後編「評価経済社会」でわかった評価経済社会とは?

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評価経済社会

評価経済社会とは、なにか?

SNSの登場で貨幣経済社会に変わって登場する社会です。評価を仲介にしてモノ・サービスが交換される社会で、人々は価値観と人間関係を自由にコーディネートすることができるようになります。


評価経済社会

初版:2011年02月25日

著者:岡田斗司夫

評価経済社会とは、なにか?

これから貨幣経済社会が終わり、評価経済社会が到来します。

では、評価経済社会とは、どんなものでしょうか?

経済とはもともと「モノ」「サービス」「カネ」の交換によって生じる関係、というのが経済学の定義だそうです。
なので、貨幣経済社会とは、貨幣を仲介にして「モノ」「サー ビス」が交換される社会です。同じように「評価」を仲介として「モノ」「サービス」、そして「カネ」すらも交換される社会。それがこれからの社会であり、今私たちの足下で起きている社会変化のポイントなのです。

つまり、

経済とはモノ・サービス・カネの交換によって生じる関係

なので、

  • 貨幣経済社会とは、貨幣を仲介にしてモノ・サービスが交換される社会
  • 評価経済社会とは、評価を仲介にしてモノ・サービスが交換される社会

このように本書では定義されています。

評価を仲介にしてモノ・サービスが交換されるとは、どういうことでしょうか?

たとえば、メルカリを考えるとわかりやすいです。欲しい商品の掲載が複数あった場合、どこで購入するでしょうか?ユーザー評価の高い出品者から購入するのではないでしょうか?

もちろん、メルカリではお金を使って支払っています。しかし、メルカリ出品者はモノの販売で得たメルカリポイントをお金に交換することなく、メルカリ内で使用することも多いです。そうしてメルカリ内で購入と販売を繰り返していると、取引実績が積み重なり、評価が上がっていきます。その結果、ますます取引しやすくなっていくのです。

このようにメルカリでは、単純な貨幣の仲介だけでなく、評価も仲介してモノが交換されています。評価経済社会では、こうした現象がもっと起きてくるといいます。

なぜ、評価経済社会が生まれたのか?

評価経済社会が誕生した背景には、SNSの登場があります。SNSの登場により、

  • 一般市民に影響力が解放された
  • 双方向での評価が可能になった

という2つの変化が起きました。このことが評価経済社会を生み出したのです。

では、影響力の解放とは、どういうことでしょうか?

電子ネットは、これまでマスメディアの特権であった影響/評価システムを一般市民に開放します。それは農業革命が支配階級の特権だった食事の保証を開放したのと同じです。産業革命は、貴族の特権であった「芸術」「生活」を市民に開放しました。
それが第1章で触れた「演劇は映画になり、室内管弦楽はレコードになった」ということです。
「技術は、権力者の特権を市民に開放する」これが原則です。だから「ネットの力が、権力者の特権『影響』を市民に開放する」ということが言えるわけです。

人に影響を与える力は、いままではマスメディアが独占していました。ところが、SNSの登場により個人でも簡単にメディアになることが可能になっています。

たとえば、有名ユーチューバーなら1つの動画再生回数が200万回を超えます。日本が6000万世帯であると考えると視聴率3%です。1日に複数の動画をUPする有名ユーチューバーもいるので、マスメディア以上に影響力があるかもしれません。

もちろん、ここまで大規模でなくても、フォロワーが5000人のインスタグラマーも影響力を持ってます。その人がオススメするコスメだったり、服だったりが売れることも多いでしょう。こうしたことがSNSによる影響力の解放です。

では、もう一つの双方向での評価は、どういうことでしょうか?

電子ネットの発達によって、歴史上初めてすべての人々が被洗脳者から『双方向の影響を受ける/与える人』になる。それによって評価経済社会が始まる。
人々のニーズつかみ、最も効率よくそれを生産して販売することによって、多くの富を得られるのが、貨幣経済競争社会。
それに対し、人々の不安や不満をつかみ、最も効挙よくそれを解消する方法を提案することによって、多くの人に影響を与え、尊敬と賞賛を得られるのが、評価経済競争社会。

アマゾンやメルカリのレビュー、SNSのフォローする・しないなど、様々なところで「評価する」ことが可能になっています。

たとえば、2chやネット掲示板への書き込みも、内容の信頼度は低いですが1つの評価でしょう。こうした評価することも、今までは一部の人たちの特権でした。それが、SNSの登場により、一般の人でも簡単に行えるようになっているのです。

ということで、SNSの登場により、影響力と評価が一般の人に解放され、評価経済社会が生まれてきています。次章では、評価経済社会によって、どんな社会が誕生するのか?を解説していきます。

評価経済社会で、何が起きるのか?

評価経済社会における個人のふるまいには、3つの特徴があると述べられています。

  1. 他人を、その価値観で判断するということ。
  2. 価値観を共有する者同士がグループを形成するということ。
  3. 個人の中で複数の価値観をコーディネートするということ。

こうしたふるまいの動機になっているのが、「自分の気持ちが一番大事、という価値観」です。こうした時代となった背景は前編にまとめていますので、気になる方は併せて読んでください。

参考: 前編「評価経済社会」でわかった未来を知る方法とは?

この3つの特徴を端的に言うと、

  • 価値観
  • 人間関係

この2つを、自分の気持ちを中心にコーディネートするようになるということです。

これからの評価経済社会では、会社であれ他のグループであれ、そこ独特のこういった価値観や世界観を持つようになるでしょう。そういった特殊な価値観を共有できる仲間を求めて、それぞれの人はグループを作るようになる、ともいえます(先ほどの私の会社は時代の先端の例です。当時は「オタク族」と呼ばれたりしました。が、現在こういった現象は特別珍しいことではありません)。そして人々は、個人の中で複数の価値観を共存させ、コーディネートして、複数のグループに所属することになります。

そして、こう続きます。

付き合いたい人とだけ付き合うという「ワガママ」が、いいことになるのです。
「人間らしい幸せな生き方」とは、ちゃんと自分に合った人たちのグループをいくつも見つけ、自分の時間をうまくコーディネートしている人のことです。同時にそういった人が周りから見ればカッコイイ人、自分を大切にする人になるわけです。
そうなるためには、従来の関係に縛られているわけにはいきません。親子だから、夫婦だから、上司だから、部下だから、クラスメートだから、という特別の関係の中で留まってはいられないでしょう。

そして、価値観と人間関係をコーディネースする時代になると、

  • インフルエンサー
  • コミュニティ

この2つが大きなポイントになります。なぜなら、

  • インフルエンサーは価値観を提供し
  • コミュニティは人間関係を提供する

からです。そのためインフルエンサーについてはすでに述べた通りですが、コミュニティも「革命のファンファーレ」など、多くの本で語られるようになっているのです。

革命のファンファーレ

参考:「革命のファンファーレ」でわかった稼ぐ力の正体とは?

ちなみに、産業革命では人々はお金持ちになるチャンスを得ました。もちろん、全員がお金持ちになったわけではありませんが、一部の人はチャレンジして成功していきました。そのため、いまでもアントレプレナー(起業家)は尊敬されています。

情報革命では人々は影響力を得るチャンスを得ています。産業革命と同様に、全員が影響力のある人になるわけではありません。しかし、一部の人は同じようにチャレンジして成功していくでしょう。その結果、インフルエンサーはアントレプレナーが尊敬されたように、尊敬されるようになります。

では、どうすればインフルエンサーになれるのか?という話を少し脱線して、していきます。

インフルエンサーは価値観を提供する人です。そして、前編のまとめで書いたように、①情報余り②モノ不足の現代では、情報をガンガン消費する人がカッコいいと思われます。その結果、情報の整理+解釈(意見)を発信することが大事です。

参考: 前編「評価経済社会」でわかった未来を知る方法とは?

自我の話に戻る前に、もう少し情報社会の話を続けます。情報に限らず、モノが膨大になってくるとそれをうまいこと整理する能力が必要になってきます。しかし、情報の総量が大きくなりすぎると、個人がそれをすべて整理するのは不可能になることも指摘しました。ではどうすればいいのか。これから重宝されるのは情報の「整理屋」です。情報とそれについての膨大な解釈が氾濫する中、それを手際よくまとめ「情報十解釈」をパッケージで提供できる人間が求められ、評価されることになるでしょう。

なぜなら、自分の価値観は自分で決めていいという時代になっていますが、人生すべての瞬間において自分で価値観を決めるのは大変だからです。そのため、その時その時で自分に合った価値観をパッチワークしてく時代だからです。

自分の意見、自分の価値観を全部自分でつくり出すことは、情報があふれたこの評価経済社会では不可能です。モノがあふれた近代で、衣食住すべてに関して自分でまかなうことが不可能なのと同じことです。
近代人が様々な店に行って必需品を買いそろえるように、これからの人々は様々な価値観やセンスを持つ様々なグループと接したり、ネットで話したり、テレビで見たり、本で読んだりすることで、自分の心に必要な喜怒哀楽を取りそろえるのです。
それは帰属意識であったり、優越感であったり、知的興奮であったり、楽しい恋愛ゲームであったり、ちょっとした闘争心であったり、様々です。

まとめると、評価経済社会は価値観と人間関係が自由になった社会です。それはSNSの登場で、一般の市民でも自分の意見を発信して影響力を持つことができ、評価をすることができるようになったからです。その結果、インフルエンサーとコミュニティの重要性が増しています。

岡田斗司夫さんは、最後にこう語っています。

農業時代の人々は、狩猟時代を振り返って、「いつ飢え死にするかも分からない、野蛮な世界」と語りました。
産業時代の私たちは農業時代を振り返って、「身分制度に縛られ、貧乏生活を強いられた暗黒の中世」と恐れました。
来るべき未来の人々は、私たちの時代を振り返って、「考え方や人間関係の自由がない、画一世界」と語るでしょう。

以上、評価経済社会でわかった次に来る時代の話でした。参考にしてみてください。

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