好きなことを仕事にしていいの?
ビジネス書を読んでいると2つの主張があります。
それは、「好きなことを仕事にしなさい」という主張と、「好きなことは仕事にすべきでない」という主張です。
例えば、本田直之氏は著書の中で、好きなことは仕事にするべきではないということを書かれていました。
その主張は、よく分かります。カフェが好きで、カフェを開店したとしても、毎日朝から晩まで仕事に追われる毎日だろうなと思います。仕入れもあって、経理処理をして、単価を上げる工夫をしたり、回転率を上げる工夫をしたり、と。本当に好きだったカフェで過ごす時間も段々となくなり、カフェが好きだという気持ちが薄れていってしまうということも多々あるだろうなと思います。
一方で、例えば本田健氏は、好きなことを仕事にしなさいということを本に書かれていると思います。
その意味も分かるような気がします。文章を書くことが好きで、本を出版したかったら、例えばブログを更新して文章を書く練習をします。最初は当然読者もいません。何を書いても、ほとんど反応もないかもしれません。ところが、好きだから書き続けることができる。それこそ、何年も書き続けていても、全く苦痛ではないかもしれません。実際、ちきりん氏は何年も人気が出なくても、ブログを書き続けたと著書の中で仰ってました。
そして、ある時から徐々に読者が増えていったり、編集者の目の止まり、出版の仕事が舞い込んでくる。こうして、好きなことを仕事にしている方もいらっしゃるのだと思います。
さて、ここでどちらが正しいのか迷ってしまいます。好きなことを仕事にすべきなのか?好きなことは仕事にすべきでないのか?
本当に仕事にすべきなこととは?
この問題に対して、ある時、私の中で答えが出ました。
それは、米国企業のある創業者のインタビューを聞いている時でした。その創業者は、このように語っていました。
昔から「好きなことを仕事にしなさい」と言われてきたけれども、このアドバイスがよく分からなかった。
何故なら、野球やバスケットボールが好きだったが、自分がプロになれるとは思えなかったからだ。そして、段々と分かってきたことだが、本当に正しいアドバイスは「価値観に合った仕事をしなさい」というものだと思う。
いかがでしょうか?
そのインタビューの日本語訳では「価値観に合った仕事をしなさい」と訳されていましたが、言葉を分かり易くすると、「夢につながる仕事をしなさい」という言葉になると思います。
その夢というのは、将来実現したい生活や自分像などのことです。
例えば、将来はハワイと日本に住居を持ち、1年間の半分は日本で過ごし、半分はハワイで過ごす生活がしたいという夢を持っていたとします。そういう場合は、その夢を実現できる手段として適切な仕事をしなさい、ということだと思います。
そうした夢を持ちながら、日本国内の全国転勤があり、月金の仕事を選択してしまったとしたら、高いモチベーションで仕事に取り組むことは難しいのではないかと思います。
逆に、作家になってハワイで原稿を書きつつ、印税で収入を得て生活をするということができたら、生き生きと仕事に取り組むことができるのではないかと思います。(作家という職業について詳しくないので、イメージで書いてます。事実と違っていたら、申し訳ございません)
つまり、何が言いたいかというと、自分の夢に近づいていける仕事を選択すれば、充実感も達成感も感じながら取り組めると思います。何といっても、自分の夢に近づいているわけですし、夢を実現しているビジョンを描きながら、毎日を過ごせるわけですから。