売上=客数×成約率×単価
利益=売上ーコストと言われますが、最初の頃はとにかく売上が上がらないと、商売になりません。だから、まずは売上=客数×成約率×単価を考えます。
どうすれば客数を増やせるか?
どうすれば成約率を上げられるか?
よく、こんなに素晴らしい製品・サービスを思いついた!この製品・サービスであれば、商売上手くいくはずだ!ということを言う人がいますが、そうではありません。
なぜなら、「売上=客数×成約率×単価」の式の中に、製品力・サービス力という値はありませんよね?
金持ち父さん貧乏父さんの著者のロバート・キヨサキ氏が著書の中で、書いておりました。マクドナルドよりも美味しいハンバーガーを作ることができる人は、沢山います。でも、マクドナルドよりも売れるハンバーガーショップを作れる人はいない、と。
その通りですね。だから、製品力・サービス力があるからといって、商売が上手くわけではないのです。もちろん、製品力・サービス力が高いに越したことはないと思いますが。
売上を上げるには、どうしたらいいのか?
仮に、飲食店を営んでいると仮定して、商売を考えてみます。
売上を上げようと工夫するとします。
ところが、現代の日本では、まず単価は下がる一方ですよね。ありとあらゆる製品・サービスが価格競争で安くなっています。飲食店も、低価格でボリュームのあるお店や、美味しいお店が沢山あります。
そこで、客数を上げる工夫を考えます。1番思いつきやすいのは、広告を出すことではないでしょうか?
ネット媒体や雑誌媒体への広告です。きちんとターゲットに訴求できれば、非常に効果的だと思います。ところが、店舗を構えている以上、上限があります。
一気に、数百人が押しかけても、当然対応できません。何よりも、そんな広告費もかけられないですし…
次に思いつくのは、2号店を出すことです。店舗がもう1店舗あれば、対応できる客数も2倍に増えますし、売上も大幅にあがります。
一方で、リスクも死ぬほど上がります。もう1店舗作るわけですから、店舗設置コストや、水道光熱費・人件費などのランニングコストも2倍になります。
売上とリスクのトレードオフですね。
成約率を上げる工夫
最後に残っているのは、成約率です。成約率を上げるには、どうしたらいいんでしょうか?
店構えを良くして、「お、この店美味しそう。入ってみよう。」と思わせればいいんでしょうか?
もちろん、そうした成約率の上げ方もあると思います。「どう見ても、美味しくなさそう」という外観のお店も実際ありますしね(笑)
私が思う成約率を上げる最もいい方法は、お店のファンを作ることなんじゃないかと思います。
有名な逸話ですがが、江戸時代に呉服屋が火事になったら、何をするか?知っていますか?
大切な商品である呉服を持って逃げるのではありません。大福帳という顧客リストを井戸に投げ込んで、逃げるのです。その大福帳は特殊な作りで、水に濡れても大丈夫なように作られているんです。
そして、火事が収まったら、井戸から大福帳を引き上げて、商品が燃えてしまったお詫びにお客さんの家を回ります。ただお詫びに回るだけではなく、そこで新たな注文を取ってくるわけです。
この逸話からも分かるように、上客を失わなければ、商売は立て直すことができます。
飲食店の場合も、「今日もまた、あの店に食べに行こう」と思って来店してくれるファンの存在が大切だと思います。そのファンは、広告費をかけなくても来店してくれますし、「今日は、○○がオススメですよ」と一言言うだけで、注文が決まります。つまり、成約率は労力をかけなくても、高いわけです。
「いつも同じ物じゃなくて、高めの料理も冒険してみようかな」と思って注文する時もあるでしょう。さらに、奮発したい時は、高い料理やお酒も頼んでくれますから、単価も上がります。
Apple社を見ていても思いますが、信者と言っても過言ではない程のファンを、どれだけ抱えられるかが、売上につながるんじゃないかと思います。