「任せる技術」で、人材育成のバイブルが見つかった!!

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任せる技術

初版:2011年01月24日
出版社:日本経済新聞社
著者:小倉 広

任せる技術は、こんな人にオススメ

1.仕事を抱え込んでいる人
2.忙しくて教える時間がない人
3.自分でやったほうが早いと思っている人
4.失敗の責任を負うのが嫌な人

任せる技術の内容

1.任せて人を育てる技術
2.任せ方を7ステップに体系化し、解説

任せる技術で、人材育成のバイブルが見つかった!!

久しぶりに、バイブル本に認定です!!

わたしは、各分野で何度も読み返したい本をバイブル本と呼び、ストックしています。営業なら、この本。ライティングなら、あの本、と。

そして、人材育成のバイブル本がついに見つかりました!!それが「任せる技術」です。

まず、なぜ「任せる技術」が人材育成なんでしょうか?その疑問に答えたいと思います。

本書では、こう書かれています。
読書会

「任される」ことで初めて「失敗」を経験し、「失敗」により人は多くを学ぶのだ。「失敗」すれば痛みが伴う。その時に初めて人は「失敗したくない」と心から思う。「うまくできるようになりたい」と切望する。つまりは、うまくやるための方法という「水」を求めて「喉が乾く」のだ。
そして様々な「試行錯誤」を行う。自分の頭で考えて「工夫」する。やがてうまくいくやり方を見つける。そこで見つけた方法をゴクリと飲み干すのだ。そうして全身にそれをしみ渡らせる。それを繰り返すことにより体で覚えていくのだ。

つまり、人は任せられて失敗し、そこで初めて成長するのです。そのため、人を成長させるには、任せることが必須なのだということです。

だから、任せる技術が人材育成になるのです。

でも、なかには人材育成なんて、まだ自分の仕事ではないと考えている人もいるのではないでしょうか?

しかし、本書では部下が一人でもいる人は、任せることが仕事であると説いています。

任せることができない上司は、部下の仕事を自分で抱え込む。そして年がら年中「忙しい、忙しい」と額に汗をかく。自分は人一倍仕事をしている。そう思い込んでいるのだ。
しかし、経営者から見るとその上司は「仕事をしていない」に等しい。つまりは本来の上司の仕事をしていない。部下の仕事を上司が奪っていることにしかならないからだ。
経営者からすればこれは大いなる損失だ。部下よりも給与の高い上司が部下の仕事をしているのだ。その分部下が楽をしている。これが損失でなくて何であろう。しかも、上司は上司としての仕事に一切手がつけれれていないことになる。これでは明るい未来はない。

読書会
忙しい、忙しいと嘆いている上司は上司としての仕事をしていない。とても耳が痛い言葉です。

では、一体、上司の仕事って何なんでしょうか?

そもそも部下の仕事とは、「今日」の食いぶちを稼ぐことにある。一方で上司の仕事とは、「今日とは違う明日」をつくることである。例えば、業務フローを標準化し改善する。営業戦略を立案して実行する。未来のビジョンを策定し部下を勇気づける。部下育成をする。これまでとは違うやり方を示し、より良い未来へ踏み出すのだ。

はあ、なるほど!!初めて、スッキリ理解できました。

部下の仕事:今日の食いぶちを稼ぐこと(目の前の売上をあげること)
上司の仕事:今日とは違う明日をつくること(5年後、10年後の売上をあげること)

そのため、上司として部下に任せて育てることは仕事になるのですね。はっきりと分かりました。

そして、本書の素晴らしい点は、その人に任せる技術を体系化しているところにあります。人に任せる重要性のみを説いて終わりではないのです。

もちろん、具体的なHow toは本書を読まなければ分かりません。なので、ここでは人に任せる7ステップの概要のみ紹介します。

人を育てる任せ方 7つのポイント

①ムリを承知で任せる

任せる、と決めた以上、まずは任せることを「始め」なくてはならない。しかし、多くの上司は「まだまだ任せるわけにはいかない……」と「始める」ことを保留するのだ。それでは任せることなど一生できない。ムリを承知で任せるのだ。

②任せる仕事を見極める

とはいえ、任せる仕事の見極めを間違ってはならない。ムリして任せるからといって必要以上に手加減をしすぎ、作業だけをやらせてはいけない。責任を伴ってこそ初めて作業は仕事になる。また、組織の要リーダーの選任を軽はずみにしてはならない。

③任せる。と伝える

「頼むからやってくれ」。こちらから頭を下げて引き受けてもらってはいけない。仕事のやりがいだけでなく苦労やつらさを伝えた上でなお自分の意思で決断するよう求めるのだ。あらゆることは最初が肝心。伝え方にもデリケートさを必要とする。

④ギリギリまで力を発揮させる

任せた以上、目標達成を求めなければならない。「ムリを承知で任せたのだからできなくても仕方ない」。上司がそんな気持ちでいるならば部下は成長するはずもないだろう。しかし、求めながらも相手をプロとしてリスペクトする、そのバランスが大切だ。

⑤口出しをガマンする

仕事を任せる目的が「人材育成」である以上、上司はガマンして手を貸さないようにしなければならない。手を貸してしまった瞬間に部下の主体性は失われる。思考放棄、責任放棄を催促してしまうのだ。上司がガマンする。ここが一番肝心なポイントだ。

⑥定期的にコミュニケーションする

任せたからといって放ったらかしにするのは間違いだ。部下の隣を伴走しながら、励ましアドバイスを送る。そのためには定期的に面談などをするのが効果的だろう。その際に、勢い余って上下関係で命令してはいけない。力加減の妙が求められるだろう。

⑦仕組みをつくって支援する

いくら面談などコミュニケーションで支援するとはいえ、それだけではサポート不足だ。徒手空拳(手に何も持たないこと)で空回りさせないよう、武器を渡し環境を整えてあげることも大切だ。お膳立ては上司の仕事。その上で部下の創造性を発揮させるのだ。

わたしも、この7ステップを見返しながら、人を育てていきたいと思います。

そして最後に余計かもしれませんが、一言付け加えておきます。人の育て方を解説してきましたが、中にはこう思う人もいるかもしれません。

・人を育てなくても仕事のできる中途を採用すればいいんじゃないか?
・育てるといっても、そもそも見込みのある人材がいない

しかし、本書では、そういう考え方に、このような回答をしています。

スーパーマンがいなければ勝てない。スーパーマンがいれば勝てる。それはリーダーが自らの存在価値を否定しているに等しい発言だ。平凡な部下を組合せ、育て、やる気を高め、非凡なる成果をあげる。それこそがリーダーの役割であり醍醐味なのだ。
「任せたくても任せられる部下がいないよ」
そう言って嘆く前に、僕たちリーダーは考え方を変えなくてはならないのかもしれない。

任せる技術

初版:2011年01月24日
出版社:日本経済新聞社
著者:小倉 広

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