ビジネス系でテーマ本がある読書会です。テーマ本が本当に1冊に絞られている場合もありますし、著者を絞っていてその著者が書いた本であれば何でもOKというような制限をしている読書会もあります。この形式の読書会の場合は、参加者の中に共通言語ができていますので、生産的な対話に時間を使えることが特徴だと思います。
「本に何が書いてあったか?」や、「著者の主張は何か?」などの前提の確認に時間を取られる必要がありません。随分昔に読んだので内容を忘れてしまっているという参加者もいると思いますので、多少のレビューはあると思いますが、読書会の多くの時間を「この本を読んで何に生かしたいか?」「どういう行動を始めるか?」などに充てることができます。この部分の対話が読書会では重要だと思いますので、とても有意義な時間を過ごせるのではないかと思います。
また、テーマ本になる本とというのは大抵有名な本です。例えば、ピーター・ドラッカー氏の著書であったり、「7つの習慣」であったりします。他にも有名な経営者が書いた本もテーマにされることがあります。例えば、元Google社CEOのエリック・シュミット氏の著書がテーマになっているのも見かけました。
このようにビジネスパーソンとして読んでおいて損はない本というのがテーマにされることが大半です。なぜなら、この形式の読書会の場合、テーマ本によって人が集まるか否かが決まってしまうからです。当たり前ですが、誰も知らない、誰も読みたくならないような本をテーマ本にしてしまうと誰も参加しません(笑)。
そのため、なかなか読書の気が進まないという人は、こうした形式の読書会に参加して社会人として読むべき本を半強制的に自分に読ませるのもいいかもしれません。そうすれば、古典的な名著や今まさに旬な本を定期的に読むことができます。
そして、この形式の読書会の場合、自分に似た人に出会うことができると思います。少し分かりにくいかもしれませんが、例えば子育てと仕事を両立することを題材に女性が書いた本をテーマ本にしたとします。そうすると、どんな人が参加すると思いますか?当たり前ですが、今仕事をしながら、結婚・出産を考えている女性が参加しますよね?もしくは、仕事と出産・子育てを経験したお母さんも参加しているかもしれません。
テーマにされる本に興味関心のある人が参加しますので、参加者には何らかの共通点がある場合が多いです。そのため、悩みや不安も共感しやすいかもしれません。これも、この形式の読書会の特徴だと思います。
ここからは、この形式の読書会の特徴の中でも、ややネガティブなことを書いていこうと思います。テーマ本が決められているということは、当たり前ですが事前に読んでおくことが必要です。中には、読書会の場でテーマ本を読むという形式の読書会もありますが、マイナーです。また、そうした読書会に参加してみた個人的な感想ですが、せっかく皆で集まっているのに読書に時間を使うのは勿体ないような気もします。
さて、話を戻しますが、テーマ本がある読書会はテーマ本を読んでから参加する必要があります。読書会とは関係なく読んでいた本であれば問題ありませんが、新たに読む場合は、それなりの時間的猶予が必要です。今日思い立って明日参加するというこは難しいです。人の興味は移り気ですから、1か月後の読書会に参加しようと思っても、その時になったら興味が薄れているということもあると思います。そのため、テーマ本が決められている読書会の場合は、タイミングを合わせるのが難しい側面があります。
また、読書会の魅力の1つに参加者との交流というものがありますが、1回の読書会で本当に仲良くなるのは非常に難しいです。全くの初対面で2時間話した程度では限界があります。では、どうやって読書会の参加者同士が仲良くなっていくかというと、何度か同じ読書会にリピートしてお互いに顔を合わせていって、仲良くなっていくのです。
その時に、テーマ本が決まっている読書会というのは難しい面があります。なぜなら、テーマ本を読むために時間が必要になりますから、毎週毎週同じ読書会にリピートするという人が生まれにくいのです。実際にテーマ本を決められている読書会に何度か参加したことがありますが、リピートして参加されていた人は1割以下だったと思います。
これが、ビジネス系テーマ本ありの読書会の特徴です。気になる本がテーマになっている場合や、好きな本がテーマになっている場合は、とっかかりとして参加してみるといいと思います。
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