「LIFE SHIFT」で、100年ライフの課題が明確になった!!

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LIFE SHIFT

初版:2016年11月03日
出版社:東洋経済新報社
著者:リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット

LIFE SHIFTは、こんな人にオススメ

1.ミレニアル世代の人(1980年~2000年生)
2.ミレニアル世代と仕事をしている人
3.将来になんとなくの不安がある人

LIFE SHIFTの内容

1.平均寿命が100歳を超える長寿時代に突入している
2.100年ライフの到来による社会の変化
3.100年ライフを生き抜くための方法

LIFE SHIFTで、100年ライフの課題が明確になった!!

はい、問題です。

1987年生まれの日本人は、平均的に何歳まで生きるでしょうか?

答えは、102歳です。

もちろん、1987年以降に生まれた日本人の平均寿命は、もっと長くなります。本書の冒頭にも、このようなことが書かれていました。

平均寿命というきわめて重要な基準で日本は世界のトップに立っている。100歳以上の人は、すでに6万1000人以上。今後、100歳を超えて生きる人はもっと珍しくなくなる。
国連の推計によれば、2050年までに日本の100歳以上の人口は100万人を突破する見込みだ。2007年に日本で生まれた子供の半分は、107年以上生きることが予想されている。いまこの文章を読んでいる50歳未満の日本人は、100年以上生きる時代、すなわち100年ライフを過ごすつもりでいたほうがいい。

この一節を読んで理解したことがあります。それは、日本は高齢社会とよく言われます。しかし、その背後にもっと本質的な問題が潜んでいたということです。
20代読書会_高齢社会
それは、日本は長寿社会になっている、ということです。

長寿化は世界的なトレンドですが、これは将来起きることではありません。すでに起きていることです。

その結果、個人の人生設計も大きな変化が余儀なくされています。世界で最も権威あるロンドン大学ビジネススクールの教授が、このように述べています。

しかし、最も大きく変わることが求められるのは個人だ。あなたが何歳だろうと、いますぐ新しい行動に踏み出し、長寿化時代へと適応を始める必要がある。長く生きる人生に向けて準備する責任は、結局のところ私たち一人ひとりの肩にかかっている。問題は、多くのことが変わりつつあるために、過去のロールモデルがあまり役に立たないことだ。あなたの親の世代に有効だったキャリアの道筋や人生の選択が、あなたにも有効だとは限らない。あなたは、親の世代とは異なる選択をすることになる。やがて、あなたの子どもたちも、あなたの世代とは違う決断をするだろう。
人生の道筋に関する常識は、すでに変わりはじめている。日本でも、終身雇用が当たり前ではなくなった。

なぜ、親世代と異なるキャリア選択が必要なのでしょうか?

このことが、ピンとこない人もいると思います。その方のために、紙とペンを用意して解いていただきたいワークを用意しました。

本書の中で、出てくるワークです。

著者たちはロンドン・ビジネススクールのMBAプログラムの授業で100年ライフについて話すとき、学生たちに自分の人生のシナリオを考えさせる。学生たちの頭に真っ先に浮かぶのはお金の問題だ。そこでこう尋ねるー「100歳まで生きるとして、勤労時代に毎年の所得の約10%をチョッチくし、引退後は最終所得の50%相当の資金で毎年暮らしたいと考える場合、あなたは何歳で引退できるか?」
この場合は80代まで働くことが求められる。教室は静まり返る。長寿化の恩恵に最大限に限浴したければ、70代、ことによると80代まで働かなくてはならない。それが厳然たる事実なのだ。

はい、せっかくなので解いてみましょう。
educational-technology
年収に変動があると、複雑になるので一定と仮定して解いてみましょう。

年収:700万
勤労:25歳スタート
貯金:毎年70万(年収の10%)
老後:350万/年(年収の50%)
寿命:100歳

という条件のとき、何歳まで働く必要があるでしょうか?

引退をX歳とします。そうすると、以下の数式が成り立ちます。

70万×(X歳-25歳)=350万×(100歳-X歳)
X-25=5(100-X)
X-25=500-5X
6X=525
X=87.5

つまり、定年は87.5歳です。
20代読書会_悩み
見たくない現実を突きつけられた気がします。著者は、この定年87.5歳という数字に対して、厳然たる事実と述べているわけですから。

こうした100年ライフを旧来のキャリアと比較すると、以下のような図式で表すことができます。

  • [旧来キャリア] 教育(20年)=>労働(40年)=>老後(10年)
  • [100年ライフ] 教育(20年)=>労働(70年)=>老後(10年)

労働が70年…?長すぎる。

その上、さらに悲しい事実があります。それは老後の10年です。旧来キャリアは年金と医療保険が万全でしたので、老後の生活費と医療費は国が負担してくれていました。

しかし、高齢化率の上昇により、100年ライフにおいては老後の年金も医療保険もありません。自腹で払う必要があるのです。

さらに、この時代に最初の20年で教育を受けて、その教育で培った知識・スキルで70年も働き続けることは無理です。5年前の最新情報ですら、古びていくほど変化の激しい時代なわけですから。

そのため、著者はリクリエーション(娯楽)ではなくリ・クリエーション(再創造)が必要だと述べています。

これまでの典型的な余暇の過ごし方は、ソファで映画を見たり、海でセーリングをしたり、コンピュータゲームをしたりして時間を消費することだった。しかし、寿命が延びて増えた余暇時間は、投資のために使うべきだ。人生が短かった頃は、余暇をもっぱらリラックスのために用いるのが理にかなっていたが、人生が長くなれば、余暇は、新しいステージに向けて自分を再創造するための投資の時間にもなる。100年ライフの恩恵の一つは、余暇時間の使い方を見直し、消費とリクリエーション(娯楽)の比重を減らして、投資とリ・クリエーション(再創造)の比重を増やせることなのかもしれない。

その結果、ミレニアル世代の行動には他の世代とは、異なる特徴があります。

ミレニアル世代の行動が年長世代と大きく異なる理由は、この点にある。世代による行動様式の違いを生んでいる要因は、誕生年の違いではない。それは、「ミレニアル世代だから」「Y世代だから」といった怪しげな世代論で説明すべきものではないのだ。その真の要因は、寿命が延びていることだと、著者たちは考えている。この世代は、無責任だとか、権利意識が強すぎるなどと批判されることが多い。しかし、そうした行動は明らかに、人生という長旅を始めるにあたって自己意識に投資しようとする姿勢なのである。ミレニアル世代は、人生のさまざまなステージと移行期間の構成を決めるうえで、自己意識が非常に大きな意味をもつとよく理解しているのだ。

わたしもミレニアル世代と言われる年齢です。しかし、なぜ今までのレールに違和感を感じるのか明確ではありませんでした。

しかし、本書を読んで、ようやく明確になりました。オススメの良書です。

20代読書会_life-shift

初版:2016年11月03日
出版社:東洋経済新報社
著者:リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット

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