失われた20年は序章に過ぎない

日本の人口動態を見ると、少子高齢化が進行しているということが分かります。そして、そのことで日本の活気が失われ、経済成長が難しくなっているのです。ところが、実は日本の人口には人口ピラミッドの変形以上に深刻な問題があります。その問題について、以下のグラフを見て知っていただきたいです。
このグラフは、国連事務局経済社会局のサイト(http://esa.un.org/wpp/unpp/panel_indicators.htm)から、日本の人口について過去の実績と未来の予想を抽出して作成したものです。

20代読書会_人口推移

2つ載せてあるのは、左側がポジティブな予想の場合で右側がネガティブな予想の場合です。日本の人口予想については度々下方修正が加えられていますから、この2つのグラフの間ぐらいが現実になると考えておけばいいのではないでしょうか。

共に1950年から2100年までの期間のグラフにしております。性別年齢関係なく、純粋に日本の人口を縦軸にしてあります。

1950年を見ると、大体8000万人ほどですね。そして、人口は急激に増加していき、2000年前後にピークである1億2000万人に到達しています。

ところが、2020年ごろから左右ともに人口減少が始まっています。ポジティブな見方では2100年になると8000万人で1950年と同じような水準になっています。ネガティブな予想では日本の人口は2100年には5000万人ほどまで下がっています。恐ろしい…。1950年と同じ8000万人には2060年代で到達するようです。

では、この人口というは何故重要なんでしょうか?

答えは簡単です。人口は経済力とイコールなんです。もちろん、ザックリとした説明ですけどね(笑)

では、経済力とはなんでしょうか?

経済力を測る指標として、よくGDPという言葉を聞くと思います。GDPとは1年間の総売上のことを言います。この売上というのは、裏を返せば消費のことです。これは当たり前ですよね。誰かが消費すれば、売り手からすると売上になるのです。

では、消費を決める要因は何でしょうか?

それは人口です。人口が消費量を決めています。例えば、人口1億人の国で腕時計を売ります。1年間で何個売れるでしょうか?1億本も売ることはできないでしょう。まさか、全員が買うとは考えられません。

全員平均1本の腕時計を持っているとして、4年に1回腕時計を買い換えるとしましょう。そうすると、1年間で売れる腕時計の数は2500万本です。これはデザインや価格の問題ではありません。人口によって決まっているのです。もちろん、実際には様々な要因が影響を与えますけどね。

しかし、人口10億人の国に行ってみてください。全く同じ手法で販売したって、10倍の売上になったとしても全然不思議ではありません。なぜなら、10倍の人口がいるからです。

日本の高度経済成長は1950年代から70年代にかけての時代のことを言います。人口推移のグラフを見てください。最も人口が増えていた時代です。

そして、人口増加に陰りが見え始めた1990年代に入ってバブル経済が崩壊します。それから日本は失われた20年に突入していくのです。

しかし、グラフをよく見るとこの20年間は不景気だと言いながらも、人口は実は大幅には減少していません。本格的な人口減少が始まるのは2020年からです。

ここからは私の個人的な見解ですが、日本の本当の経済的な衰退は2020年前後から始まると思います。今言われている不景気は未だ序章に過ぎないと思います。

20代読書会は、そうしたことを楽しく学び、考える場として開催しています。ぜひ一度足を運んでみてください。

 

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