読書会の魅力6:一瞬で専門家になる知的体験

読書会と言えば、1番イメージがしやすいメリットかもしれませんが、知識が圧倒的な速度で身に付いていきます。これほど効率的な学習の場は、他にはないかもしれません。

読書会で、圧倒的に知識が身に付く理由は、2つあります。

まず、1つ目は読書会はエクスフォーメーションの場だからです。読書会の形式にもよるかもしれませんが、読書会では基本的には持参した本を他の参加者に向けてアウトプットします。他人に本を紹介するという目的で読書をすると、まずインプットの効率が全然違います。「この本の趣旨は何だろう?」「どのセンテンスが人には響くだろうか?」「この本は他の人にも読む価値があるだろうか?」など、色んな事を考えながら読書をします。

読書をする時に、このように明確な目的や読み取るポイントがあるということが、読書においては非常に重要なのです。無目的に読書をしてしまうと、字ずらは追っているのですが、読み終わってみると、「結局、何が書いてあったんだっけ?」となってしまうことがよく起きます。目的を持って読んでいると、要点に集中して読書ができますから、そのようなことが起きません。重要ポイントを確実に学ぶことができます。

そして、読書会の場で、重要だと思った箇所や、本の趣旨などをエクスフォームするということ自体も非常に重要なことです。なぜなら、人の脳はインプット用の記憶とアウトプット用の記憶が異なっているからです。インプットしたことを全てアウトプットできる人なんていません。ということは、下手すれば本を読んでインプットをしても、一切アウトプットせずに終わってしまうということもあり得るのです。それでは、インプットをした意味がありません。アウトプットによって何らかの行動が変わらなければ、インプットをしていないのと同じなわけですから。

そのため、読書会でエクスフォームすることで、本で読んだ知識がアウトプット用の知識へと変わります。この過程で、記憶はより深く、長期で保存されるようになります。そのため、読書会で紹介した本は、2年前や3年前に読んだ本であっても、内容を鮮明に思い出すことができますし、時にはセンテンス単位で覚えておくことができます。アウトプットすることで、嘘のように鮮明に記憶することができます

そして、読書会で圧倒的に知識が身に付く2つ目の理由ですが、それは読書会に参加することで速読が可能になるからです。読書会に継続的に参加することで、読書習慣が身に付きます。そのため、読書習慣が身に付いた結果、読書スピードが速くなるということは間違いありません。

しかし、読書会はそれ以上に読書スピードが速くなる理由があります。その理由を説明する前に、速読・読書スピードが速くなるという意味を説明しておきます。私が言っているのは、フォトリーディングができるようになる、という意味ではありません。他にも世の中に斜め読みや飛ばし読みのような色んな技法がありますが、それらのことを指しているわけでもないです。

ちなみに、苫米地英人氏は著書の中で、「いわゆる速読というのは不要だ。」と書いていました。私自身は、フォトリーディングのような速読ができるようになったらいいなとは思い、以前トライしましたが、上手くいきませんでした。フォトリーディングのセミナーを受けた方に数人お会いしましたが、できるようになった人にもまだ会ってません。なので、フォトリーディングの良さはイマイチ分かってないのが実情です。

話が少し逸れてしまいましたが、先ほど速読が不要だと主張していると苫米地英人氏のことを書きましたが、苫米地英人氏は読書スピードが遅いのか?と言えば、速いです。もう速いってもんじゃない位、超速いそうです。どれ位速いのかをよく表しているエピソードがあります。

ある時、クリス・アンダーソン氏と対談する機会があったそうです。対談の内容は、クリス・アンダーソン氏が書いた「フリー〈無料〉からお金を生みだす新戦略」という本の内容についての対談です。本書は、いわゆるフリーミアムという戦略について書かれた本です。その対談の時、苫米地英人氏は対談前にトイレに数分こもって、その約300Pもある分厚い「フリー〈無料〉からお金を生みだす新戦略」を読破し、その後1時間にわたってクリス・アンダーソン氏と対談したというのです。

もはや、フォトリーディングを超えるような読書スピードです。しかし、苫米地英人氏は飛ばし読みや斜め読み、フォトリーディングをしたのではないと言っています。普通に文字を追って最初から最後まで読んだそうです。なぜ、こんなに速く読めるのか気になりますよね。苫米地英人氏が、その答えを言っています。

速く本が読める理由は、「知識量が多いから」なのです。

苫米地英人氏は、フリーミアムについてクリス・アンダーソン氏よりも知識量が豊富であったから、数分で「フリー〈無料〉からお金を生みだす新戦略」を読み切ることができたと言っています。基礎知識の量が多いから、①本の内容の理解が速い、そして②本の内容が大体予想できる、のだそうです。そのため、本を速く読めるということなのです。

では、知識量を増やすには、どうすればいいか?

読書をするしかありません。セミナーや人から話を聞いて知識を増やすことも可能ですが、ある程度以上のまとまった最新情報を得るには、書籍に頼るしかないと思います。

しかし、よく考えると、この結論では困ります。本を速く読むために知識量を増やしたいのに、その知識量を増やすには読書しかない…。これでは、問題と解決策がループしてしまっています。

私は、その問題を読書会が解決してくれると考えています。なぜなら、本を速く読むには、①本の内容を理解するための基礎知識と、②本の内容の予想が必要なのです。読書会に参加すれば、正にこの2つのことを学ぶことができるのです。

他の参加者から、何について書いてあるのか?どのような意見が述べられているのか?重要ポイントはなにかということを紹介してもらうことができます。これは、速読のポイント②に他なりません。そして、その発表を聞いているときに理解できない点を質問すれば、①の基礎知識を補ってもらうことができます。そのため、読書会で紹介された本は、普段よりも数段速く読み進めることができるのです。

まとめると、読書会が圧倒的に知識が身に付く理由は、2つです。

まず、エクスフォーメーションの場であることが挙げられます。アウトプットするという目的のためにインプットの質を上げることができ、実際にアウトプットすることで、更に記憶の定着が図れます。次に、読書スピードが速まるからです。それは、基礎知識と本の内容を紹介してもらうことによって、読書会で紹介された本は普段よりも速く本を読むことが可能になるからです。

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