
せっかく読んだのに内容を思い出せない…
時間とお金をかけて読書をしたのに、忘れてしまっては非常にもったいないです。読書会でわかった脳科学的に、読んだら忘れない読書法を紹介します。
目次
開催報告:20代読書会in東京
日時:08月11日(土)09:30-12:00
参加者:18名(男性:8名、女性:10名 初参加:8名、リピーター:10名)
MVP賞
自分の考えを「5分でまとめ」「3分で伝える」技術
紹介された本
- 中ヒットに導くゲームデザイン
- 論語物語
- ドグラ・マグラ
- ファスト・アンド・スロー
- 戦略読書日記
- 科学的に正しい英語勉強法
- 「自分」を仕事にする生き方
- 20歳の自分に受けさせたい文章講座
脳科学的に忘れない読書法とは?
せっかく読んだのに内容を思い出せない…。こんな経験ありませんか?
時間とお金をかけて読書をしたのに内容を忘れてしまっては非常にもったいないです。読書会でDAIGOさんの「科学的に正しい英語勉強法」を紹介していただきました。英語学習の本なのですが、読書にも応用できる箇所があったので、読んだら忘れない読書法として紹介します。
DAIGOさん曰く、効果的に記憶を定着させるには、以下の2つの方法が有効なのだそうです。
- 想起学習で記憶を定着させる
- 感情と結びつけて記憶を定着させる
どういうことか、1つずつ解説していきます。
想起学習で記憶を定着させる
効果的に記憶を定着させるには、想起学習が非常に効果的です。想起学習とは、何度も思い出す学習方法です。
記憶に関しては「エビングハウスの忘却曲線」が有名です。人間はインプットした瞬間から忘却し始め、以下のように忘れていくというものです。
- 20分後には42%忘れる
- 1時間後には56%忘れる
- 9時間後には64%忘れる
- 1日後には67%忘れる
- 2日後には72%忘れる
- 6日後には75%忘れる
- 31日後には79%忘れる
しかし、この「忘れる」という表現は、実は少し正確ではありません。
人間の脳の中には、記憶を保管しておく場所が2ヶ所あります。1つは短期記憶。もう1つが長期記憶。そして、すべての情報は短期記憶で保存された後、長期記憶に移されます。”すべての情報”が長期記憶に移されるのです。
そして、長期記憶に移された情報は一生消えることはありません。そのため、人間の脳の中には生まれた瞬間から今に至るまでの膨大な情報が蓄積されているのです。つまり、「忘れる」ことは厳密にはあまり起きません。脳が損傷を受けるなどの場合を除いては。
では、一般的にいう「忘れる」とは、どういう状態なのでしょうか?
それは長期記憶から情報を「取り出せない」という状態です。そして、この情報の取り出しを担っているのが有名な海馬です。
では、このことを踏まえてインプットした情報を忘れないためには、どうすればいいのでしょうか?
頻繁に情報を取り出すことです。頻繁に取り出している情報は、脳も重要だと認識するので、忘れにくくなります。これを読書にも応用することで、読んだ内容を記憶に定着させられるようになります。
ちなみに、この記憶のメカニズムを詳しく知りたい方は、こちらの本を参考にしてください。
感情と結びつけて記憶を定着させる
もう一つ効果的に記憶を定着させる方法があります。それは、情報を感情と結びつけることです。
これは体験的にもわかると思います。嬉しかったことや悲しかったことなど気持ちが揺れたときのことはよく覚えているのではないでしょうか。DAIGOさん曰く、感情が動くと人間はその情報を記憶しやすくなるといいます。
そして、感情のなかでも特に記憶に有効なものがあります。それは「失敗」です。
人間は失敗したときの記憶を忘れないようにできています。なぜなら、自分の身を守る必要があるからです。
たとえば、原始時代に山の中を走っていたとします。そのとき、目測を誤って崖から転倒するという失敗をしてしまいました。運良くかすり傷で済んだとしても、その失敗を忘れることはないでしょう。なぜなら、同じ失敗を繰り返すと、今度は打ちどころ悪く死んでしまうかもしれないからです。
そのため、人間は失敗したことは、なかなか忘れないようにできているのです。これも読書に活用することができます。
DAIGOさんは1日20冊読むそうですが、この失敗のメカニズムを活用しているといいます。本を読み始める前に、表紙やタイトルからどんなことが書かれているか?を事前に予想して読み始めるそうです。もちろん、そんなに高い精度で内容を当てることはできません。そうすると予想が外れ「失敗」します。その結果、本の内容が記憶に定着しやすくなります。
また、話は少しそれますが、この失敗と記憶の関係を理解しておくと普段の生活にも役立ちます。
よく”悪いことばかり思い出してしまう”と凹んでいる人がいますが、これは脳のメカニズム的に仕方のないことなのです。そして、同じ記憶を思い出して、繰り返しネガティブな感情に浸っていると、余計に強く記憶されてしまって、さらに忘れられなくなります。
なので、1番は嫌な記憶は思い出さないことに尽きますが、思い出してしまった場合はあえてプラスの感情と結びつけるようにするといいです。そうすると、マイナスな感情を繰り返すよりも忘れやすくなります。
読書後4回のアウトプットがオススメ
想起学習と失敗の感情と結びつけることと、2つの記憶のメカニズムを解説しました。ここから効果的な読書法を紹介します。
それは本の内容をアウトプットをすることです。
なぜなら、アウトプットは2つの記憶法を同時に実践することができる方法だからです。アウトプットは想起そもののですし、アウトプットのために本をパラパラ見返すという行為も想起学習になります。
また、アウトプットのときに、うまく話せなかった経験や内容を思い出せなかった経験は「失敗」の経験となります。そうすると、その箇所も失敗の感情と結びついて、記憶に定着しやすくなります。
そのため、アウトプットを行うことで、飛躍的に本の内容が記憶に定着しやすくなります。これは、わたしの経験的にも言えることです。それでは、本のアウトプットでオススメの方法を4つ紹介しましょう。
- 友達
- 読書会
- SNS
- ブログ
それぞれ特徴がありますので、その特徴を解説します。
友達
もっとも手軽にできるアウトプットです。今日からでも始めることができるでしょう。
本の内容をアウトプットすることが話のネタにもなります。また、その人が本好きであれば、新たにオススメの本を知れるという一石三鳥のメリットがあります。ぜひ、気の合う友達に本のアウトプットをしてみてください。
読書会
読書会は、本のアウトプットには最適な場です。
友達に本の内容をアウトプットすることは可能ですが、同じ本について5分も10分も話してしまうと、ウザがられてしまうかもしれません。しかし、読書会は本について話す場です。長めのアウトプットでも受け入れてもらえるでしょう。
そして、参加者も読書好きが多いので、オススメの本を知れたり、読書の基準値を上げてもらえてモチベーションにもなります。参加者の雰囲気や開催場所など、自分に合ったものを探して参加してみてください。
SNS
最近わたし自身がハマっているアウトプット方法です。
読書メーターやインスタグラム、Facebookなどで書評や写真を投稿するアウトプットです。最大の特徴は可視化されたレスポンスがあることだと思います。いいね!やコメントが付くと、”次もがんばろう”とアウトプットを継続するモチベーションになります。
また、SNSでのアウトプットは文章になるので、友達や読書会でアウトプットするよりも、推敲が必要かもしれません。Twitterは文字数制限がありますし、インスタグラムやFacebookにしても、あまりにも長文だと読まれないでしょう。なので、ある程度の短さで要点が伝わるよう工夫するようになります。
これも今日から始められるアウトプットなので、ぜひ試してみてください。
ブログ
ブログは最強のアウトプット方法です。
なぜなら、長文でも構わないので、本から気になった部分を引用することもできますし、余すことなく伝えたいことを書き記すことができます。
さらに、検索機能もあるので、仮に内容を忘れてしまったとしても、いつでもどこからでもスマホで検索して、内容を見返すことが可能です。
わたしはWEB上に自分の読書ノートを公開して置いているという感覚でブログを書いています。実際に出先で検索して内容を見返すこともあります。ブログの記事を書くには手間がかかりますが、非常に大きなリターンもあると思います。
以上、読書会in東京でわかった考えをまとめて伝える技術でした。ぜひ、使ってみてください。