
成功哲学ってキレイゴトだと思っていませんか?
そう思った人に、成功した人の本ではなく、成功する人が書いた生々しい成功哲学を紹介します。
本書の中から人間関係と成長、夢と幸せ、行動とお金の3つテーマについて印象的だったところをシェアします。
半径5メートルの野望
初版:2016年06月15日
出版社:講談社
著者:はあちゅう
はあちゅうって、こんな人だったのか!
みなさん、はあちゅうさんをご存知でしょうか?
わたしはブロガーの方だというのは知っていました。顔写真も見たことがあったので、なんだかキラキラ系だなという印象を抱いていました。
今回初めて、はあちゅうさんの本を読んだんですが、驚きました…
林真理子二世か!と思うくらい毒のある人でした(笑)。すごいです。はあちゅうさんはブロガーの宿命か、ネットで叩かれることも多いようです。そして、その叩く人たちに対して、本書でこう語っていました。
小物たちが私のアラを探しまくっている間に、私は大物になるために頑張るのです。彼らの手の届かない世界、見たことのないものがある世界、会えない人と会える世界にいくんだ、と自分を奮起させています。そうとも知らず、小物たちは私にせっせと「悪口」という燃料を毎日くべてくれているので、自分の時間をたくさん使って、私を動かす原動力になってくれてありがとう、とこの場を借りてお礼を言っておきます。
実際、人に言えるような実績がある人は、他人の評判なんかで時間をつぶす暇はありません。そんなくだらないことをやる時間があるなら、自分が取り組んでいることに集中したいと思うでしょう。次から次へと進化し続けていく人の時間は貴重です。進化しない人だけが、自分のアイデンティティを保つために、必死になって、誰かのアラを探しています。
半径5メートルの野望というタイトルの本ですが、ぜんぜん5メートルじゃない。半径5000キロの野望と言っていいような気がします。日本を飲み込んでしまうような、野望を持った人でした。
また、成功した人が成功本を書くと、キレイゴトに感じる人も多いと思います。でも、この本は違います。
(今後さらに)成功する人が書いた成功本です。まだギラギラと残る野望や、キレイゴトにできない感情が滲み出てます。完璧になり切ってない生々しい成功本です。
大成してキレイゴトに感じる成功本を書く人も、20代30代はこうだったんだろうなあと思わされます。そういう貴重な本です。
それでは、本書の中から人間関係と成長、夢と幸せ、行動とお金の3つテーマについて印象的だったところをシェアします。
人間関係と成長
人間関係には見えないカーストがあります。はあちゅうさんは、こう書いています。
人間関係には、見えないカーストがあります。そして、同じカーストに所属している人同士でないと、フェアな会話はできないのではないでしょうか。ここでいうカーストとは、稼ぐ額や知名度ではなく、価値観・人生観など、精神のレベルで決まります。ただ、心の位置が同じ人は、不思議と稼ぐ額も知名度も似てくるので、結果的に、目に見える部分での共通点も多く感じます。
そのため、もし成長したいと思ったら、今よりも上のカーストに上がっていく必要があります。今より上のカーストに上がるには、どうすればいいのでしょうか?
自分の見た目を変えるのに一番良かったのは、美人の近くに常にいるようにしたことです。そうすると、美人がちゃんと伝染るのです。私はこれを「寄生虫方式」と呼んでいるのですが、そばにいて、その人をじっと観察すると、その人がなんで美人なのかということがわかり勉強になりました。例えば、人の評価を気にしない自分だけの軸がある人だからキレイに見えるのだとか、むやみやたらに甘いものを食べないでよく歩くからほっそりした体型を保っているのだとか、毎朝マッサージをしているから顔がむくんんでいないのだとか、そうやって学んだことを、今度は徹底的に真似します。仕事でもライフスタイルでも同じです。「この人、素敵だな」と思う人に近づいて一緒に行動したり、ブログやら本やら読み込んで研究するのは、その人に近づく手っ取り早い方法だと思います。
そして、こう続きます。
素敵な人を見つけて、寄生して、自分の中に、素敵要素を取り入れて……この繰り返しが私を成長させてくれています。だからこそ、さらに多くの素敵な人と出会うためにも、自分を成長させて、そんな人のいる場所に出入りできる自分であり続けたいと思います。
人は人から感化されています。自分という人間は、周りの人で構成されています。そのため、成長したいと思ったら、上のカーストの人と過ごす時間を増やせばいいのです。
ただし、これは簡単なことではありません。最初に引用したように、フェアな会話ができないからです。一緒にいても心から楽しいとは感じず、どこか無理をしているように感じるでしょう。相手の人も多少迷惑がるかもしれません。それでも、一緒に居続ければ、上のカーストが普通になります。
そうすると、今度は逆に今までのカーストに違和感を感じるようになります。そのことを、はあちゅうさんはこう書いています。
私は、「人との出会いは人生を変える」と思っているので、自分の周りを見渡して、今誰と一緒にいるかを定期的に見直しています。会っている人が日々変わるのは、人生が変化している証拠で、逆にずっと同じ人とばかり会っているなら新しい出会いを意識したほうがいいかもしれません。
居心地のいい空間に慣れてしまうと、他にもっといい空間があるかもしれないのに、そこに目がいかなくなります。人生では節目節目に、終わらせなくてはいけない人間関係もあるでしょう。時に苦しい別れがあるかもしれないけど、それは、自分が今よりも高い場所に行くために、神様が強制的に前の環境を終了させて、関係を切り離してくれたのだと思うようにしています。
大前研一氏も人生を変える方法は3つしかない。1つ目は時間配分を変えること。2つ目は付き合う人を変えること。3つ目は住む場所を変えること。こうおっしゃっていました。
付き合う人は、それほど重要なようです。成長を望む方は、新しい出会いを意識してみてください。
夢と幸せ
みなさん、夢ありますか?
そう聞かれても、夢がないという人は多いのではないでしょうか。好きなこともないし、やりたいこともないという人は多いと思います。そういう人に、はあちゅうさんはこう書いています。
「夢がない」と言う人は、おそらく「夢」が「大志」ではなくてはいけないと考えていて、何か誇れるような夢を持とうとしている、真面目な人なのではないでしょうか。でも、夢はもっともっと自分本位でいいと思うのです。他人に言って「なるほど」と思ってもらえなくたっていいのではないでしょうか。
そして、こう続きます。
雑誌やテレビを見ていて、「これ食べたい」「この映画観たい」「ここ行きたい」などの小さな欲求がほわ〜っと湧いてくることはきっと誰にでもありますよね。その小さく湧いた欲望を、もっと一大事にとらえて、叶える努力につなげることが、大きな夢を見つけるための第一歩になるのだと思います。
そうです。小さな欲求を大切にしていくと、夢も育んでいくことができます。ある本の中で「遊びのToDoリスト」を作りなさいという話がありました。
仕事ではToDoリストを作って漏れがないようにしている方が多いと思います。でも、人生を幸せにするために、遊びもToDoリストを作って、忘れないようにしておくことが大事だそうです。その方は、神保町・六本木・新宿…と場所ごとに行きたいお店がリスト化されているそうです。
そして、仕事でその場所に行ったり、時間が空いたりしたときに、リストに載っているお店に入ると書かれていました。
また、中には将来のために仕事だけに集中し、楽しい時間は我慢しているという人もいるかもしれません。そういう人に、はあちゅうさんはこう書かれています。
旅はどこに行くかではなく誰と行くかだということと、旅というのは目的地到達よりも、道のりが醍醐味なのだとわかりました。この感覚はきっと、人生そのものと同じなんだろうと思います。
常に「夢さえ叶えば幸せ」だと思っていると、そう思うこと自体が夢を遠ざけてしまうかもしれません。いつまでも捕まえられない影を追っていれば、幸せになれない自分への言い訳が立つからです。そうではなくて、今この瞬間の幸せを感じながら、夢を追って前向きに生きることが、私たちの人生をよりよくするのではないでしょうか。
「幸せになる」には、資格も条件もなく、自分が「今、幸せになる」と決めるだけで幸せになれる。だからこそ、幸せになる勇気をちゃんと持ちたいと思います。
夢さえ叶えば幸せではなく、叶える過程でも幸せを感じることが大事なようです。これは、わたしも耳が痛いです。
ある本にも、いま幸せを感じることなく、ある日から100点の幸せを感じるようになることは、ありえないと書かれていました。少しずつ幸せを感じる時間を増やしていくことが重要だというのです。
おっしゃる通りです。
もちろん、仕事の時間が不幸だと言っているわけではありません。わたしは仕事の成果にも喜びを感じます。同じような方は、そういう仕事をしている時間にも幸せを感じるようにしなさいという話です。
わたしも誤解していた夢と幸せの関係でした。小さいところから夢を育み、夢を叶える過程の幸せも感じられるようにします。
行動とお金
お金を稼ぐには、どうすればいいんでしょうか?
お金持ちになる第一歩は、お金では得られない力を身につけることから始まるように思います。例えば、曲を作る力や文章を書く力は、自分自身で努力しないと磨かれないもの。セミナーやスクールに通って勉強することはできても、結局自分が手を動かさないと自分のスキルとしては身についていきません。でも、そういった、お金ではどうにもならないことをちゃんと磨いていくと、いつの間にか自分の力で、お金を作れるようになります。
誰にでもできることだって、他の人には及ばないくらいの時間と労力をかけて磨きぬくと、ちゃんとお金を得る方法になります。
お金を稼ぐには、時間と労力を投資することが大切なようです。そうしてお金で得られない力を身につけられると、人が自分にお金を払ってくれるようになります。
では、時間と労力を投資するのは、いつからがいいんでしょうか?
それは、今がベストです。10代の方も、20代の方も、30代の方であっても、どんな状況の人でも、今がベストです。
20代の方は、ぜひ振り返って考えてみてください。今の自分と大学生の自分と、どちらの方が選択肢が多いですか?
大学生の自分のほうが選択肢は多かったですよね?でも、大学生のときは、社会人にならないと選択肢がないと思っています。まだ社会人経験がないから。アルバイトしかできずお金がないから。人脈がないから。能力・経験がないから。と、わたしはできない理由を並べていました。
そして、社会人になったら、可能性が広がると妄想していました。会社で活躍して、可能性が広がる。ベンチャーに入って働いたら、能力・経験が身につき、人脈もできる、と考えていたのです。ところが、そんなことはありません。
いま20代の方は、もしかしたら30代になったら選択肢が広がると思っていますか?しかし、それはありません。結婚し、子供が生まれると選択肢は一気に狭くなります。
そんな立ち止まっている人に、はあちゅうさんはこんなことと言っています。
世の中の悩んでいる人には「本当に悩んでいる人」と「悩んでいるフリをして、逃げている人」の2種類に分かれます。恋愛に置き換えると、後者は愚痴に見せかけたノロケと同じタイプで、悩んでいる自分に酔っているだけの人です。
「起業しようと思っているけど、悩んでる」なんて言ってる人は、その程度で悩んでいたら、起業した後の悩みに太刀打ちできないのではないかと他人事ながら心配になります。起業したいと思っているような野心家は、悩んでいる暇があったら起業しています。
行動するよりも、あれこれ悩んでいる時間のほうが長い人の夢は叶いません。悩んでいるフリをしても、叶える努力なんてしていませんから。悩んでいるうちは、動かなくてもいい理由が立つから、みんな無駄に悩むのです。でも本当は、行動に移すのが怖いから、悩んだフリで逃げているだけだと思います。そのことに、ちゃんと向き合ったほうがいい。
ただ、行動すると批判もつきものです。行動する前は、そんな批判は気にしないよと思っていても、本当に批判されたら心が沈みます(笑)
わたしのメンタルが弱いのでしょうか?
いろいろと批判を受ける中で、わたしも少し強くなってきたと思いますが、はあちゅうさんのメンタルの強さは桁違いです。本当にすごいです。
批判に対してどう対処しているのか?を解説している一節がありましたので、紹介します。批判なんかに負けないと思っている方も、ぜひ心に留めておいてください。
お釈迦様が悪口を言われた時に言い返さないので、弟子が「なぜ言い返さないのか」と問い詰めたところ、お釈迦様が「もし他人に贈り物をしようとして、その相手が受け取らなかった場合、その贈り物は一体誰のものだろうか」と弟子にという、という内容です。弟子は「相手が受け取らなかったら送り主のものだ」と答えてから「ののしりは受け取らないと、相手に戻っていくのだ」ということに気づくのです。
つまり、他人からの批判を受け取らないのがベストなのです。なぜなら、受け取らなければ、その批判は批判者のもとに返っていくからです。
さらに、このようなことが書いてありました。
自分が幸せだと、人のことはどうでもよくなるけど、自分が不幸せだと他人の幸せが許せなくて、人を不幸せに引きずり込みたくなるものです。気持ちがトゲトゲして、他人に暴言を吐かないと生きていけない人たちは、愛する人の存在を思い出せない人なのでしょう。
実際、嫌なことがあっても、お家でゆっくりご飯を食べて、DVDでも見たら、心が満たされるのでいろんなことがどうでもよくなってきます。とにかく、自分に敵対心を向けてくる人に時間をつかわないことです。
はい、ということです。
まず、今からでも行動してみましょう。お金を払っても得られないものを身につけられれば、お金を稼ぐことができます。そこには時間と労力の投資が必要です。
行動する前に立ち止まってしまうのは、悩んでいるフリです。行動できるところから、始めてみるのがいいでしょう。
もし批判を受けても、気にしないことです。批判してくる人は、自分が不幸で、あなたが幸せであることを妬んでいるだけです。そして、批判を受け取らなければ、その批判は批判者のもとに返ります。
以上、半径5メートルの野望から学んだ人間関係と成長、夢と幸せ、行動とお金の話でした。