「教える技術」で、2:8の8の人でも成果を上げられるとわかった!!

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教える技術

初版:2015年01月19日
出版社:かんき出版
著者:石田 淳

マンガでよくわかる 教える技術は、こんな人にオススメ

1.もっと部下を成長させたいと思っている人
2.できない人は、どうせできないと思っている人

マンガでよくわかる 教える技術の内容

1.「教える」とは何か?
2.教え方を体系化して解説

 教える技術で、2:8の8の人でも成果を上げられるとわかった!!

部下を育成できない上司は、仕事ができない上司です。

それは、任せる技術のレビューでも書きましたが、上司の仕事には部下の育成が含まれているからです。

ここで、ある疑問が生まれました。育てることと表裏一体の「教える」とは、一体なんだろう?ということです。

「教える」とは?

こう聞かれて、パッと正確に答えられる人は少数だと思います。答えが、本書に書かれていました。
読書会

ビジネスだって同じ。すべての結果は社員の「行動の集積」によるものです。
思ったような結果が得られていないのなら、結果にいたるまでの社員の行動を変えればいいだけのこと。やるべきことは、いたってシンプルです。
間違った行動をしているのなら、それを「望ましい行動(=成果につながる行動)」に変える。
成果につながる行動を実行していないのであれば、その行動を具体的に教えて実践させる。「望ましい行動」が増えれば、結果は必ず改善していきます。

はい、「教える」とは?の答えがわかりました。

教えるとは、「間違った行動」→「望ましい行動」に変えることです。場合分けして考えると、こうなります。

  • 望ましい行動をしていないなら、その行動ができるまで教える
  • 行動が間違っていれば、それを正しい行動へ変えさせる
  • 望ましい行動ができているなら、その行動をさらに実行し続けさせる

ここで重要なポイントは、「行動」に着目している点です。なぜなら、行動分析学によると人間の行動には一定の法則があるからです。

つまり、行動分析学にもとづいて「教えた」結果には、再現性があるようなのです。

「行動科学マネジメント」のもとである”行動分析学”とは心理学の一分野で、文字通り人間の「行動」を研究する学問です。その目的を大まかに表現すれば「(その人が)その行動をしているのはなぜか?」「その行動をさせるにはどうすればいいか?」を解明すること、と言えるでしょう。
行動分析学で示されている理論や法則は、すべて数々の実験結果から導き出された科学的なもので、再現性があります。つまり「いつ・誰が・どこで」やっても、同じ結果が得られるということです。ですから、行動分析学に基づいている「行動科学マネジメント」も、当然のことながら、正しく実践すれば誰でも着実に成果を出すことが可能です。

これは、素晴らしいです。とても可能性を秘めた一節だと思います。

本書でも書かれていますが、すべては20:80に分かれます。
読書会

例えば、20%の優秀な営業マンが80%の売上を作り、80%の普通の営業マンが20%の売上を作っているということです。有名な話ですね。

もちろん、20%の優秀な営業マンには「教える」必要はないです。なぜなら、すでに優秀だからです。

しかし、上司が頭を抱えるのは残りの80%の普通の営業マンの存在です。この80%の普通の営業マンが何とかなれば…と、みんな悩んでいるのです。

ところが、上記の一節によると、その80%の営業マンであっても人間である以上、優秀な営業マンと同じ結果を得られるようになると言うのです。

ここに、「教える」可能性が秘められています。

では、一体どうやって教えていけばいいのでしょうか?その第一歩は、こう書かれています。

仕事を教えるときに必ずやっていただきたいのが、教える内容を「知識」と「技術」に分類することです。
「知識」とは、聞かれたら答えられること。
「技術」とは、やろうとすればできること。
これを具体的にイメージするには自動車教習所を思い浮かべていただくといいでしょう。そこではカリキュラムを「学科教習」と「技能教習」にはっきりと分けていて、それによって教える側も教えられる側も、”今は知識を学ぶ時間だ””今日は技術を習得しよう”というように意識し、効率よく学ぶことができます。

なるほど。確かに、その通りです。

教える側が、教える内容を知識と技術に整理して教えていかなければなりません。そして、当然ながら知識と技術では、教え方も異なります

知識の場合は、正確に回答できるように教えていく必要があります。また、技術の場合は、実践できるように教えていく必要があります。

でも、この教えるってことが、そう簡単じゃないんだよな…

と嘆いている方、多いのではないでしょうか?

とくに技術の場合は、大変です。知識は定期的にチェックすれば、だんだん記憶が定着していきます。

ところが、技術となると…。本人の意欲に左右される部分が大きいから、と教えることを諦めている人もいると思います。

実は、わたしも本書を読むまで、そうでした。やる人は自分で勝手に成長するし、やらない人は教えてもやらないしな、なんてことを考えてました。

しかし、どうもそうではないようです。本書には、こんなことが書かれていました。

ビジネスでも、”この行動を継続すれば、必ず売上が上がる”と頭では理解しても、すぐに”いい結果”がえられるわけではないので、続かない…
そこで「行動」の直後に「望ましい結果」、すなわち”ごほうび”を与えるというのが、行動科学マネジメントの考え方です。
(中略)
このように、何かの「行動」に対して”ごほうび”を与えることを、行動科学の世界では「強化」と呼び、「強化」することによって「行動」の頻度が増えることは、数多くの実験によって立証されています。
では、ビジネスマンにとって最高の”ごほうび(強化)”は何でしょうか?答えは「上司からほめられること」「上司から認められること」です。

読書会
そうだったのか!

すごい発見をしたという想いとともに、今までうまく教えられていなかったことへの反省の気持ちが湧いてきます。

この一節が言っていることは、教えられた行動を継続できないのはやる気の問題ではない、ということです。教えられた行動が継続できないのは、すぐに望ましい結果が得られないから、なのです。

例えば、営業マンが毎日アポに行くことを教えられたとしましょう。

この場合、望ましい行動は「毎日アポに行く」ことです。しかし、多くの普通の営業マンは、この行動を継続できません。

なぜなら、望ましい結果がすぐには得られないからです。この例えで言うと、望ましい結果とは「契約」を取ることになるでしょう。

その結果、1週間も行動を継続すると、だんだん「毎日アポに行く」ことが嫌になってきます。そして、1ヶ月もすると、大半の人はこの行動を継続できなくなるのです。

ここで、上司の仕事が待っています。

それは、この営業マンを褒めること、認めることです。1日でもアポに行ったら、「よくやった」と認めてあげるのです。3日継続できたら、そのことを認めてあげ、1週間、2週間、1ヶ月とことあるごとに褒めてあげるのです。

そうすると、「毎日アポに行く」ことが当たり前のことになり、本当に「契約」も取れるようになります。

望ましい行動を1回でもできた人を認めること、褒めること、それも教えることの一環なのだと気づかされました。

そして、最後にこのようなことが書かれていました。

「プロンプト」とは、正しい行動が起きるように補助してあげること。
自転車の補助輪やプールで使うビート板も、正しい自転車の乗り方や泳ぎ方を身につけるためのプロンプト(補助)だと言えるでしょう。
一方の「フェイディング」は、最終的にプロンプトなしで正しく行動できるよう、徐々にプロンプトを外していくことを指します。
幼児の自転車に補助輪をつけているのはなぜでしょう?補助輪つき自転車をかっこよくのりこなせるようになるため?もちろん目指しているのは、補助輪なしで自転車に乗れるようになることですよね。
こういう例え話をすると「当たり前ですよ」と大笑いするのに、職場では補助輪をつけたまま部下を走らせ続けている上司が少なくないのです。

うーん。おっしゃる通りです。これは任せる技術に、体系化されて書かれていた部分だと思います。

任せる技術はリーダー教育、教える技術はメンバー教育という感じがします。自身の教え方を反省しました。

教える技術

初版:2015年01月19日
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著者:石田 淳

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