
今のままで、一生食べていけると思いますか?
不安な方は、大前研一氏と堀紘一氏からのアドバイスを聞きましょう。彼らは、マッキンゼーとボストンコンサルティングでビジネス界の頂点を極めた人です。
2人とも今後の展望に明るく、どんな仕事がなくなるのか?どんな人が活躍するのか?も明確に教えてくれます。
今回は、読書会で大前研一氏と堀紘一氏が考える1億円人材について紹介いただきましたので、シェアします。
開催報告:20代読書会in東京
日時:07月29日(土)09:30-12:00
参加者:26名(男性:13名、女性:13名 初参加:8名、リピーター:18名)
目次
20代読書会in東京の感想
自分の想像よりもはるかに深い話ができたこと、深い知見を持った。同世代のメンバーに出会うことができた。(23歳・女性)
いろんなジャンルの本を知ることができた。(26歳・男性)
いろんな本を知れて面白かった。(23歳・女性)
興味ある種類・ジャンルの本が多々あった。(26歳・男性)
自分が手をつけないジャンルの本の話がきけて新鮮でした。各人のエピソード(本にまつわる)もおもしろかったです。(30歳・女性)
普段は読まないジャンルの本の話が聞けて興味深かったです。(26歳・女性)
いろいろな本を知ることができた。(23歳・女性)
いまの仕事はなくなるか?3つの判断基準
ハイ・コンセプトという本をご存知でしょうか?大前研一氏が、100万ドル(1億円)の価値があると絶賛した本です。
21世紀にまともな給料をもらって、良い生活をしようと思った時に何が必要か、何をしなければならないかー本書は、この「100万ドルの価値がある質問」に初めて真っ正面から答えを示した、アメリカのベストセラーである。
このように大前研一氏が賞賛した本に、なくなる仕事の特徴が3つ述べられています。みなさん、自分の仕事がこの3つに該当していないか確認してみてください。
- よその国、特に途上国にできること
- コンピュータやロボットにできること
- 反復性のあること
1つずつ、具体的に解説していきます。
よその国、特に途上国にできること
たとえば、プログラマーがわかりやすい例としてハイ・コンセプトで紹介されていました。
経済のグローバル化が進行しているため、中国で生産できるものは中国で、ITなどインドでできるものはインドでというように、少しでも人件費が安くすむ地域へ産業がシフトしています。
日本円に換算すれば、月5万や10万というお金で、優秀なインド人プログラマーを雇うことができます。そうすると、日本人プログラマーの賃金もインド人にあわせて下がっていきます。もちろん、日本で月給5万や10万では生活していけません。
近い将来、プログラマーは日本で食えない仕事になるかもしれません。
他にも身近なところだと、衣類のタグに書かれてる原産国を考えてみてください。どこで作られていると思いますか?
10年前までなら、中国産が多かったです。しかし、いまは中国産ではありません。いまはベトナムやカンボジアをはじめとする東南アジアが主流になっています。なぜなら、中国の人件費が上昇しているからです。
このように、たった10年でも産業はシビアに中国から東南アジアにシフトしています。そのため、日本人の労働者だけが特別に守られるなんてことはありません。
シビアですが、途上国でできることは、日本ではなくなる仕事です。
コンピュータやロボットにできること
コンピュータやロボットにできることも、途上国と同じようになくなる仕事に入ります。どんなものがあるでしょうか?
ハイ・コンセプトで例にあげられていたのは、弁護士や会計士といった資格で食べていく仕事です。
アメリカにはファミリーロイヤーやクイッケンというパッケージソフトがあるそうです。これらは共に100ドルくらいのソフトですが、弁護士や会計士の仕事の大部分ができると紹介されています。
100ドルのソフトフェアと競合するとなると、途上国の人と競争するよりも、勝てる見込みがありません。
日本でも有名な会計サービスにfreeeがあります。オンラインで提供されており、年間12,000円で利用することができます。
税務申告の時期になると、freeeが書類作成をリマインドしてくれ、指示に従って操作していると税務申告に必要な書類がすべて揃います。もちろん、数字のミス、計算間違いはあり得ません。会計の素人でも使える、とても便利なサービスです。
こうしたサービスは数多く出てきており、税理士はモロに打撃を受けているようです。
実際に知り合いの社長さんが、税理士の顧問料が下がっていると話していました。10年前では考えられないが、いまは年間4-5万で税務申告の書類を作成してくれるそうです。
年間12,000円のfreeeに対抗するとなると、そういう料金になるのでしょう。このようにコンピュータやロボットにできることは、なくなる仕事です。
反復性のあること
最後に、反復性のあることも、なくなる仕事として紹介されています。なぜなら、反復性ある仕事はコンピュータやロボットにも置き換えられやすいからです。
しかし、それだけではなく、おもしろいことが書かれていました。
(指導要領を反復する)学校の教師も、なくなる仕事の脅威にさらされているというのです。たとえば、経済学の授業は世界中で行われています。
しかし、経済原論の授業ではサミュエルソンの本の輪読会をやっているのが実情です。そこで、もしサミュエルソン本人がインターネットで直接「経済原論」を教えると、どうなるでしょうか?
世界中から受講者が集まります。1人100ドルで教えても、10万人が集まれば、サミュエルソンの収入は1000万ドルになります。
一方で、教鞭をとっていた教師は仕事がなくなることになります。TA(ティーチング・アシスタント)のような仕事はあるかもしれませんが、食べていくことは難しくなります。
日本でもホリエモンがオンラインサロンを開いています。正式には堀江貴文イノベーション大学校という名前で、約1,000人が会員になっているようです。会員は月額1万円を支払ってSNSでグループを作り、議論をしたり、教育を受けたりしているそうです。
こうなると、起業をしたい人向けの社会人学校は苦しくなります。もちろん、堀江貴文イノベーション大学校より付加価値があれば人は集まってくるでしょう。しかし、サミュエルソンの輪読会と変わらない内容であれば、堀江貴文イノベーション大学校に人が流れてしまうと思います。
このように反復しているだけで付加価値が低い仕事も、なくなる仕事です。
まとめ
なるなる仕事のチェックポイントは3つ。
- よその国、特に途上国にできること(ex.プログラマー)
- コンピュータやロボットにできること(ex.弁護士、会計士)
- 反復性のあること(ex.教師)
参考:20代の職業選び!2020年47%の仕事がなくなるという衝撃
参考:生き残る会社/消える会社 有名企業347社を公開!!
参考:20代が選択すべき、生き残る仕事があるって本当?
なくなる仕事時代の1億円人材とは?
オックスフォード大の教授が47%の仕事が2020年までになくなると調査結果を発表しています。
そんな厳しい時代ではありますが、実は年収1億円を超えるような人材は増えると見込まれています。先述のハイ・コンセプトには、こう書かれています。
一方、上のほうといえば、アメリカのプロフェッショナルに引っ張られる。これは非常に給料が高い。たとえば、すごいトレーディング能力をもっている人が、勤めている銀行をやめてゴールドマン・サックスに引き抜かれていくと、アメリカ並みの高給取りになってしまう。
私もマッキンゼーで世界レベルの給料をもらっていたが、今では日本にいても大手コンサルティング事務所では世界標準の高い給料(年俸が億単位)をもらうのが普通になった。
そこで気になるのは、一体どんな人が1億円人材なのか?ということです。大前研一氏と堀紘一氏が考える1億円人材と、その仕事をシェアしたいと思います。
大前研一氏が考える1億円の仕事とは、なんでしょうか?3つのキーワードをあげています。
- イノベーション
- クリエイティブ
- プロデュース
これらは、先ほど解説した「なくなる仕事」の真逆に位置する仕事です。
イノベーションに反復性はありませんし、クリエイティブな仕事はロボットやコンピュータにはできません。そして、プロデュースして、やり遂げるような仕事は、他の国にアウトソースできません。
また、堀紘一氏が考える1億円人材とは、なんでしょうか?堀紘一氏も同じく、3つのキーワードをあげています。
- 仮説思考
- 実行力
- 協調性
不思議なほど、大前研一氏と共通したことを言っています。
イノベーションを起こすには、仮説思考が必要です。そして、プロデュースも実行力がなければアイデアで終わってしまいます。いざ実行しようとすれば、多くの人を巻き込む協調性も必要となるでしょう。
大前研一氏と堀紘一氏が、意図せず同じことを書いているということは、同じ未来を見ているということです。みなさんも、2人の教えをヒントに将来について考えてみてください。
まとめ
なくなる仕事3つの特徴
- よその国、特に途上国にできること(ex.プログラマー)
- コンピュータやロボットにできること(ex.弁護士、会計士)
- 反復性のあること(ex.教師)
活躍できない人材3つの特徴
- ルール/マニュアル通りに仕事をする人
- 周囲とは関わらず、1人で仕事をしている人
- 口は出すが、実際には行動しない人
なくならない仕事3つのキーワード
- イノベーション
- クリエイティブ
- プロデュース
1億円人材3つの能力
- 仮説思考
- 実行力
- 協調性