
AIで仕事がなくなる…。自分の仕事は大丈夫だろうか?
こんなことを考えてはいませんか?
AIが台頭しても仕事に困らない働き方とは、生産性の高い働き方です。自分の時間を取り戻そうで学んだ内容をシェアしたいと思います。
自分の時間を取り戻そう
初版:2016年11月25日
出版社:ダイヤモンド社
著者:ちきりん
目次
毎日忙しい?本質的な問題解決は「生産性」にあった!
「生産性」という言葉を聞いて、
- 自分は工場で働いているわけではないので関係がない
- 生産性なんて仕事の話であって、家事や遊びには無関係だ
こう思った方は、いませんか?しかし、それは大きな誤解のようです。本書には、こう書かれています。
そして「毎日毎日、忙しすぎる!」と感じている人たちも、まず取り組むべき本質的な問題は「生産性を上げること」です。
ところがなぜかこの「生産性」という言葉は、本来の意味よりもはるかに狭く解釈され、その重要性も正しく認識されていません。なかには「自分は工場で働いているわけではないので関係がない」とか、「生産性なんて仕事の話であって、家事や遊びには無関係だ」と考える人もいます。
でも本来の意味での生産性とは、仕事だけでなく家事から育児、趣味からボランティア、勉強に人付き合いからコミュニケーションに至るまで、生活のあらゆる場面においてその成果を最大化するための鍵となる概念なのです。
現代人のほとんどは、時間がなくて困っています。時間がありあまってる人は、ゼロに等しいでしょう。
それは、社会人だけではありません。小学生も中学生も、主婦の方も、出世した上司もみんな「時間がない、時間がない」と困っています。そうしたときに、本質的な問題解決となるのが「生産性をあげること」です。
では、生産性とは一体なんでしょうか?
生産性=アウトプット÷インプット
このように本書では定義されています。アウトプットとは成果で、インプットとは投入された資源量です。つまり、生産性とは成果と、その成果のためにどれだけの資源を投入したかの比率なのです。そう考えると、より多くの労働力を投入して成果が上がったとしても、生産性は向上していません。
もちろん、インプットの資源には労働だけでなく、時間やお金なども含まれます。そして、生産性を上げようと思うと、2つの方法があります。
- 同じインプットでアウトプットを大きくする
- 同じアウトプットを少ないインプットで実現する
そのため、忙しい人の本質的な問題解決が「生産性をあげること」になるのです。生産性をあげれば、今までと同じ用事をこなしていても時間にゆとりが生まれます。そうすると、忙しくなくなります。
また出世をして、会社から求められる成果が上がったとしましょう。それでも労働に使える時間は、変わりません。そのときも生産性を高めれば、問題は解決します。
そして、生産性を高めることの重要性は小学生も中学生も、主婦の方も出世した上司も変わりません。本書には、こう書かれています。
お金にしろ時間にしろ、インプットできる資源は有限なので、永久にインプットを増やし続けることはできません。だからインプットを増やすことでしか成果をあげられない人は、どこかで行き詰まってしまうのです。
中学校のときにめいっぱい勉強することで乗りきった子は、高校の勉強にはついていけなくなるし、平社員のときにめいっぱい働いてギリギリの仕事をしていたら、課長になったとたんに仕事が回らなくなります。生産性はいくらでも上げられますが、インプットの量は止めどなく増やせるものではないからです。
ということで、生産性を高めることが本質的な問題解決となります。
なぜ、あなたの仕事は行き詰まるのか?
- 「とにかく頑張る」という思考停止モードに入ってしまっている
- 不安感が強すぎて、NOと言えなくなっている
- すべてのことを「やるべきこと」と考え、全部やろうとしていう
- なにもかも完璧にやろうとしている
- 長い時間、働くことによって、問題を解決しようとしている
こうした悩みを抱えていませんでしょうか?わたしは、抱えています(笑)
すでに述べたように、こうした問題の本質的な解決策は「生産性をあげること」となります。
とにかく頑張る、長時間働く、すべてのことをやろうとする…
これらはすべて、インプットを増やすという働き方です。インプットを増やせば、もちろんアウトプットも増えていきます。しかし、時間もエネルギーも有限です。
なので、求められるアウトプットが高まるとともにインプットも増やしていては、どこかで行き詰まります。つまり、生産性を高めていかない限り、どこかで行き詰まるようになっているのです。これが仕事が行き詰まる原因です。
そして、これからの時代は、今まで以上に生産性が大切になります。
なぜなら、社会全体が高生産性社会にシフトしているからです。その背景には、スマホなどの新たなテクノロジーの存在があります。
本書には、このように書かれています。
このように「生産性が上がる」とは、あらゆる資源の活用度合いが高まること、あらゆる資源が、今までより有効に使われ始めることを意味しています。
もちろん同じことは今までも起こっていました。でもたった1時間ほどの、しかもいつ発生するかわからない隙間時間や、自分が住んでいる家の空き部屋などという中途半端なものまでが有効活用され始めたのは、つい最近のことです。
スマホが登場するまで、電車の待ち時間は単なる無駄な時間でした。でも今なら数分の待ち時間の間にでも仕事のメールに返事ができます。これまで生産性を上げるべく有効活用が図られてきたのは、製造用の工作機械や貴重な知的財産権、それに石油などの燃料といった、産業用の物資ばかりでした。それが今や、個人が所有するちょっとした私物や隙間時間の生産性までが、大幅に高められるようになってきたのです。
そのため、今まで以上に生産性をあげることが求められます。なぜなら、スマホや新たなサービスを駆使して、今まででは考えられないほど高い生産性の働き方を実現する人が出てくるからです。
そうすると、生産性の高い人と低い人では、今まで以上に差がついてしまいます。
どんな仕事がキカイ化されるのか?
医師のように高度な知能労働と考えられているような分野でも、人工知能のほうが得意な仕事はこれからもたくさん出てきます。ここで特に注目すべきは、ワトソンが2000万件もの癌に関連する医学論文を読み込んでいるということです。
人間の医師がひとつの論文を読むのに1時間かかるとして(実際にはもっと長くかかると思いますが、とりあえず1時間と仮定します)、年間365日の毎日、1日10時間ずつ論文を読み続けても3650本の論文しか読めません。このペースで2000万本の論文を読み終えるには5400年以上かかります。つまり人間はそんなに大量の論文を読むことはできないのです。
こういった事例に関して、人間の医師と人工知能のどちらが賢いか、などという議論は意味をなしません。ポイントは、「大量の専門文章を読み込むという仕事に関して、人間と人工知能の生産性は比べようもないくらい異なる」という点にあるのです。
これは、衝撃的な一節ではないでしょうか?
医師のような高度な知能労働でも、人工知能に歯が立たない分野があるというのです。
喩えていえば、以前は足の速い人には飛脚という仕事がありました。ところが、今では存在しません。なぜなら、自動車や飛行機と人間の足とでは比べ物にならないほどの差があるからです。
それと同じです。論文を読み込んで情報を蓄積することに関しては、人間は人工知能と競い合うこともできないのです。
では、一体どんな仕事が生き残るのでしょうか?本書では、こう書かれています。
この話は、これからなくなる仕事となくならない仕事の違いを私たちに教えていくれます。なくなる仕事の多くは人工知能やロボットによって代替されるわけですが、それらは必ずしも「自動化しやすい仕事」ではありません。
そうではなく、淘汰されるのは人工知能やロボット(以下、”キカイ”)が担当したときと、人間が担当したときの生産性の差が極めて大きい仕事です。今は人間がやっている仕事で、それをキカイに担当させれば一気に生産性が上がるーそういう仕事から順にキカイに置き換えられ、その結果が社会の高生産性シフトにつながるのです。
続きます。
配送トラックを人間が運転する場合と自動運転車を比べてみてください。自動運転車は睡眠も休息も必要としないのです。数時間おきに休憩が、1日たてば睡眠時間まで必要になる人間の生産性ではまったく太刀打ちできません。
これは「時間をかければ終わる仕事」が淘汰される典型的な事例です。時間勝負になると人間は疲れるし睡眠も必要なのに対して、キカイは24時間稼働できます。医学論文を読み込む仕事も、ひたすら運転を続ける仕事も、そして、「残業さえすれば終わる仕事」も人間の仕事としては残りません。
「大量の知識を覚える」とか「大量の資料を読み込む」のは、すべて時間勝負です。1時間勉強した人より10時間勉強した人のほうが常にいい点がとれるような分野は、人間がやるべき仕事ではなくなるのです。
なくなる仕事となくならない仕事、わかりましたでしょうか?
なくなる仕事は、インプットを増やせばいいだけの仕事です。つまり、時間の投入量を増やせば増やすほど、アウトプットが大きくなる仕事はなくなります。
そのため、キカイが得意な方法で、仕事を終わらせようとしていはいけないのです。高いアウトプットを求められたとき、いたすら頑張るというインプットを増やす方法を取っていると、その仕事はキカイに代替されていきます。
キカイ化されないためにも、生産性を高めることが大切なのです。
まとめ
生産性=アウトプット÷インプット
アウトプットとは成果、インプットとは投入した時間やお金
生産性が大切な理由
- いずれ仕事で行き詰まるから
時間は有限であるため、インプットを増やしてアウトプットを増やす方法は限界を迎える - キカイに代替されるから
時間をかければ成果が上がる生産性の低い仕事は、いずれキカイ化されていく