
初版:2015年06月16日
出版社:現代書林
著者:喜多川 泰
書斎の鍵は、こんな人にオススメ
1.読書の習慣を身に付けたい人
2.読書の価値を知りたい人
書斎の鍵の内容
1.ある男性が読書の価値に気づき、目覚めていく小説
2.その小説の解説
書斎の鍵で、読書が人生を変えると知った!!
あなたは夢を叶えたら、幸せになれると思いますか?
何を当たり前の事言ってるんだ?と思われると思います。ところが、実は、夢を叶えたら不幸になった、ということがあります。そして、その原因は「夢」にあります。
本書から、その原因を引用します。
卒業文集には、子どもたちが語る「将来なりたいもの」が並びます。
学校の先生、プロ野球選手、ダンサー、お医者さん、看護師、国連の職員…。それを見てもわかるように、ほとんどの子どもたちにとって、「夢を持つこと=将来就きたい職業を選ぶ」ことです。
後に希望どおりの職業に就いた人を見て「夢が叶ったね」と大人たちも言っているわけですから、大人にとっても「夢を持つこと=就きたい職業を選ぶ」ことなのかもしれません。
でも、どんな職業も、その職に就くだけで幸せになれるものなどありません。「幸せな学校の先生」もいれば、「不幸な学校の先生」もいるのです。
さらに、このように続きます。
本来、夢とは、叶えたら必ず幸せになれるもののはずです。
ところが、職業を夢にしても、叶えたところで幸せになれるかどうかがわかりません。「ある職業に就く」という夢は、「目標」でしかないからです。
本来は、「目標」を定める前に「目的」があるはずです。「目的」とは、「自分はどんな人間になりたいのか。そのために、自分の人生を何に使うと決めるのか」という本質的な問いに対する答えです。
具体的な目標よりも前に、その土台となる人生の目的を自分で持っていないと、人生に対する不安ばかりが増えていきます。目標を達成すればするほど不幸になるというようなことも、起こったりします。
つまり、目的と目標を混同してしまうことが問題のようです。混同していると、夢を叶えたら不幸になるということが起きるそうです。
では、目的と目標ってなんなんでしょうか?
目的:どんな人間になりたいのか、自分の人生を何に使うのか
目標:職業
上記の引用部分には、このように書かれています。そして、目標とは目的(人生のゴール)に繋がる中間地点です。そのため、何よりも人生の目的を考えることが大切です。この人生の目的が定まっていないと、何をしても不幸になってしまいます。
そうは言っても、人生の目的を決めることは難しいです…。多くの人が、悩むところだと思います。
この難問に喜多川泰氏が、1つの答えを示してくださっています。
「自分の人生の目的を定める」、つまり「志を立てる」ために、必要欠くべからざる経験が一つあります。それは、誰かの人生に「魂が震える」経験です。
「自分もそう生きていきたい」「私もそうありたい」ー。
志を立てるために、「心から感じる人」の人生に触れ、共鳴するしかありません。鳴っている音叉に別の音叉を近づけたときのように、共鳴して心が震えれば、その人と同じエネルギーを自分の心に持つことができます。
ところが、魂が震えるほど強い志を持って生きている人とは、そうそう出会えるものではありません。今までの人生で何人の「魂が震えるほどの人」と出会ったかを教えてみると、一人もいないという方もきっと多いのではないでしょうか。
つまり、生きている間にそんな人に出会うのは稀なことなのです。もし仮に「魂が震えるほどの人」に出会っていれば、すでに志を持ち、その志を果たすために、自分の人生を使い始めていることでしょう。
そして、ここからが重要です。
実は、そういう「魂が震えるほどの人」たちとは本の中で簡単に出会うことができます。
昔からそうでした。志を持って生きた本の中の偉人たちも、当時の書物の中で「志ある人の人生」に触れ、僕たちと同じように書物の偉人に魂を震わせて、自らも志ある生き方をしたのです。
つまり、読書をすることで、人生の目的を定めることができるというのです。
わたしも思い返してみると、宮本武蔵や三国志を読んだとき、この魂が震える経験をしました。当時は高校生でしたが、その後の進路に大きな影響を与えてくれました。
「書斎の鍵」の中で主人公は、同じように読書を通じて魂が震える経験をしていきます。そして、人生の目的が定まると、人生を大きく変えて成功を手にしていきます。
読書が、人生の目的を決めるのに役立つとは知りませんでした。魂が震えるような読書を、これからも経験していきたいです。
書斎の鍵で、読書の本当の価値を知った!!
成功したい!!
わたしは、小さなときから成功に憧れていました。それは、せっかくなら後悔のない人生にしたいと思ったからです。
でも、才能のない自分にも、素晴らしい人生を手にすることができるんだろうか?と不安になることが多々あります。
皆さんは、どうですか?他人の才能に嫉妬することは、ないですか?
わたしは、あります。それに対して、喜多川泰氏は、このように述べています。
素晴らしい才能が、素晴らしい人生を保証するとは限らないのです。
つまり、人が人生で「手に入れるもの」は、生まれた環境からでも、持って生まれた才能からでもなく、別のもので決まっているということです。
それは習慣です。
素晴らしい才能が素晴らしい結果を引き寄せるとは限りませんが、素晴らしい習慣が素晴らしい結果を引き寄せることは、どの時代のどの国にでも成立する真理です。
僕たちが、自らの人生を素晴らしものにするために頼むべきは、生まれついた環境や持って生まれた才能といった、自分の努力では何ともできないものでもありません。
素晴らしい習慣こそが、自分の今日の行動を変え、人生を素晴らしいものにするのです。
なんと…!!
人生を決めるのは才能ではなく、習慣のようです。これは朗報です。なぜなら、習慣なら努力の世界だからです。努力であれば、自分の選択で素晴らしい人生を手にすることができます。
では、素晴らしい習慣には何が当てはまるんでしょうか?
喜多川泰氏は、素晴らしい習慣に「読書」を挙げています。
読書の習慣は、いま最も大切にされていない最も大切な習慣だと思います。
「読書の習慣がある会社員」と「読書の習慣がない会社員」では、知識の量、考え方の幅、人の心を理解する能力が大きく違います。自分の気持ちをリセットする能力や、「自分の機嫌は自分で取る」という自己管理能力も大きく違ってきます。これらが違うということは、目の前の人を喜ばせる能力が違うということです。つまり、出会う人を幸せにする能力が大きく違うことになります。
「読書の習慣がある人生」と「読書の習慣がない人生」では、人生で「手に入れるもの」に大きな違いが生まれ、その経験にも大きな差が生まれます。人生の深みや喜び、それらを感じる心の豊かさにも大きな差が生まれます。そればかりか、関わる人すべての幸福にも大きな影響を与えることになります。
いやあ、読書って本当に大切なんですね!
人生の目的と出会えるだけでなく、人生の深みや喜び、それらを感じる心の豊かさにまで育んでくれるとは…
読書の本当の価値を知ることができました。もっともっと多くの良書と出会えるよう読書をしていきたいと思います!!
皆さんも、ぜひ実り多き読書ライフを過ごしてください。
初版:2015年06月16日
出版社:現代書林
著者:喜多川 泰