読書会でわかったスタンフォード式「ライフデザイン」とは?

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ライフデザイン

なぜ、人生に行き詰まるのか?

それはデザイン思考ができていないからです。スタンフォード大学の人気講師が教える「ライフデザイン」の方法を4つのワークとともに紹介します。


ライフデザイン

初版:2017年09月07日

著者:ビル・バーネット、デイヴ・エヴァンス

なぜ、人生に行き詰まるのか?

  • 仕事にやりがいがない
  • まっとうに働いているのに幸せになれない
  • 転職、資格、復学、なにが正解なのかわからない

こんなことを思っていないでしょうか?

人生がうまくいっていないと感じる人は多くいます。それには原因があります。

人生に行き詰まるのは、人生に「正解」があると考えているからです。

世の中には2種類の問題があります。

  • 正解のある問題
  • 正解のない問題

この2種類です。

正解のある問題はエンジニアリング思考で対処できます。大量のデータを揃えて、ロジカルに考えていけばいいのです。

しかし、正解のない問題は、そうはいきません。

正解のない問題はデザイン思考で対処する必要があるのです。プロトタイプを作り、試行錯誤しながら正解に近づいていくという作業が必要です。

ここで、デザインの問題とエンジニアリングの問題を分けて考えてほしい。著者はふたりともエンジニアリング(工学)の学位をもっているからわかるのだが、大量のデータがあり、唯一の正解が存在するとわかっているときは、エンジニアリングが問題解決にふさわしいアプローチといえる。…
もち運びのしやすいラップトップ、セクシーなスポーツカー、幸せな人生などのように、望ましい目標ははっきりしているが、その明確な解決策が見えない場合には、どうすればいいのか。ブレインストーミングをおこない、試行錯誤をしながら、正解が見つかるまで「前進の道を築いて」いく必要がある。それがフェラーリの曲線美であれ、超ポータブルなマックブック・エアーであれ、正解を見れば一発でわかる。最高のデザインは、方程式、スプレッドシート、データ分析では答えの出ないような方法で生まれる。そして、独特の形と雰囲気ーあなたに訴えかける美しさをもつ。
あなたの理想の人生も同じ。あなたにふさわしい人生の形と雰囲気がある。その点、デザイン思考はあなたのライフデザインの問題を解決するヒントになる。

なぜ、人生に行き詰まるのか?

それは、人生に「正解」がないからです。そのため、人生にはデザイン思考で対処すべきです。

しかし、多くの人がエンジニアリング思考で対応しようとします。そのため、「正解」を導くことができず、行き詰まってしまうのです。

スタンフォード式「ライフデザイン」とは?

デザイン思考で「人生」を考えるのが、ライフデザインです。

そこで、デザイン思考で「人生」を考えるワークを4つ紹介します。これはスタンフォード大学の授業でも実際に行われており、もっとも人気なワークショップとなっています。

  • 現状に点数をつける
  • 人生のコンパスを得る
  • 人生のグットタイムを知る
  • 人生プランを考える

この4つです。それぞれ、どういうものか解説していきます。

現状に点数をつける

  1. 仕事、遊び、愛、健康の四つの分野について、現状を短い文章でまとめる。
  2. ゲージにスコア(0~10点)を描きこむ。
  3. あなたが対処したい問題を考える。
  4. その問題が対処不能な「重力問題」でないか考える。
    ※重力問題とは”この重力をなんとかしたい”のような対処不能な問題のこと

ここでいう仕事・遊び・愛・健康について補足しておきます。

仕事

人間社会への貢献すべてを指しており、有償・無償は関係ありません。あなたが「していること」すべてを考えてください。

遊び

遊びとは「楽しいこと」です。楽しむ目的で行うのが遊びであるため、勝利・出世・目標達成のための活動は楽しくても、遊びには含みません。

地域愛から恋人への愛までを含みます。親、友人、同僚、恋人など対象も様々です。

健康

心、体、精神の健康すべてを含みます。この三つがどれぐらいずつの割合で重要かは、主観で決めてください。

点数をつけてみると、漠然としていたことが明確になります。脳は曖昧なことを考えるのが苦手です。そのため、30点の不満も70点の不満も違いを認識することができないのです。

わたしも点数をつけてみて、「思ってた以上に仕事への満足度は高い」とか「ファッションは自分の中で遊びだったんだ」とか、発見がありました。

5分くらいで完了するワークなので、ぜひやってみてください。新たな自己認識を持つことができます。

人生のコンパスを得る

  1. あなたの仕事観についてざっと書きだす。三〇分間、A4用紙一枚以内が目安。
  2. あなたの人生観についてざっと書きだす。三〇分間、A4用紙一枚以内が目安。
  3. あなたの書いた人生観と仕事観を読み、次の質問にひとつずつ答える。
    ・あなたの仕事観と人生観はどの部分で補い合っているか?
    ・あなたの仕事観と人生観はどの部分で食いちがっているか?
    ・あなたの仕事観と人生観に因果関係はあるか?あるとすれば、どんな?

人生に「正解」がない以上、ゴールを定めることはできません。たとえ決めたとしても、現在は人生が長期化・複雑化しています。そのため、そのゴールにどれのどの意味があるかもわかりません。

しかし、人生の方向性は決めることができます。この方向性こそが「人生のコンパス」です。そして、人生のコンパスには2つの要素があります。

  • 仕事観
  • 人生観

この2つです。

ステップ1とステップ2を考える上で、参考になる”問い”がありますので紹介します。これらの”問い”に答えながら、自身の仕事観・人生観を考えてください。

仕事観

  • なぜ仕事をするのか?
  • 仕事はなんのためにあるのか?
  • あなたにとっての仕事の意味は?
  • 仕事とあなた個人、ほかのひとびと、社会との関係は?
  • よい仕事や価値ある仕事とは?
  • お金と仕事の関係は?
  • 経験、成長、充足感と仕事の関係は?

人生観

  • あなたはなぜここにいるのか?
  • 人生の意味や目的は?
  • あなたと他者の関係は?
  • あなたと家族、国、世界の関係は?
  • 善や悪とはなにか?
  • 人間より上位のもの、神、超越的な存在はいると思うか?思うとすれば、あなたの人生にどんな影響を与えているか?
  • 喜び、悲しみ、公正、不公正、愛、平和、対立は人生にどうかかわっているか?

人生のグットタイムを知る

  1. あなたの毎日の活動を記録する。
    ・あなたが熱中しているタイミングは?
    ・エネルギーに満ちあふれているタイミングは?
  2. 日誌を三週間継続する。
  3. 毎週末、考察を書きだす。熱中している活動やエネルギーがわいてくる活動と、そうでない活動を見分けよう。
  4. 考察で意外な発見はあったか?
  5. ズームインして、熱中している活動やエネルギーがわいてくる活動、そうでない活動を具体的に掘り下げる。

グットタイムとは、

  • 熱中している時間
  • エネルギーが満ち溢れてくる時間
  • フロー状態に入れる時間

のことを言います。

毎日のスケジュールやToDoを手帳に書いている人は、すぐに手帳を見返してみてください。1ヶ月分も振り返れば、グットタイムとバットタイムがわかってきます。

もちろん、グットタイムを増やして、逆の時間を減らすことで幸福度は増します。そして、わたしが自身の活動を振り返ってみて意外だった発見は、以下のようなものでした。

  • 毎月のセミナーはエネルギーが湧いてくる時間
  • 難しい仕事はフロー状態に入りやすい
  • 映画を観る時間もエネルギーが湧いてくる時間

逆に、

  • 同じ情報を繰り返し聞くこと
  • 同じことを繰り返すこと

がとても苦手だということも分かりました。こうした時間があると、熱中度が下がり、エネルギーも削がれてしまいます。

たとえば、わたしは毎月セミナーを開催しています。その内容が何ヶ月も同じだと自身のエネルギーを下げる原因となります。しかし、毎月新しい内容で実施すれば、エネルギーが湧いてくる時間となります。このような発見がありました。

そして、こうしたワークをするのには理由があります。”面倒なこと”が、実はグットタイムだったというような落とし穴があるからです。

わたしの中で「難しい仕事」は面倒なことでした。そのため、できれば避けて通りたいと思っていました。しかし、振り返ってみると、フロー状態を生むグットタイムだったのです。これには驚きました。

このように自分のグットタイムとバッドタイムを正しく認識することは大切です。そのお陰で意識してグットタイムを増やし、バッドタイムを減らすことができます。そうすれば、毎日をエネルギーに満ちた状態で過ごせます。ぜひ、実践してみてください。

人生プランを考える

  1. 五年間の時系列表をつくる。
    プライベートな出来事や仕事以外の出来事も盛りこもう。「いついつまでに結婚する」「スポーツ大会で優勝するためにトレーニングする」など。
  2. その人生の本質を表わすような短いタイトルをつける。
  3. その人生について思い浮かぶ疑問をふたつか三つ書きだす。
  4. ダッシュボードにゲージを書きこむ。
    ・資源(そのプランを実現するための客観的な資源時間、お金、スキル、人脈はあるか?)
    ・興奮度(そのプランにどれくらいワクワクするか?)
    ・自信(成功させる自信は満々か?かなり不安があるか?)
    ・一貫性(そのプランに矛盾はないか?あなたの仕事観や人生観と一致しているか?)

これは転職や起業、資格取得などを考えている人に効果てき面です。

わたしも複数の人生プランを考えて、意思が固まりました。すでに述べたように、脳は曖昧なことを考えるのが苦手です。

頭の中で、転職や起業、または結婚を考えていても正しく評価することができません。紙に書き落とし、1年後・2年後・3年後…と時系列で並べることで、初めてまともに思考することができます。

そうすると、漠然と”いい”と思っていたアイデアにまったく魅力を感じなかったり、逆の現象が起きたりします。ぜひ、紙に5年後までのプランを複数描いてみてください。選ぶ選択肢に自信を持つことができるようになります。

ライフデザインの3つの注意点

ライフデザインの方法を4つのワークとともに紹介してきました。この4つのワークを実践すれば、人生の選択について自信を持つことができるようになります。

その上で、ライフデザインには3つの注意点があるので、紹介します。

  • 決断に迷わない
  • 人生は無限ゲーム
  • 失敗から学ぶ

この3つです。それぞれ、どいういう意味か解説していきます。

決断に迷わない

4つのワークをやれば、どの道に進むかが明確になってくると思います。そして、大切な時は決断し、決めた道を進み始めた”後”に訪れます。

“この決断は正しかったのだろうか?”という疑問が頭をかすめる時です。どんな道を選んだとしても、順風万般に進んでいくことはありません。そのため、自分の決断に自信が揺らぐこともあるでしょう。

しかし、そうした迷いはキッパリと捨てる必要があります。なぜなら、決断が正しかったか否かを知ることはできないからです。

実は、決断に対する考え方は、下す決断そのものと同じくらい重要だ。一見すると、最善の選択をおこなうことが、自分の選択に満足するいちばんの近道のように思える。実に単純な話だーそんなことは不可能である点を除けば。
「最善の選択」をすることなんてムリだ。すべての結果が出揃うまで、なにが最善の選択だったのかなど知りようがないからだ。いまわかっていることの範囲内で、なるべく最善の選択をすることならできるが、目標が「最善の選択をする」ことだとしたら、成功したかどうかは知りえない。知りえないからこそ、いつまでも「正しい選択だったのか」と悩み、選ばなかった選択肢を くよくよと蒸し返してしまう。
これが「悩み」の正体だ。
そして、いつまでも過去を蒸し返すと、自分が下した選択への不満ばかりが募り、自分の選択に従って生き生きと前に進むことができなくなる。

人生は無限ゲーム

世の中には2種類のゲーム(行動)があります。

  • 有限ゲーム
  • 無限ゲーム

この2つです。

有限ゲームとは、勝利するためにルールに従ってプレイするゲームです。一方で、無限ゲームとは、永遠にプレイしつづけるためにルールをいじっていくゲームです。

有限ゲームには、科学の成績でAをとるとか野球とかが当てはまります。ルールも明確で勝敗が決まるからです。

無限ゲームには、恋愛や子育て、人生が当てはまります。終わり(ゴールや勝敗)はなく、うまくプレイすれば永遠に続きます。そしてゲームを続けるために、プレイをするゲームです。

そう考えると、人生に「負け」はありません。どんな選択も「不正解」にはなり得ないし、絶対に失敗のしようもありません。こうしたマインドセットはとても大切です。

失敗から学ぶ

  1. 失敗記録をつける
    失敗を書き出します。そのために、過去一週間、一カ月間、一年間と好きな期間を振り返ってください。
  2. 失敗を不運・弱点・成長の機会に分類する
  3. 成長のヒントを見つけだす
    「成長の機会」に分類した失敗について、次の内容を考える。
    ・大きな改善の余地があるものはないか?
    ・教訓はなにか?
    ・なにがまずかったのか?(決定的な失敗要因)
    ・次回はどこを変えられるか?(決定的な成功要因)

失敗から学ぶ姿勢は、とても大切です。理由は2つあります。

  • 失敗への免疫がつくから
  • 人生をよりよいものにできるから

失敗から学び次に活かすことができれば、失敗への認識が変わります。認識が変われば、くよくよしたり落ち込んだりすることがなくなります。

また、失敗から学べば、人生をよりよいものにすることが可能です。逆に失敗を認識していなかったり、学ぶ姿勢がなかったりすると、同じことを繰り返し続けることになります。そうすると、人生は一向に変わりません。

最初は辛い作業かもしれませんが、ぜひ失敗記録をつけて失敗から学ぶようにしましょう。

以上、読書会でわかったスタンフォード式「ライフデザイン」でした。

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