
- 大学の友だちと勉強のために読書会をしたい
- 上司から言われ、社内で読書会をしなくてはいけない
- 読書好きのコミュニティをつくるため、読書会を開催したい
でも、読書会のやり方・進め方ってどうすればいいのか…?
そんなあなたに、わたしの経験から読書会のやり方・進め方を教えます。
わたしは毎年1000人以上もの方が参加する読書会を主催しています。初参加の半数の方はリピートしてくださり、満足度も高く、東京でもっとも人気のある読書会です。
この記事を読めば、あなたも満足度の高い読書会を開催できるでしょう。
参加者から「こんなに楽しいとは…!ありがとうございました!」と笑顔でお礼を言われたり、感謝のメールが続々と届いたりすることになります。
今回は読書会の進め方だけでなく、告知の方法やおすすめの会場、リピーターが続出する秘訣も紹介します。
読書会の進め方を深く理解して、あなたが理想とする会を開催するために、この記事がお役に立てば幸いです。
目次
読書会は”進め方”でこんなに変わる!
読書会の成否を決めるのは”進め方”です。
進め方とは、主催者のファシリテーションのこと。この進め方が読書会では商品にあたります。
もし進め方が悪く、
- 1人ばかりが話していて他の人が発言できない
- 意見を否定されて嫌な気持ちになる
- 盛り上がりがなく打ち解けられない
- 学びもなく勉強にもならない
という読書会だったら、どうでしょうか?
いかにすばらしい会に見せかけて告知をしてもうまくいきません。なぜなら、誰もリピートしないからです。
こうした読書会は必ず廃れますし、主催していても楽しくありません。そのため”進め方”こそ、読書会の要なのです。
感謝のメールが続々と届くようになる
読書会の進め方がうまくいけば、参加者から感謝の言葉をいただけるようになります。
可能な範囲で紹介すると、
このような感じです。あなたも参加者から、
- こんなに楽しいとは思ってなかったです。ありがとうございました!
- 新しい本も知れたし、すごく勉強になりました!毎週来ます!
- ここに来るとエネルギーがチャージされます!
と言われて感謝されるようになるでしょう。これは主催者として、この上なく嬉しいことです。
リピーターが続出する
進め方がうまくいくとリピーターが続出するようになります。なぜなら読書会のコンテンツは、参加者とともに主催者のファシリテーションがつくるものだからです。
進め方がよくないと、参加者はリピートしません。そのため、わたしもどんな進め方がいいのか工夫を重ねてきました。
その結果、読書会を始めたころ10%台だったリピート率が、今では40%を超えています。
ちなみに、これは初参加の方のリピート率です。当たり前ですがリピーターのリピート率はもっと高いです。
半数近い初参加の方が再び参加してくださるというのは、なかなか高い数字ではないでしょうか。これも進め方を改善したおかげです。
読書会とは?形式とテーマ
“進め方”の解説の前に、読書会の形式とテーマを解説します。
読書会とは、本に関してコミュニケーション・交流をするイベントです。1卓4人から10人で開催されることが多いです。作家さんを招待して開催されたり、出版記念に開催されることもあります。
形式
読書会の形式には、2種類あります。
- 自由本式
- 課題本式
それぞれ解説します。
自由本式
参加者が自由に好きな本を持ち寄って紹介する形式の読書会です。この形式が、もっとも多く開催されています。1人5分から10分ほどの時間で紹介したり、本に対してのフリートークをしたりします。
課題本式
主催者が課題本を指定し、参加者は事前に指定の本を読んで参加する読書会です。自由本式に対して5分の1ほどの開催数です。中には、読書会の場で読む場合もあります。章ごとに担当を決めて読み、みんなで紹介し合います。
扱う本(テーマ)
読書会で扱われる本は、
- ビジネス書
- 小説、哲学書
の2種類にわかれます。レアですが、マンガ専門の読書会もあります。
読書会の「形式」と「扱う本」をまとめると、

この4タイプがあります。さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
初参加で恥をかかない、充実した時間を過ごせる読書会の確実な選び方
読書会の進め方
読書会の進め方を解説します。
- 自己紹介
- 本の紹介
- 困ったときの質問集
という3つのパートで説明します。いずれもわたしが経験の中で学んだ読書会を成功させるコツです。
ただその前に全パートに共通する重要事項をお伝えします。その重要事項とは、
- 興味を示す
- 肯定する
- 自分ばかりが話さない
この3つです。要は傾聴が大事ということ。
参加者の自己紹介や紹介する本、経験談すべてを”興味ありますよ!”というスタンスで聞いてください。参加者に気持ちよく話してもらうのに大切です。
次に参加者にすべて同意する必要はありませんが、肯定的な態度で話を聞くようにしてください。否定的な態度は人を傷つけます。
最後に自分ばかりが話してはいけません。読書会を盛り上げるために積極的に話したり、知ってる知識を伝えたりすることも大事です。しかし参加者が優先的に話せる空気・雰囲気づくりをしてください。
この傾聴のスタンスを徹底するだけでも参加者は満足してくれるでしょう。それでは具体的に各パートの進め方とコツを紹介します。
自己紹介
- お名前
- お仕事(差し支えない範囲で)
- ひと言
を自己紹介として聞いてます。
自己紹介の目的は2つです。
- 打ち解ける
- キャラをつかむ
1つずつ解説しましょう。
打ち解ける
“ひと言”は、
- 最近あったよかったこと
- 美味しかったお店
- いま欲しいもの
などポジティブなテーマがおすすめです。一度「最近イラッとしたこと」を聞いたことがありますが、雰囲気が悪くなってしまいました(笑)。打ち解けるためにもポジティブなテーマを聞いてください。
また「笑い」も重要です。初参加の方の紹介時には、笑いを取るようにしましょう。
ただし初対面の方をいきなりイジったり、下げたりする笑いはリスクが大きすぎます。無難な笑いで攻めてください。
一人ずつ自己紹介を進めていき、参加者が自発的に発言してくれるようになると「打ち解ける」という目的は達成できてます。それを目安にやってみてください。
キャラをつかむ
キャラとはその人の特徴です。尖った部分や光る部分、例えば仕事内容や出身地(帰国子女)、趣味(ハマっていること)、専攻などを把握するようにしてください。
このキャラをつかんでおくと読書会中に話を振りやすくなります。
- 営業の話が出たらAさんに聞く
- 医療の話はBさんに振る
- 子育ての話はCさんに
ということができます。適切な人に話を振れれば話も盛り上がりますし、思わぬ深い話が出てきたりもします。
では、最後に自己紹介の実例を紹介します。


本の紹介
自由本式の読書会における「本の紹介」を解説します。
ちなみに、ファシリテーションの難易度は、
- 課題本・ビジネス書
- 課題本・小説
- 自由本・ビジネス書
- 自由本・小説
の順番で高くなります。自由本式で誰も読んだことがない作家が日常を綴ったエッセイを紹介されると難易度Maxです。わたしも冷や汗をかきます(笑)。
では「本の紹介」を解説していきましょう。
ここでのファシリテーターの役割は、
- 発表内容を咀嚼する
- 他の参加者に話を振る
の2つです。
発表内容を咀嚼する
咀嚼といっても難しいことはしません。発表者がつまってしまったら言葉をつないだり、適切な質問をしたりします。
発表内容が難しい場合は、参加者が思っている疑問を代表して聞いたり、具体例を訊いたりもします。
他の参加者に話を振る
本の発表はリピーターから始めますが、話は初参加の方から優先的に振ります。開始10分以内にすべての初参加者が話をするというのが1つの目安です。
もちろん話の振り方にもポイントがあります。
言いたいことがあってウズウズしている人はシンプルに「Aさんはどう思いますか?」でOKです。
しかし「どう思いますか?」では答えにくい場合も多々あります。そうした場合は身近な例に置き換えてから話を振るといいです。
例えば、
- 職場でもそういうことってありますか?
- Aさんは地方出身ですよね。東京でそういうことって感じますか?
- Bさんは転職を経験してますよね。転職するときはそういうことを考えたんですか?
という訊き方です。
こちらも実例を紹介しましょう。





困ったときの質問集
読書会で1番やってはいけないこと。それは静まりかえることです。
本を紹介されてコメントが思いつかず、沈黙が続くと変な空気が流れます(笑)。
どんな本でも傾聴していれば何かしらコメントは思い浮かびますが、困ったときの質問集を紹介します。いずれも使い勝手のいい質問・コメントばかりです。
小説・ビジネス書共通
- なんで、その本を手に取ったんですか?
- その作家さんが好きなんですか?
- 印象に残った箇所はどこですか?
- なぜ、そこが印象に残ったんですか?
ビジネス書
- 実践しようと思うこと、ありますか?
- 本を読んで、何か変わりましたか?
- その分野で初心者向けの本、ありますか?
小説
- [その小説のテーマ]が好きなんですか?
- [その小説の舞台]に行ったことありますか?
- もし自分だったらどうしますか?
- [登場人物]に共感できますか?
これらの質問は発表者だけでなく、参加者全員に問いかけるのも有効です。
例えば、「村上海賊の娘」を紹介されたら
- 本願寺、行ったことある人いますか?
- 戦国時代ってファン多いですよね。好きな人いますか?
- 村上海賊って広島ですよね。出身の人いますか?
のような感じで問いかけて話を広げていきます。困ったときは使ってみてください。
読書会前に準備する4つのこと
読書会を開催前に準備することは、
- 告知
- 会場の予約
- 備品の用意
- 参加費の設定
です。この4つを準備していれば読書会は開催できます。それぞれの準備について解説していきます。
告知
読書会の準備の中でもっとも重要です。
読書会の成否は進め方(コンテンツ)が決めると言いましたが、参加者がいなければ開催もできませんし、リピーターも生まれません。
わたしも様々な告知方法を試してきました。その中で効果のあるものと、その難易度を紹介します。

告知は上記の方法の中から選んだり、組み合わせたりしていただくのがいいと思います。そのときに判断基準になるのが開催頻度と参加人数です。
仮に5人の参加者を集める場合、以下のような申込人数が必要となります。(申込の50%がキャンセルとなる前提)


上記のような計算になります。
そのため月1回開催ならHPの制作までは不要です。
で告知をして5人の申込み、あとは友だちを2~3人誘えば開催可能です。2~3ヶ月続ければリピーターも生まれるので、友だちを誘わなくても継続していけるようになるでしょう。
一方で月4回開催ならHPの制作は必須です。HPから月15~20人の申込みになるよう作り込む必要があるでしょう。
どのように読書会を開催していきたいか?から逆算して参考にしてください。
会場の予約
会社の会議室や大学の教室を利用できない場合は、自分で会場を用意する必要があります。
もちろんカフェでゲリラ的に開催することも可能です。ただ他のお客さんへの迷惑や会の盛り上がりを考えるなら会場を用意したほうがいいです。
会場選びは、
- 会場の雰囲気
- 収容人数
- 立地
と料金のバランスになります。
会場の料金が高いと参加費を高く設定せざるを得なかったり、赤字のときのリスクが大きくなったりします。
では、わたしがおすすめの会場を紹介します。
この3つです。
MIYAMAとルノアールは同じ会社が運営するカフェです。この2つのカフェには会議室(個室)があります。ドリンク代に加えて1時間1000円ほどで借りられるので、とてもリーズナブルです。
読書会終了後に店を変えずに、お茶や軽食ができるのも魅力的です。参加者同士で仲良くなることができそうです。
スペースマーケットとインスタベースはイベントスペースのマッチングサイトです。Airbnbの会議室版だと考えてください。多様なスペースが貸し出されています。
安い会場であれば10人収容で1時間1000円台からあります。ぜひ条件に合う会場を検索してみてください。
備品の準備
読書会に準備する備品は、
- 名札
- アンケート
の2つです。
5~6人が初対面で会うことになるので名札があるほうがいいです。名札があると名前を呼び合えるので会話も進みやすくなり、盛り上がります。
ちなみに名札は100均で10枚入りや30枚入りが売られています。安く簡単に手に入れられます。
アンケートは参加者の満足度や希望、要望を知るために重要です。わたしは、
- 満足度(5段階評価)
- 参考になった話
- 次回の参加予定
をアンケートで聞いています。みなさんも参加者の声を集めて改善につなげてください。
参加費の設定
大学の友だちや会社の同僚と行うのでない限り、参加費の設定も必要です。読書会の相場は、
- 無料~2000円
です。こちらの記事に主要な読書会の参加費を一覧で載せているので、気になる方は見てください。
【東京編】読書会はハズレも多い?失敗しない読書会の選び方 完全版
参加費は会場代から考えて赤字にならないようにするといいと思います。
例えば会場費3000円で定員6人だとします。このとき参加費を500円にすると1人2人がキャンセルするだけで赤字になってしまいます。なので少し余裕をもって参加費は1000円にするといいでしょう。
赤字になると継続する意欲が削がれてしまうので、ご注意ください。
リピーターが続出する人気の読書会をつくる方法
読書会をただ開催するだけでなく、リピーターが続出する人気の会を開催する秘訣をお伝えします。
読書会もほとんどの会は1、2年でなくなります。その理由は新しいリピーターが生まれず、決まった常連だけで固定されるようになり、おもしろさがなくなっていくからです。
人気の会をつくるポイントは、
- 2~3回リピートする人と5回以上リピートする人では理由が違う
ということを理解することです。
ここを十分に理解していないと人気の読書会はつくれません。この2つの違いを解説します。
2~3回のリピートは期待値
2〜3回のりピーとは”期待値”を超えることで可能です。
- 新しい本(小説)を知りたいと思って来たら、ビジネス書に興味が湧いた
- 友だちをつくりたいと思って参加したら、読書にハマった
- 本が好きで参加したら、アウトプットが上達した
このように、
- 楽しい
- 新しい本が知れる
- アウトプットができる
- 知識が増える
- 人に出会える
- 読書にハマる
など、申込み時の期待値を超えること。これが大事です。期待値を超えていたら2~3回はリピートします。
5回以上のリピートはコミュニティ
2~3回のリピートは期待値を超えることで可能です。しかし期待値を超えるだけでは5回以上リピートする人は現れません。
5回以上リピートする人はコミュニティの一員という感覚を持った人だけです。
コミュニティの一員になった人は毎週参加したり、友だちに口コミをしてくれたりする強いファンになります。コミュニティづくりに関しては、
- ファンベース
- WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE
という良書があります。
「WE ARE LONELY BUT NOT ALONE」でわかったコミュニティの作り方とは?
これらの記事や本を参考にしてください。
読書会の”進め方”を体験するには?
読書会のやり方・進め方についてできるだけ具体的に解説してきました。ただ、会の雰囲気や息づかい、感情の機微などは文面では伝えきれないところがあります。
そのため自分で開催する前に一度は読書会に参加して”進め方”を体験することをおすすすめします。
わたしも毎週読書会を開催しています。興味のある方は気軽に参加してください。
また他の読書会のことを知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
【東京編】読書会はハズレも多い?失敗しない読書会の選び方 完全版
東京で開催されている主要な読書会はすべて紹介しています。
まとめ
今回は読書会のやり方・進め方を解説してきましたがいかがでしょうか?
今回紹介した内容を参考にすれば、皆さまの読書会も成功すること間違いありません。そして参加した方から笑顔でお礼を言われたり、感謝のメールが続々と届いたりすることになるでしょう。
今回の記事が、皆さまが理想とする読書会の開催とその成功のために参考になれば幸いです。