財務省「日本財政は持続不可能」

財務省の「日本の財政関係資料(平成26年10月)」(http://www.mof.go.jp/budget/fiscal_condition/related_data/sy014_26_10.pdf)に書かれているコメントを引用します。

20代読書会_財政は持続不可能

日本の財政事情に関するコメントです。上記のコメントを読んでいただけましたか?

「歳入の半分近くを借金に依存し、将来世代に負担をつけ回しているという我が国予算の異常な構造は未だ解消されておらず、政府債務が累増し続ける深刻な状態が続いています。既に国及び地方の長期債務残高の対GDP比が200%を超える中で、このように債務残高の累増に歯止めがきかない現状のままでは、日本の財政は持続不可能と言わざるを得ません。」

思わず、自分でも同じコメントを書いてしまいました(笑)。
でも、冗談ではないのです。よく考えてみてください。財務省が自らの公式な見解として、「日本の財政は持続不可能」とコメントを出しているのです。

確かに、日本に借金が多いことはよく聞く話です。しかし、よく聞く話で終わらせられるような状態ではないということをしっかりと考えないといけないと思います。私も小さい時から日本には借金が多いということを聞いていたので、そこに問題意識はあまりなかったです。

ところが、大前研一氏のコメントを読んで、ハッとしました。

「日本人にはそういう危機感がない。世界で一番の借金国でありながら、危機感を持っていないというのはどういうわけだと。私は「あなたは、ゆでガエルですか?温度感じないんですか?」と言うんですが、感じないんです。それで、寄らば大樹の陰でやっている。」

このコメントを読んで、「そうか!自分はゆでガエルだったのか!」と気づきました(笑)。

これは冗談ですが、先ほどの財務省の資料の中で日本の財務状況を解りやすく家計に例えているコラムがありますので、抜粋してみます。

20代読書会_我が国財政を家計に例えたら

国家予算は何兆円単位のお金で書かれているので、ピンとこないという人も多いと思います。言葉も歳入とか歳出とか馴染みがない言葉なので、さらに遠い世界のように感じてしまいます。ただ、この例えを見ればよく分かると思います。

まず、収入ですが、年間で959万円です。

なかなか凄いですね。1000万近いですから、かなりの高所得者です。しかし、内訳を見てください。給与が546万円です。

「あれ?給与は546万なのに、年収959万円?なんで?」と思いますよね。理由は簡単です。413万円が借金だからです。

「えええええええええええ!!!!」

驚愕ですよね。そうです。驚愕な数字なんです。546万の給与に対して、412万も借金をしているのです。それも毎年です。毎年、毎年給与に匹敵する金額の借金を繰り返して、その額は増加の一途をたどっています。

その結果、借金の累計額は8000万を超しました。年収545万で借金8000万ですよ?すごくないですか?あり得ない金額だと思います。

財務省のコメントが最高です。この借金の金額に対して、「現実には銀行が融資してくれる水準にはない。」と書いてあります。その通りです(笑)。この借金の金額は異常です。

では、支出を見てみましょう。

ローンの返済が232万となっています。これは借金の返済という意味ですね。給与が546万ですから、給与の半分近くは借金の返済に消えているということになります。これは相当ヤバい家計ですね(笑)

そして、ローン返済に対する財務省のコメントを見てください。「今は超低金利だが、金利が上昇すれば利払い費は急増。」と書いてあります。この意味分かりますか?

当然、借金をしているわけですから、返済時には利子が付いています。その金利が現在は0.2%や0.3%のような水準にあるのです。0.2%の金利で232万の利払いがあるということは、もし金利が1%になったら、5倍ですよね。つまり、ローンの返済が1000万以上になるということです。

金利が1%になるということは、0.8%の上昇です。金利がたった0.8%の上昇で、年間の総収入である959万を超える金額をローンの返済に充てなくてはならなくなるのです。

「え…。日本って…、大丈夫?」

もはや驚きというよりも、不安になってきますよね。安心してください。日本の財政は全く大丈夫ではありません(笑)。日本の財政は綱渡り状態です。こんな財政状態だから国債の格付けも下げられていくのです。

こうしたことも含めてしっかりと将来を考えてみるべきだと思います。いかがでしょうか?そう思いませんか?

20代読書会は、そうしたことを楽しく学び、考える場として開催しています。ぜひ一度足を運んでみてください。

 

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