
なぜ、利益が生まれるかわかりますか?
利益は差異から生まれます。つまり、利益は異なる価値体系同士の交換によって生まれるというのです。
今回は「ヴェニスの商人の資本論」を紹介いただきましたので、その本からわかった3つの成功法をシェアします。
開催報告:20代読書会in東京
日時:10月09日(祝)09:30-12:00
参加者:26名(男性:16名、女性:10名 初参加:9名、リピーター:17名)
20代読書会in東京の感想
「みんな勉強しているな」と刺激になった。(25歳・男性)
今後の読書の参考になった。(28歳・女性)
多くの人がどのような目線で本を読んでいるのか知ることができた。(25歳・男性)
またちがうジャンルの面白さに出会えた。(28歳・女性)
自分とはまったく違う視点の人が読んでいる本を知れて良い体験となった。(28歳・男性)
なぜ、利益が生まれるのか?
利益が生まれる理由は、差異にあります。異なる価値体系同士の交換によって、利益が生まれます。
「ヴェニスの商人の資本論」には、利益が生まれる理由が、このように説明されていました。
どういうことでしょうか?解説してきます。
仮にAとBという2つの地域があるとします。Aは海に面していて、豊富に魚が獲れます。ところが、Bではいっさい魚が獲れません。
そうすると、B地域では魚が高級ですが、A地域では日常的な食材です。そのとき、A地域から安値で魚を仕入れて、B地域で高値で売ることができます。その結果、利益が生まれます。
A地域では安値で、B地域では高値であることは、価値体系が異なるということです。そして、その異なる価値体系同士で、魚を交換することで、利益が生まれました。
この利益が生まれる構造は、現在でも同じです。
たとえば、英語圏で生まれた人がいるとします。当然、英語が話せるし、読めます。もちろん、書くこともできるでしょう。ただ、その国で生活している限りは、英語を読み書き、話せるだけで、利益を生むことはできません。
ところが、異なる価値体系に飛び込んだら、どうなるでしょうか?例として、日本にやってきたとしましょう。日本ではネイティブに英語を使えれば、価値があります。
英会話の教師になることができるかもしれません。英語圏で当たり前の英語を教えたり、当たり前の文化を教えたりすることで、利益が生まれるのです。
ヴェニスの商人の資本論では、このような構造で利益が生まれると説明されていました。
ポイントは価値体系が異なることにありますが、価値体系の違いは様々なところにあります。たとえば、地域によっても差があるでしょう。気候によっても異なります。宗教や言語、世代など色んなところで価値体系の違いがあります。
それらを、実際にどう活かせばいいのでしょうか?具体的な活かし方を次章で説明していきます。
ヴェニスの商人から学ぶ3つの成功法
利益は、異なる価値体系同士の交換によって生まれます。これは、すでに解説しまいた。
では、実際にどう活かせばいいのでしょうか?実践できれば、自分も大きな利益を生み出せます。
ここに3つの実践方法がありますので、紹介します。
- 年長者から学ぶ
- アメリカから学ぶ
- 東南アジアから学ぶ
1つずつ見ていきましょう。
年長者から学ぶ
まず、想像してみてください。いまの自分の経験値、知識、考え方、能力をもったまま、10歳にもどったら、どうなるでしょうか?
とんでもないことになります。スーパー小学生の誕生です。勉強でもスポーツでも恋愛でも、どんな分野でも得をするでしょう。
これは大人という価値体系と子どもという価値体系の差異で、利益が生まれたということでしょう。
なぜ、大人と子どもで価値体系が異なるかというと、そこには経験値、知識、考え方、能力の差があるからです。
もちろん、本当に10歳に戻ることはできません。でも、同じ原理を使って利益を生むことはできます。
どうすればいいかというと、未来からタイムスリップして現在に戻って来ればいいのです。
つまり、いま20歳の人なら、30歳や40歳の人から学べばいいのです。20歳の大学生と40歳の社会人では、もちろん経験値も知識も考え方、能力もすべてが異なります。
そういう人から学んで吸収すればするほど、利益が生まれます。なぜなら、同世代の中で抜きん出た存在になるからです。
身の回りに、そんな学ぶ対象となる年長者がいないという方も、安心してください。そういう場合は、本に頼ってください。
Amazonでベストセラーになるような本は、超一流の人が数十年かけて培ってきた経験や知識、能力を公開してくれています。
たとえば、わたしは昨年「ゼロ秒思考」という本を読みましたが、本当に人生がひっくり返ったと思っています。10年後には「あの本との出会いが人生の転換点になった」と振り返ることになると想像してます。
そんなゼロ秒思考の著者の赤羽雄二さんはマッキンゼーで役員にまで登りつめ、活躍した方です。すでに60歳を超えてますから、何十年と一線で活躍された経験を持たれています。
もちろん、わたしの同世代で赤羽雄二さんほどの能力を持った人がいれば、他を圧倒する結果を出すでしょう。その能力を、本を読むことで学べるのです。
直接学べる人は、じかに年長者から学んでください。それが難しい人は、本から学んでください。そうすれば、利益を生むことができます。
アメリカから学ぶ
これもタイムスリップをする方法です。
アメリカは今でもビジネスの最先端です。アメリカで流行ったものが、数年遅れで日本に到来します。全てではありませんが、この流れは今も昔も変わりません。
そのため、アメリカの最新事例・情報にいち早く触れていれば、日本で次になにが起きるかを見抜くことができます。
たとえば、airbnbも日本で話題になる前から、アメリカでは当たり前に利用されていました。アメリカで当たり前の情報が、日本では貴重な情報だったのです。この差異を使えば、利益を生むことができます。
他にも、アメリカで出版される本が日本語訳されるまでには数年のタイムラグがあります。
以前にアメリカで成功哲学ブームが起きたときも、そうでした。日本語訳が出るまでには、時間がかかりました。そこで、アメリカで話題の成功哲学本を原書で読み漁って、自分のものにし、日本語で本を書いた人がいます。
もちろん、内容はアメリカでベストセラーになっているのです。日本でも話題となり、大ベストセラーとなりました。
この成功哲学ブームも、アメリカではどの書店にも置いてある当たり前の情報が、日本では貴重な情報だったのです。異なる価値体系の交換です。
このように最先端の情報に触れることで、利益を生むこともできます。
東南アジアから学ぶ
最先端の情報に触れることで、利益を生むことができる、と伝えました。
そして、最先端といえばアメリカを見てしまいがちですが、実はそうではありません。いま世界は急速に変化しています。
先日、元コダック社員の方から面白い話を聞きました。
コダックはご存知の通り、世界で最も繁栄したフィルム会社です。最高売上は1兆円を越し、カメラとフィルムの世界シェアは80%を超えていたのです。しかし、デジタルカメラの隆盛とともに2012年に倒産の憂き目にあいました。
しかも、そのデジタルカメラを世界で初めて開発したのは、コダック社自身だったというのですから、本当に運命とは不思議なものです。
では、デジタルカメラが普及し始めたとき、コダック社はなにを考えていたのでしょうか?世界のトップ企業です。経営陣は一流人材が集まっていたはずです。
そのとき、コダック社が考えていたことは、「先進国はデジタルカメラに移行しても、中国やインドはこらからフィルムを使う」ということでした。フィルムは、利益率が80%以上という驚異のドル箱製品でした。
このドル箱製品で80%以上のシェアを持ち、未開拓の巨大市場が待っていたのです。コダック社はデジタルカメラへの移行よりも、中国やインドへの進出を優先したといいます。
ところが、ここで想定外のことが起きました。中国やインドでもカメラを使い始めたのですが、なんとフィルムを使わず、いきなりデジタルカメラを使い始めたのです。そのため、たった10年でコダック社の売上は10分の1に減少してしまったそうです。
このフィルムを飛ばしてデジタルカメラを使い始めるようなことを、リープフロッグ(かえる跳び)現象と言います。
実は、この現象は世界中で起きています。
インターネットも有線LANを使わず、無線LANから普及する。電話も固定電話や携帯電話を飛ばして、スマートフォンが普及する。決済もクレジットカードを使わず、デジタル通貨が普及する。
このようなリープフロッグ現象の結果、途上国が急激に先進国に追いついてきています。いや、追いついてきているだけではありません。正確にいえば、途上国が先進国を追い越してしまっています。
たとえば、アフリカのある地域では給与の支払いがデジタル通貨になっています。なぜなら、銀行の送金機能が充実していないからです。
日本でデジタル通貨を、そこまで利用している会社があるでしょうか?もちろん、まだ存在していません。
日本などの先進国では、従来のインフラが充実しています。そのため、新技術が登場しても徐々に徐々にしか移行していかないのです。
たとえば、Uberが登場してもタクシーが一気に廃れることはありません。なぜなら、タクシーでぼったくられることもないですし、どこでもタクシーを捕まえることができます。しかし、途上国は違います。ぼったくりタクシーもありますし、目的地にたどり着けないタクシーもあります。
そのため、タクシーというインフラが整備されていない国なら、一気にUberが主流になるのです。
つまり、従来のインフラが整備されていない東南アジアのほうが、日本よりも先に新技術・新サービスが普及していく時代になったのです。こらからは東南アジアで起きたことが、日本で起きるようになってきます。
そのため、東南アジアに注目することで最先端の情報や事例を仕入れることができます。そうすれば、日本で利益を生むことができます。
以上、①年長者から学ぶ、②アメリカから学ぶ、③東南アジアから学ぶの3つがヴェニスの商人から学んだ3つの成功法でした。