「アドラーに学ぶ部下育成の心理学」で、主体性の育み方がわかった!!

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アドラーに学ぶ部下育成の心理学

初版:2014年08月18日
出版社:日経BP
著者:小倉 広

アドラーに学ぶ部下育成の心理学は、こんな人にオススメ

1.嫌われる勇気を読んだが、活かし方がわからない人
2.部下に主体性がないと嘆いている人
3.育成とは、①褒める、②叱る、③教えることだと考えてる人

アドラーに学ぶ部下育成の心理学の内容

1.アドラー心理学を育成に応用して解説

アドラーに学ぶ部下育成の心理学で、主体性の育み方がわかった!!

この本は、タイトルに惹かれて手に取った…わけでは、ありません!!

もし、書店で見かけたり、Amazonのおススメで出てきたら、絶対に読まなかったでしょう。

なぜなら、「アドラーに学ぶ…」と見た瞬間に、「嫌われる勇気ブームに乗ろうとしてるな」と思ってしまうからです(笑)

以前に読んだ小倉広氏の「任せる技術」が非常によかったので、本書も読んでみました。そして、本書も素晴らしい内容でした。
任せる技術
わたしは本書を読んで、主体性を育む方法がわかりました!

相手が主体的に行動し、成長するって育成の究極形です。なので、とても貴重な教えだと思います。

そこで、まず最初に質問したいことがあります。

人を育成する際に、大前提となる大切なことってなんだと思いますか??

リーダーシップとは「集団を一定の方向へ導く影響力」のことです。そして、リーダーシップの源泉には信頼関係がある。つまり、上司を信頼している部下は上司の影響力を受け入れ、言うことを聞きます。しかし、上司を信頼していない部下は影響力を拒絶し、上司の言うことを聞かなくなります。
信頼関係が希薄な場合、上司の言ってることが正しいかどうかは意味を持ちません。たとえ正論であっても、部下は上司の言葉を疑ってかかります。逆に、きちんとした信頼関係がある場合は、上司が無理難題を言ったとしても、部下は、「この人が言うことなら、間違いはない」と善意に解釈します。つまり、上司は部下から信頼をされていないとリーダーシップを発揮することができない。信頼関係はそれくらい大切なのです。

そうです。育成の前提は、信頼関係です!
読書会
ここでは、リーダーシップと書かれていますが、育成でも同じことです。

そして、アドラー心理学では、育成に3つのタブーがあります。

①褒める ②叱る ③教える、この3つです。

はい、書き間違えではありません。この3つは育成におけるタブーなのです。

では、一体なにをすればいいんでしょうか?

アドラー心理学では、2つのことを通じて人を育成します。

1.勇気づけ
2.結末を体験させる

この2つが、相手の主体性を育む究極の育成方法なのです。どういうことなのか、1つずつ見ていきましょう。

まず、勇気づけに関してです。本書では、こう書かれています。
読書会

誰もが劣等感を持っており、それを乗り越えるために建設的な努力をする人と非建設的な行動を取る人の2つに分かれる。その分かれ目こそが「勇気の有無である」とアドラーは指摘しました。
勇気とは大声を出して相手を威嚇することではありません。「困難を克服する活力」を勇気と呼ぶのです。劣等感を乗り越えることも困難の1つです。また人生は仕事の課題、交友の課題、異性や家族との課題など、困難の連続です。人は勇気が欠乏すると問題行動に逃げ込み、勇気が補充されると自らの意思で問題に正面から向き合い、乗り越える努力をするのだ、とアドラー心理学は考えます。そして、アドラー心理学の教育では「勇気づけ」を1つの柱として考えています。

そして、こう続きます。

この勇気づけの考え方も、人材育成にそのまま活用することができるでしょう。上司や先輩が部下や後輩に対してすべきことは、勇気づけなのではないでしょうか。ほめること、叱ること、教えることはすべて勇気づけとは反対の「勇気くじき」になる、とアドラー心理学では考えます。勇気づけとは、相手が自分の力で自発的に困難を克服するよう、応援することです。人は誰もがよくなるために努力をする。それを助けるのです。

続いて、育成の2つ目である結末を体験させるです。
20代読書会_失敗

アドラー心理学が教える子育ての1つに「結末を体験させる」という方法があります。
たとえば、いつも夕食の時間に遅れてきて母親の手を煩わせる子どもがいたとしましょう。その際にアドラー心理学では、遅れてきた子どもには食事を出さなければよいと考えます。お腹がすいた子どもは、次から遅れないように自分の意思で早く食卓につくようになるでしょう。
その時、大切なことがあります。あらかじめ、時間に遅れたら食事を出さないという約束を子どもとしておくこと。そして、遅れてきた子どもに対して、決して嫌味を言ったり、叱ったりしないことです。食事を出さないことが子どもに対する「罰」ではなく、社会の当たり前のルールであることを理解してもらうことが必要なのです。

そして、こう続きます。

このように「結末を体験させる」ことを通じて、経験から学ばせることをアドラー心理学では重要視しています。答えを押しつけたり、手取り足取り教えるのではなく、結末を通じて学び取ってほしい。それがアドラー心理学の考え方です。上下の関係ではなく、対等な横の関係。相互尊敬と相互信頼に基づき、相手の「気づく力」を信じて待つ。それこそが「結末を体験させる」という人材育成の方法です。

分かっていただけたでしょうか?

褒める、叱る、教えることは、相手をコントロールすることになるというのです。そのため、褒める、叱る、教えるでは、相手の主体性が育まれません。

そこで、相手の主体性を引き出すために、勇気づけをします。そうすると、勇気を持って困難に立ち向かうようになります。

もちろん、そもそも根底に主体性がない場合もあります。

その場合は、相手に結末を体験させます。本人が結末を体験して痛い目を見て、気づくのを待つというのです。

では、主体性が引き出されて、困難に立ち向かっているが、上手くいかないという場合はどうすればいいのでしょうか?

その場合も、もちろん教えてはいけません。が、リソースを補給するということ推奨しています。

「教えない」部下育成の基本形である支援応需の具体策の1つに「リソースを補給する」というものがあります。リソースとは、資源のこと。通常、経営の4つの資源といえば、ヒト、モノ、カネ、情報です。部下に対するリソースの補給とは、4番目の情報のこと。すなわち、知恵や知識という資源を部下に補給することにより、自分の力で問題を解決できるよう支援するのです。
これは知的リソースの補給であると同時に心のリソースの補給にもなるでしょう。つまり、先が見えずに不安を感じている部下に対する勇気づけになる。何度も述べてきたように、勇気とは困難を克服する活力のことです。解決策が見つからずに悩んでいる部下は、行き詰まりだけでなく、不安や恐怖も感じていることでしょう。そこにヒントを与えるリソースの補給は、気持ちを楽にするクスリにもなるのです。

はい、以上です。

この小倉広氏の著書は面白いです。わたしも、これから複数読んでみようと考えてます。人材育成に興味のある人は、ぜひ読んでみてください。

アドラーに学ぶ部下育成の心理学

初版:2014年08月18日
出版社:日経BP
著者:小倉 広

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