
初版:2006年11月05日
出版社:大和書房
著者:アービンジャー・インスティチュート
自分の小さな「箱」から脱出する方法は、こんな人にオススメ
1.人間関係が辛い人
2.周りに嫌な友人、同僚、上司etcがいる人
3.ビジネス、人間関係、家庭生活をよくしたい人
自分の小さな「箱」から脱出する方法の内容
1.あらゆる人間関係の原因は、なにか?
2.その原因を解決するには、どうすればいいか?
自分の小さな「箱」から脱出する方法で、人間関係がラクになった!!
わたしにとって、この本は人間関係のバイブルです。
本当にガツンと頭を殴られたような衝撃を受けました。そして、実践することで、本当に人間関係がよくなっています。「嫌な人・合わない人」って必ずいますが、自分次第でこんなにも気持ちが違うのか?と驚いています。
本書は小説調で書かれていますが、最初に重要な概念が書かれています。それが、こちらです。
「組織の中にも同じような細菌が巣くっていて、みな、大なり小なりその細菌に汚染されている。その細菌がリーダーシップを台無しにし、さまざまな『人間関係の問題』を引き起こしているんだ。
しかし、その菌を隔離し、毒を消すことは可能だ」
「その細菌というのは、いったい何なんです?」
「さっき話していたことさ。自己欺瞞、あるいは箱だ。いや、正確には、自己欺瞞というのは病名であって、これからその原因となる細菌について学ぼうというわけだ。」
自己欺瞞(正当化)という病気が、様々な症状(人間関係の問題)を引き起こしているというのです。そして、この自己欺瞞(正当化)という病気を引き起こす細菌が、「箱に入ること」と本書では解説されています。(この「箱」については、本書で解説されています)
とにかく、本書では、このように説明されています。
(細菌)箱に入る
↓↓↓
(病気)自己欺瞞(正当化)
↓↓↓
(症状)すべての人間関係の問題
ただ、このメカニズムを理解しただけでは問題は解決しません。人は、これよりも、もっと根底にある、より大きな問題を抱えているようです。
「さっきの問題に戻ろう。
わたしは仕事に集中せず、ちゃんと関わろうとせず、見通しを把握することなく、他の人たちに迷惑をかけていた。これはすべて事実だし、問題でもある。大きな問題だ。
だが実は、もっと大きな問題がある。今日は、この問題について話し合いたいと思う」
わたしはバドの次の言葉を待ち受けた。
「もっと大きな問題というのは、
自分が問題を抱えているということが、わたしには見えていなかった、という点なんだ」
バドは言葉を切り、わたしのほうに見をかがめた。低く真剣な口調だった。
「たとえば、仕事に全力投球しないといった類の問題を解決するには、まず最初に、より大きなこの問題をなんとかしなくてはならない。
自分が全力投球していないという事実に当人が無自覚な現状をどうにかしなければ、問題は解決できないんだ」
この文章を読んだとき、「お前、問題があるんだよ」と、わたしに言われているような気がしました。
人々が抱えているより大きな問題とは、自分が問題を抱えていることに無自覚であること、なのです。この自覚がなければ、どんな人間関係の問題も解決しません。
そして、さらに、心に刺さることが書かれています。
「さて、人間誰しも、仕事をはじめるときには、君と同じように感じているものだ。ポストが見つかり、チャンスを与えられたことに、感謝している。その会社とそこで働く人たちのために、最善を尽くそうとする。
だが、一年後に同じ人間にインタビューしてごらん。多くの場合、彼らの気持ちは入社当時とはまるで違ってしまっている。同僚に対する感情も、奥さんに対するバドの感情と似たりよったりだ。かつては仕事に積極的に取り組み、関わろうとし、しっかりとしたモチベーションを持って喜んで働いていこうとしていた人々が、ふと気づけば、たくさんの問題を抱えているというわけだ。では、彼らはそういった問題が誰のせいだと思っているんだろう」
「自分以外の人間のせい、ボスや同僚や部下のせい、いや会社そのもののせいだと思っているわけですね」
「そうなんだ。しかし、そうでないことははっきりしている。誰かを非難しているときには、その原因は相手にではなく自分にある」
もう、ダメ押しのような言葉です。
皆さんも嫌いな人がいて、批判している人がいるときは、注意してください。皆さん自身も問題を抱え、原因を生み出しているのです。
そして、自分にも問題があるという自覚が、問題解決の第一歩となります。
さきほども書きましたが、「箱に入る」ことで病気になり、さまざまな症状に苦しむことになります。そして、この「箱」から出るには、自分の問題を自覚する必要があるのです。自分の問題に無自覚なまま、「箱」から出ることはできません。
人間関係の症状に苦しむ方、ぜひ本書を読んでみてください。病気を治す治療法が見つかると思います。
初版:2006年11月05日
出版社:大和書房
著者:アービンジャー・インスティチュート