
20代読書会in東京の様子
何度か紹介されている福沢諭吉先生の学問のすすめ。でも、今回はあの名文句の続きを初めて知りましたので、シェアしたいと思います。
天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず
この言葉は、学問のすすめの中でも、最も有名な文言だと思います。意味は、人は生まれながらに不平等ではなく、平等だという意味ですね。
しかし!!これは、かなり大きな誤解です。
福沢先生は、「人は平等だ」と言いたかったのではないのです!主張は、もっと別のところにありました。
そもそも、原文では「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」と言えり。と書いてあります。つまり、天は人の上に…という言葉は福沢先生の言葉ではないのです。
これはアメリカ独立宣言からの引用だったのです。わたしは知りませんでした…
では、福沢先生は何を言いたかったんでしょうか?原書から引用したいと思います。
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」と言えり。
されば天より人を生ずるには、万人は万人皆同じ位にして、生れながら貴賎上下の差別なく、万物の霊たる身と心との働きをもって天地の間にあるよろずの物を資り、もって衣食住の用を達し、自由自在、互いに人の妨げをなさずして各々安楽にこの世を渡らしめ給うの趣意なり。
されども今広くこの人間世界を見渡すに、かしこき人あり、おろかなる人あり、貧しきもあり、富めるもあり、貴人もあり、下人もありて、その有様雲と泥との相違あるに似たるは何ぞや。
その次第甚だ明らかなり。実語教に、人学ばざれば智なし、智なき者は愚人なりとあり。されば賢人と愚人との別は、学ぷと学ばざるとによって出来るものなり。
少々長い引用となりました。150年以上前の文章で、読みにくいと思いますので、要点だけ現代語にします。
人は皆平等だと言われている。
でも、世の中を見てみると賢い人もバカな人もいるし、貧乏もいれば金持ちもいる。その差は雲泥である。これは、なぜか?
これは簡単なことだ。賢い人とバカな人の差は、学んでいるか学んでいないかで生まれるのである。
と、こんなことが書かれています。チープな日本語で申し訳ないです(笑)
ただ、ここまで読んでいただければ、福沢先生の言いたかったことも明らかだと思います。
福沢先生は、賢者になり、金持ちになり、社会的地位を手に入れるためには学問しかない。だから、一生懸命に学びなさいと仰っているのです。決して、人は皆平等だと言いたくて本を書いたのではないのです。
本のタイトルも「学問のすすめ」ですし、慶應義塾大学の創設者でもあるわけですから、納得の主張です。
20代学問のすすめとは?
この学問のススメの一節を聞いて、大前研一氏のインタビューを思い出しました。
以前にプレジデント社のインタービューで、時間の使い方について、こんなことを仰ってました。
1日24時間で睡眠時間8時間、食事その他で4時間を要するとして、1日で有効に使える時間は12時間。12時間×365日=4380時間。1年を振り返って、4380時間で意味のある時間の使い方がどれだけできているか。
会合や会食などに費やした時間で、自分が貢献した、勉強になった、ネットワークが広がった、など何らかの有意義な時間は5%もあればいいところだろう。
一言も発言の機会がなかったとか、お付き合いで出ただけとか、参加した意味がない会議や会合、つまり無駄に使った時間が50%以上ではないだろうか。どんなに忙しい人でも大体そんなモンだ。
そして、更にこのように続きます。
仕事のない土日。「自分はこういう能力を身に付けたい」「こういう活躍をしたい」という目標を持っている人にとって、まとまった時間が確保できる土日は一番肥沃な土壌だ。
そこでゴロ寝したり、漫然とテレビを見ているのは実にもったいない。「漫然」というのが一番いけない。漫然と過ごした時間は頭が働いていないし、スキル向上にも役立たない。働かない頭脳は1年後には確実に退化している。
ここでは、時間配分の重要性を説いていました。
1年通して、5%でも時間の投資ができていれば上出来である。その時間の確保ができるのは土日の時間なのだから、土日こそ将来の自分に投資すべきである。
まとめると、大前研一氏は、このようなことをおっしゃってます。福沢先生と通じるところがあると思います。時代は変わり、ツールも社会も大きく違いますが、賢人の考えることは本質的には変わらないものですね。
では、学びを通じて、何を得られればいいんでしょうか?
ビジネス力の磨き方の中で、大前研一氏が3つの能力を身につけるべきと言っています。
①先見力
②突破力
③影響力
この3つです。
先見力とは、勘やひらめきとは違う先を見通す力のことです。これは、社会や人よりも数歩先を考える訓練を繰り返すことで身につけることができるそうです。
そして、突破力とは目の前の壁(困難)を乗り越える力のことです。
どんなに手強そうな壁を目の前にしても決して弱音を吐かず、乗り越えていけと説かれています。そのためにも、まず何が壁であるのか?を定義することが重要です。なぜなら、壁の定義の仕方次第で解決策が変わってくるからです。見方を変えるだけで、盲点をつくような解決策も出てきます。
最後に、影響力です。
影響力は人種や国籍に関係なく身につけることができると言います。知識や情報を検証せずに仕入れていても影響力は身につくことはなく、考えの深さ、思考の質の高さによって得られるものだそうです。
ぜひ、みなさんも時間を投資して、3つの力を身につけてみてください。
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20代読書会in東京の開催情報
日時:06月07日(水)19:30-22:00
参加者:13名(男性:10名、女性:3名 初参加:5名、リピーター:8名)
参加費:500円(会場での現金支払い)
会場:東京都中央区日本橋の公共スペース
アクセス:
東京メトロ半蔵門線水天宮前駅 6番出口 徒歩2分
東京メトロ日比谷線人形町駅 A2出口 徒歩5分
東京メトロ東西線茅場町駅 4a出口 徒歩10分
都営地下鉄浅草線 人形町駅 A5番出口 徒歩7分
20代読書会in東京で紹介された本
理由
著者:宮部 みゆき
なぜかまわりに助けられる人の心理術
著者:メンタリストDaiGo
ビジネス力の磨き方
著者:大前 研一
きつねのはなし
著者:森見 登美彦
伝え方が9割
著者:佐々木 圭一
最高の結果を引き出す質問力
著者:茂木 健一郎
学問のすすめ
著者:福澤 諭吉
日本の論点2016〜17
著者:大前 研一
20代読書会in東京参加者の感想
読書習慣のモチベーションにしたい。(28歳・男性)
いろんな本を知るきっかけになっただけでなく、みなさんとのフリートークも面白かった。(24歳・男性)
初めてでしたが、とても楽しかったです。今度は概要から話そうと自分の話し方にも勉強になりました。(25歳・女性)
今まで読んだことのなかった作者の本を紹介していただいたことで、読みたいという気持ちが高まりました。(24歳・男性)