える技術を解説していきます。
考えをまとめて伝えるには、4つのポイントがあるといいます。それが、こちらです。
- インプットを増やす
- 書き出す
- まとめる
- ひな形を使う
それぞれ、どういうことか次章で紹介していきます。
ちなみに、和田秀樹さんは東大卒の精神科医で幅広いジャンルで出版されています。わたしが和田秀樹さんを最初に知ったのは高校生のときでした。当時、大学受験を考えていたときに参考書コーナーで、見つけたのが最初です。
和田秀樹さんは勉強法の本も書かれており、その勉強法に感銘を受け、著書を何冊も読んだことを覚えています。お陰で成績も上がり、受験でも満足のいく結果となりました。高校生は、このブログを読んでないと思いますが、、大学受験を控えている人には、和田秀樹さんの受験本はぜひ一度手に取ってほしいです。
ということで、話は脱線しましたが、考えをまとめて伝える4つのポイントを紹介します。
インプットを増やす
自分の意見を伝えるには、そもそも意見を持つ必要があります。そのためには、インプットが大切です。
インプットなくして、意見を持つことはできません。たとえば、まったく漫画を読んだことがない人が、オススメの漫画を挙げることはできないでしょう。それはインプット(漫画を読むこと)が不足しているからです。
では、インプットを増やすにはどうすればいいのでしょうか?
インプットには2種類あります。「知識」と「経験」です。この2つを増やすことです。
知識を増やすには、読書がもっともオススメです。
なぜなら、量も多く、質も高いからです。TVやWEBメディア、人からでもインプットは可能です。しかし、本からインプットできる量や質と比べると、どうしても劣ってしまいます。そのため、知識のインプットを増やすなら、読書がもっともオススメです。
そして、もう1つ大切なインプットは経験です。自分が経験をすると、意見を持ちやすくなります。
たとえば、ダイエットについて何冊か本を読んだとしましょう。でも、実際にダイエットを実践したことがなければ、どういうダイエットがうまくいくのか自信をもって意見を述べることはできません。しかし、本で読んだ知識をもとに、ダイエットを実践して経験をしたとしましょう。その結果、理想の体型を手に入れた経験があれば、自信を持ってダイエットに対する意見を持つことができます。
まずは、本を読んで「知識」を増やし、体験をして「経験」を積むことで、インプットを増やすことが大切です。そうすれば、自分の伝えたい意見を持つことができるようになります。
では、次に伝えたい意見があるときに、どうすれば考えをまとめられるのか?伝えやすくなるのか?を解説していきます。
書き出す
テーマが決まったら、紙とペンを用意します。そして、思いつくキーワードをどんどん書き出してください。
このとき、どんな意見を自分が持っているか?は明確でなくても構いません。なんとなくの方向性が決まっていれば、十分です。とにかく頭の中に浮かぶキーワードを紙に書き出していきます。
そうすると、当初は考えていなかったようなキーワードが次々と出てくると思います。また、キーワードごとの関連や因果関係なども見えてくるでしょう。そのときは、軽く矢印を引いたり、メモを取ったりしておきます。
メモの書き方が気になる方は、マインドマップがオススメです。
形式はマインドマップにこだわらなくてもいいですが、こうした一人ブレストは、とても重要です。なぜなら、関連のキーワードを書き出していくブレストは人間の脳の構造と相性がいいからです。
これは、言いたいことを上手くまとめられないことにも関連があります。人間の脳は、論理のスタートから始まってゴールに向かうように情報を想起するようにできていないのです。脳は関連する情報を放射線状に想起するような仕組みになっています。
そのため、テーマを決めたら、一旦頭の中にある情報を紙に書き出してしまうのがいいです。そうすると、自分の頭の中にある情報の全体像を把握しやすくなり、意見や論理の組み立てがしやすくなります。
まとめる
一人ブレストで、紙に頭の中の情報やキーワードを書き出すことができれば、次はまとめる作業です。
この段階では、
- 結論を決める
- 結論の根拠を決める
- 根拠の詳細を決める
この3つを行いながら、自分の意見を主張する論理を組み立てていきます。情報がすべて書き出されているので、既にうっすらと論理構造が浮かび上がっているでしょう。それを新しい紙に清書していけばいいのです。
もし、論理を組み立てるのが苦手な方がいたら、以下の問いを立てて答えていってください。
- 自分はこのテーマについて、なにが言いたいのか?
- なぜ、その結論が言えるのか?根拠はなんだろうか?
一人ブレストの紙を見ればすべてのキーワードが書き出されているので、上記の問いに答えるのも簡単だと思います。そして、この2つの問いに答えれば、主張(意見)と根拠が決まります。
主張(意見)と根拠さえ決まれば、あとは簡単です。言いたいことをサポートする具体例や本からの引用を付け足していくだけです。
ただ、1つ注意点があります。意見をサポートする根拠が複数ある場合です。この場合、それらの根拠が並列なのかどうかを意識してください。
たとえば、
「タリーズに行こう」という意見を考えたとします。そして、キーワードとして、
- 便利
- 雰囲気がいい
- 家から近い
- 店内が広い
- WiFiが飛んでる
- コーヒーが美味しい
- 長居できる
- 内装が綺麗
が挙がったとします。この場合、上記のキーワードは並列ではありません。具体的に論理を組み立てると、
(主張)
タリーズに行こう
(根拠)
- コーヒーが美味しいから
- 雰囲気がいいから
-店内が広い
-内装が綺麗 - 便利だから
-家から近い
-WiFiが飛んでる
-長居できる
となります。このように根拠が複数ある場合は、それらが並列なのかどうかを考えると、わかりやすく論理を組み立てることができます。
ひな形を使う
最後に伝え方です。わかりやすく伝えるには、ひな形を使うといいです。
代表的なひな形は、
- 導入
- ボディ
- サマリー
この3部で構成されています。
導入
ここでは、一言で結論を伝えることと、相手を引き込むことを意識します。
先ほどのタリーズの例でいえば、
なぜ、カフェならタリーズがオススメなのか?
それは美味しいコーヒー、雰囲気のいい店内、そして便利さを備えたカフェだからです。
わたしなら、このような導入を使います。相手を引き込むためにはいくつものパターンがありますが、もっとも簡単なのは例のように質問を投げかけることです。結論を疑問文に変えて質問を投げかけると、言いたいことも明確に相手に伝わり、相手を話に引き込むこともできるので一石二鳥です。
そして、もっと詳しく導入のパターンを知りたい方は、「20歳の自分に受けさせたい文章講座」を参考にしてみてください。
「嫌われる勇気」の著者が文章の書き方について解説した本です。
ボディ
ここは「まとめる」段階で考えた論理構造を伝える部分です。
わかりやすく伝えるには、自分自身が論理構造を把握していることが、もっとも重要です。その意味では、事前に一人ブレストをし、論理構造を組み立てた段階で、相当わかりやすく伝えられるようになっています。
その上で使っていただきたいひな形は「ナンバリング」です。
ここでも先ほどのタリーズの例を使うと、
タリーズがオススメな理由は3つあります。
1つ目は、
2つ目は、
3つ目は、
このように、数字をふることをナンバリング(Numbering)と言います。このナンバリングがあると、聞き手に「話の地図」を渡すことが可能です。
なぜなら、全体像をざっくり把握した上で、今どこについて話をしているのかがわかるからです。もちろん、地図を頭に入れた上で話を聞いた方が断然理解度は上がります。
サマリー
最後はサマリーです。ここでは、一言で結論とその根拠を伝えて、おさらいします。
実際に文言を考えると、導入とほとんど同じになるかもしれませんが、それで構いません。
引き続きタリーズの例を使うと、
以上、タリーズがオススメな理由でした。
美味しいコーヒー、雰囲気のいい店内、そして便利さを備えたタリーズに、ぜひ足を運んでみてください。
このようなサマリーになります。論理構成がしっかりしていてボディが長くなった場合、結論を忘れてしまっている人もいます。なので、最初に結論は伝えていますが、最後にサマリーで再度結論を伝えることは大切です。
以上、読書会in東京でわかった考えをまとめて伝える技術でした。ぜひ、使ってみてください。