「成功者の告白」は経営のメンターだった!!

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成功者の告白

初版:2004年01月26日
出版社:講談社
著者:神田 昌典

「成功者の告白」成功には影がある

大きな成功を実現して行く過程では、確実に障害が降りかかる。成功だけを持ち逃げできない。私は単なる精神的な戒めとして言っているのではない。これは事実なのだ。私が確信できる理由は、短期間に急成長する会社経営者の多くの事例を見てきたからである。
自分でいうのは何だが、私はビジネスチャンスを見極め、売れる仕組みを組み立てることに関しては才能がある。今まで1万人を超える経営者にそのノウハウを教えてきた。その結果、ほんの数年で数多くの成功者を生み出してきた実績には自負を持っている。

zそうした成功者からの相談を受けているうちに、私はあるパターンの存在に気づいた。ビジネスの成長段階に応じて、どの会社でも同じような問題が勃発するのだ。とくにやっかいだったのは、成長が加速化すると家庭問題が頻発する点だった。

成功者の告白の冒頭には、このような記載があります。つまり、成功には影があるということです。

わたしは上記の文章を読んでシビれました。わたしも実際に、成功の過程で上記のような障害に見舞われた人を見ていたからです。

身の回りに成長企業の社長がいる方は、きっと共感していただけると思います。そして、本書ではさらに具体的に「成功の陰」が紹介されています。

・成功の頂点で大事故にあったり、病気になったり。さらに急死も。
・脚光を浴び、マスコミにもてはやされるなか、家族が事故や病気に。
・成功者として本を出版したとたん、会社の業績が急降下。
・カリスマ経営者の家庭は破綻。夫婦別居で、愛人がそこらじゅうに。
・投機で巨額な利益をあげたものの、事故や病気で若死に。

これらの話は例外であり、誰にでも起こることではないと思いたい。しかし例外にしては頻繁に起こりすぎる。成功者には影の部分が歴然としてあるのだが、マスコミではほとんど触れられていない。新聞・雑誌記事は成功者のビジネスにのみ光を当て、英雄像をつくりあげる。しかし仕事熱心な成功者のプライベートな部分に焦点を合わせれば、英雄像はとたんに色褪せる。

いかがでしょうか?

本書は小説調になっており、上記の障害ぶつかる主人公タクが、メンターである神崎からアドバイスをもらいながら成長していくストーリーです。

子供の問題、不倫・浮気、そして、経営課題について、本書からのアドバイスを紹介していきたいと思います。

「成功者の告白」子供の病気・問題


そして、このように夫婦関係が機能不全に陥ると、子供の出番になる」「なんで子供が関係するんですか?」

子供にとっては、家庭がすべてだ。家庭が居心地悪く、安全な環境じゃなかったら、自分が育つことができない。そこで夫婦仲を取り持とうとする。

できるだけ簡単に言うよ。子供は、いい子か悪い子になろうとするんだな。子供が二人いる場合には、ひとりがいい子になり、ひとりが悪い子になる。いい子は、親のいうことを何でもよく聞き、優等生になることで、家庭のヒーローになる。そのことで家族の絆を取り戻そうとする。一方、悪い子は暴力をふるったり、病気になったり、事故にあったりする。そうなれば、夫婦が協力して問題に立ち向かうからね。こうして夫婦の絆を回復するように働きかける」

「成功者の告白」不倫・浮気問題


経営者の恋愛が起こりやすい時期がある。何千人もの経営者と接していると、同じパターンが見えてくるんだ。恋愛が起こりやすいのは、成長期の前半なんだ

タクは、成長期の前半に恋愛が起こりやすいとは、さすがにどの経営の教科書にも書かれていないだろうと思い、いったい何が明かされているのだろうと期待した。

「成長期の前半に恋愛が起こりやすい理由はね、英雄、色を好むっていうだろう。そこにヒントがある。性的なエネルギーと創造のエネルギーの根源は一緒だ。考えてみれば、愛があるから、子供が生まれる。つまり愛があるから、創造されるというのと同じだ。創造性を発揮しているときには、同時に性的エネルギーも高まるわけだ。だからタクも何かを生み出そうとしているときには、性欲が高まるんじゃないか?」

「成功者の告白」経営のシステム化

読書会
家業から企業に変わろうとすると、そこからは何が違うのでしょう

「まったく違うルールになる。今までは好きなことを一生懸命やっていればよかった。ところが規模が大きくなって、社員数が増えてくるだろう。家業の段階では社長の目が行き届いたし、問題が起こっても社長が出て行けば解決された。ところが人数が多くなってくると、社長が当たり前だと思っていたことが現場に浸透せず、まったく見当はずれなことが行われるようになる

「うちの会社でも、そういうことがあります。これまで納期を守るのが当たり前だったのに、守れなくなる。荷物を配達するときも、納品物のチェックが甘くなる。営業でも、相手の条件を全部聞き出してから見積もりをつくるのが当たり前だったのに、売らんがためにとにかく見積もりを出してしまう。なんでこんな単純なことができないのか、と怒りたくなることばかりです」
——

こうした家業と企業の境目が、年商10億円前後でくるそうです。そのため、日本の多くの企業が年商10億円以下にとどまっていると書かれていました。

そのときに、どうすればいいんでしょうか?

答えは、経営のシステム化にあります。ただし、システム化といっても、システムを導入すれば解決するということではないようです。

システム導入のようなハード面のシステム化だけではなく、ソフト面のシステム化が必要なのです。ソフト面でのシステム化とは、顧客や社員の感情面のことをいっています。

家業では社長一人がレベルアップして引っ張っていけば、売上が伸びてしました。ところが、企業になると、そういうわけにはいきません。

社員全員がレベルアップして会社の目標に向かって成長できるようにしていく必要があります。そのために、社員がプラスの感情を持ち、感情的なつながりを持てるようにしていくのです。それが、ソフト面でのシステム化です。

「成功者の告白」能力のない社員

20代読書会_失敗
「車内が混乱したときに、能力が社員のクビを切って、優秀な社員を集めるというオプションもあるんじゃないですか?」

タクは、優秀な人間をとっとと雇えというリョウの考えに対する、神崎の意見を確認したかった。

社員は社長の鑑というだろう。会社には、社長の足りないところを顕在化させるために、問題を起こすのに最適なメンバーが集まっている。だから、その働く場自体を向上させていかなければ、いつになっても同じ問題の繰り返しになるんだ。
また、能力がないからさっさとクビを切るという文化を会社がもってしまえば、こんどは、会社が十分なボーナスをくれなければさっさと辞めるという、相手から奪うという文化を会社のなかに構築することにもなる。もちろんスタイルの違いだからと反論はあるだろうが、私は他人から奪うことを文化として持っている会社が、発展するとは思えないな」

20代読書会_成功者の告白

初版:2004年01月26日
出版社:講談社
著者:神田 昌典

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