私は毎週読書会を開催し、ファシリテーターとして読書会に参加しています。
そして、この「ファシリテーター」が実はとても重要な存在であると分かるようになりました。なぜなら、共創の時代に突入しているからです。
私は、いずれはファシリテーターという職業が生まれるかもしれないと思います。コンサルティングやコーチングという職業が生まれたのと同様です。
ファシリテーションのコツ:全員でアイスブレイク
読書会には初参加の人もいれば、1年以上参加している人もいます。そして、お互いのことを全く知らない状態からスタートすることになります。なので、最初のアイスブレイクが非常に重要です。
私はアイスブレイクとして自己紹介をしていただきます。この自己紹介の雰囲気で、参加者は無言のうちに「あ、こんな発言をしても許されるんだ」という空気感を感じていると思います。なので、できるだけ笑いが起きるように、一人一人の自己紹介にコメントを入れていきます。
ここで場の空気が温まると、自然と活発に発言し合う読書会になります。
ファシリテーションのコツ:話を真剣に聴く
読書会では、一人一人順番に本の紹介をしていただきます。この時、その人の紹介を「真剣に聴く」ことがポイントです。
ただ、ここでよくやりがちな間違いがあります。それは、「どんなコメントをしよう」と考えながら、本の紹介を聞いてしまうことです。
そうすると、紹介の途中であるにも関わらず、自分の話をしてしまったり、相手の言いたいことを理解できなかったりします。最悪の場合、誰かが本を紹介をしているのに、途中からファシリテーターが割り込んできて話を奪っていきます。
その結果、読書会がファシリテーターの独壇場になっていきます。そうすると参加者は楽しくありませんし、話もファシリテーターの限界を超えて発展していきません。
ファシリテーターも、一人一人の発言から「学ぶ」という姿勢を持って真剣に話を聴くことが大切です。
ファシリテーションのコツ:適切な相槌を打つ
上記の話を真剣に聴くというのは、ファシリテーターだけに求められることではありません。この姿勢は参加者全員に求められています。
もちろん、話が上手な人であれば、聞き手の表情を見ながら自分の話に引き込んでいくことができます。聞き手の集中力が下がってきたら、質問を入れたり、笑いを入れたり、臨機応変に対応できます。そして、自然と聞き手が真剣に話を聴くように促すのです。
ただ、人によって話の上手さはバラバラです。
そこでファシリテーターの力量が試されます。
例えば、話が支離滅裂になって理解しづらくなったら、適切に質問をして話を整理します。例えば、聞き手の集中力が下がってきたら、聞き手に質問したり話を振ったりして、話に引き込んでいきます。
こうして適切な相槌を打ちながら、全員が全て話から脱落しないように促していきます。
ファシリテーションのコツ:全員に発言を促す
アイスブレイクで場が温まっても、時間の経過と共に場は冷めていきます。多くの人が自発的に発言するようになれば、何もしなくても場は温かさを保てます。
ところが、読書会にはベテランもいれば初参加の人もいます。社交的な人もいれば、そうでない人もいます。そこで、初参加の人を中心にファシリテーターが質問を振って発言を促していきます。
話を振られていないのに発言するようになってくれれば、もう大丈夫です。そうなるまで、発言量のバランスを見ながら、全員に発言を促していきます。
ファシリテーションのコツ:参加者が主役
ファシリテーターの根本的な姿勢があると思います。それは、「自分が場を盛り上げるのではない」ということです。
読書会を開催し始めた当初は、参加者に価値を感じてもらおうと躍起になっていました。知識を沢山身につけて、「なるほど!」と唸るような話ができれば、満足度が高まると考えていたのです。
ところが、知識を増やしてトークを増やしても、ある時点から限界が見えてきました。話しても話しても満足度が上がらないのです。
「こんなに価値のあるコンテンツを提供しているのに何でだろう」と悩みました。
そして、ある時、自分の間違いに気づきました。
「コンテンツを提供」するのではなく、「コンテンツを共創」するのが読書会だったのです。
今は、その場に参加した人の価値を最大化して、最高のコンテンツを共創するのがファシリテーターの役割だと考えています。
「自分がどうにかしよう」とは考えないようになりました。なぜなら、参加者全員がコンテンツで価値の提供者だからです。全員で楽しい場を作っていけばいいからです。
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20代読書会の開催情報
日時:04月23日(土)09:30-12:00
参加者:24名(男性:16名、女性:8名 初参加:13名、リピーター:11名)
参加費:500円(会場での現金支払い)
会場:東京都中央区日本橋の公共スペース
アクセス:
東京メトロ半蔵門線水天宮前駅 6番出口 徒歩2分
東京メトロ日比谷線人形町駅 A2出口 徒歩5分
東京メトロ東西線茅場町駅 4a出口 徒歩10分
都営地下鉄浅草線 人形町駅 A5番出口 徒歩7分
20代読書会で紹介された本
スイッチ! 〔新版〕― 「変われない」を変える方法
著者:チップ・ハース、ダン・ハース
プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか
著者:P・F.ドラッカー
成功のコンセプト
著者:三木谷 浩史
7つの習慣ティーンズ
著者:ショーン・コヴィー
魔法の世紀
著者:落合 陽一
ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく
著者:堀江 貴文
一流の人はなぜそこまで、習慣にこだわるのか?
著者:小川 晋平、俣野 成敏
LEAN IN 女性、仕事、リーダーへの意欲
著者:シェリル・サンドバーグ
アルケミスト―夢を旅した少年
著者:パウロ・コエーリョ
自分の運命に楯を突け
著者:岡本 太郎
私とは何か――「個人」から「分人」へ
著者:平野 啓一郎
リーダー論
著者:高橋 みなみ
死ぬ気で働くリーダーにだけ人はついてくる
著者:早川 勝
20代読書会参加者の感想
自分の知らない世界・分野に触れられた。(23歳・男性)
色んな意見を聞けたのがすごく良かった。自分が読んだことのない本でも読んだことのある本でも、新たな視点を得られる。(27歳・男性)
久しぶりに参加しましたが、アットホームな雰囲気でした。(25歳・男性)
普段は接することができない分野の人の話が聞けた。(27歳・男性)
参加者が自分の言葉で説明していて棒読みではない。そして、ファシリテーターの技量が高い。(28歳・男性)
学ぶことが多い!自分のいる界隈では決して聞けない話、面白い視点を与えてくれる。(23歳・男性)
自分が普段手を出さないような本の話もたくさん伺えて、興味範囲が広がりました。(25歳・女性)