読書会の魅力4:外れのない良書との出会い

ドイツの哲人ショーペンハウアー氏は、読書の最大の要点は「悪書を読まないこと」と断言しています。いい本に出会いたい、面白い本に出会いたいということを意識することはありますが、悪書を読まないということを意識することは少ないかもしれません。

ただ、考えてみると悪書を読むということの悪影響は計り知れません。世の中には、「こんなこと書いてて、読者にどう責任取るつもりなんだろう?」と首をかしげたくなるような本も実際には存在しています。その本を「つまらない本だった。」と片づけられる人はいいかもしれません。

ただ、本当に実践してしまい、5年・10年と失ってしまったら、取り返しがつきません。それも、いい経験だったとか、その経験から学べることがあったとか、そういう風に思えばいいのかもしれませんが、そうした悪書の影響は受けずに、生きていきたいです。

では、どうすれば悪書に出会わずに済むでしょうか?

答えは、信頼のできるキュレーターを持つことです。キュレーターとは、情報を収集・整理し、他の人に共有してくれる人のことをいいます。簡単に言えば、フィルターとしての役割を果たしてくれる人というような意味合いです。(元々のキュレーターの意味とは違うようですが)

私にも、キュレーターとなる人がいます。自分よりも圧倒的に経験も能力もあり、読書量も多い人です。その人がお薦めしてくれる本は、外れなく面白く、学びに溢れています。もちろん、キュレーターとなる人が信頼にたる人でなければ、良書と出合えないばかりか、悪書をお薦めされてしまうことにもなりかねませんので、「信頼できる」キュレーターというところはポイントだと思います。

そうは言っても、信頼のできるキュレーターが簡単には見つからない、身の回りにいないという人も多いと思います。特に読書習慣のないコミュニティでは、信頼できるキュレーターを探すのは難しいかもしれません。

そこでお勧めしたいのが読書会の場を活用することです。

まず、読書会に参加すると、年間100冊以上読みますとか月に5冊以上読みますというような読書家の人に出会うことができます。そうした人は、必ず「お薦めの1冊」を1冊どころじゃなく知っています。100冊の中から厳選された1冊をお薦めしてくれるわけですから、その本にはお薦めされるだけの意味があります。

また、継続して読書会に参加していると、色んな人が何度も紹介してくれる本や著者に出会うことがあります。1人が読んで面白かったではなく、多くの人が支持している本というのも、それだけの意味があります。

実際に、私も読書会を主催していて、3000人以上の方に本を紹介してもらっています。その中で、最初は全く興味がなかったのに、色んな人から紹介されるので興味を持ち、読んでみたら、とても面白かったという本や著者の方が多くいます。

そういう意味で、読書会に参加するとキュレーターとなってくれる人に出会うこともできますし、読書会自体がキュレーターとしての役割を果たしてくれることもあります。ぜひ、一度足を運んでみることをお薦めします。

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