開催報告:アフリカ19歳イラストレーターに学ぶ3つの未来とは?

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作品を無料で公開する意味、わかりますか?

それは信用を獲得するためです。アフリカ19歳イラストレーターの話から3つの未来が見えました。

読書会で教えていただいた、この3つの未来をシェアします。

開催報告:20代読書会in東京

日時:10月28日(土)09:30-12:00

参加者:23名(男性:17名、女性:6名 初参加:6名、リピーター:17名)

20代読書会in東京の感想

知らない本を知れた。今まで距離を置いていた分野の本を読もうと思った。(26歳・男性)

様々な本、人の考え方を知ることができた。(24歳・男性)

自分一人では読みきれない本を知れて楽しかった。(31歳・男性)

トークの中での学びが多かったです。(28歳・女性)

自分とはまったく違う視点の人が読んでいる本を知れて良い体験となった。(28歳・男性)

アフリカ19歳イラストレーターに学ぶ3つの未来とは?

こんな話が紹介されていました。

アフリカに19歳の無名のイラストレーターがいました。その人は、作品を制作して個展を開いたそうです。ところが、その個展では作品の売れ行きはかんばしくありませんでした。仕事の依頼が来ることもなかったそうです。

そこで、自分の作品をインスタグラムに、どんどんアップしていったのです。そうしたところ、インスタグラム経由で仕事の依頼が来るようになったといいます。

いまの時代に起きそうな話ではありますが、ここから3つの未来がわかります。それをシェアします。

  • リープフロッグ現象
  • マスから個人へ、広告の変化
  • 信用がお金になる時代

その3つの変化とは、こうしたことです。1つずつ、どういうことか解説していきます。

リープフロッグ現象

これは、発展途上の国が一気に最先端になっていくことです。

同じくアフリカの話で、ドローンのおもしろい事例があります。日本でも話題になっているドローンですが、規制も厳しく実用段階ではありません。一部の人たちが楽しみのために使っている状態だと思います。

ところが、アフリカでは病院の業務のために使われているそうです。

どういう場面で使われているかというと、輸血の輸送です。輸血用血液の不足が起きたとき、病院間でドローンを飛ばして輸送しているそうです。なぜなら、まだ道路が舗装されていないので、ドローンほうが、安定して輸送できるからです。

こうした現象をリープフロッグ現象といいます。つまり、既存のインフラやテクノロジーを飛ばして、最先端のものを取り入れていくことです。

日本などの発展した国では、既存のインフラが整備されているため、新しいテクノロジーの導入が遅くなります。

輸血用血液の輸送も、日本では舗装された道路があり、配送網も完成しており、人も確保されています。そのため、わざわざリスクをとってドローンを導入するほど、ドローンの輸送にメリットを感じません。

その結果、発展途上の国が一気に追い抜いていってしまうのです。

19歳のイラストレーターも、同じです。日本でイラストレーターに仕事を依頼するなら、デザイン事務所や派遣会社を通じて依頼します。インスタグラムで探さなくても、そうしたインフラが整っています。

しかし、アフリカでは、そうした既存のインフラが整備されていないのでしょう。その結果、逆にインスタグラムで仕事が発生するというリープフロッグ現象が起きています。これが1つ目の未来です。

マスから個人へ、広告の変化

ハンバーガー

グーグルの出現以降、広告がマスから個人へ変化しています。

もちろん、いまでもマス広告の威力は絶大です。CBSラジオがアメリカで初めて全国放送を開始し、そのときからマス広告の歴史が始まりました。

GMがマス広告を車の販売に利用して大成功したのを見て、各社がマス広告を使うようになります。そこから100年、マス広告の時代が続いています。マス広告の場合は、30秒のCMに何十億という広告費が必要な世界ですから、個人では広告を出せません。

ところが、90年代にグーグルがクリック課金という広告を作ったことで、個人が広告を出せるようになりました。クリック課金とは1クリックごとに広告費を支払う形式です。ものによっては1クリックで、10円や50円のキーワードもあります。

そのため、1日100人にサイトに訪れてほしいという個人の広告であれば、100クリック×10円×30日=30,000円となります。月々3万の広告費です。これなら個人でも気軽に広告を出すことができます。

そして、SNSが社会に定着して、さらに広告のあり方も変わってきました。30秒のCMを消費者の目に触れさせるために、マス広告では何十億とお金をかけています。一方で、個人の投稿は無料で「友達」のフィードに流れていき、目に触れることになるのです。

「売り込み」投稿は嫌われるかもしれませんが、個人がSNSを商売に使うこともできます。そして、そこに秘められた可能性はとても大きです。実際にオンライン通販での売上にも変化が出ていきています。アメリカでは検索エンジン経由とSNS経由の売り上げが拮抗してきています。

19歳のイラストレーターも、インスタグラムで資格(写真)に訴える広告を無料で配信し、仕事を得たと言えるかもしれません。こうした広告の力を個人が獲得することで、個人がさらに活躍する時代になります。これが2つ目の未来です。

信用がお金になる時代

お金

2013年「人を動かす、新たな3原則」という本が出版されました。その本のあとがきに、これからは(会社の)肩書きではなく、(個人の)信用がお金になる時代である、と書かれていました。

読んだときは、よく意味がわかりませんでした。会社の中ではなく、外で活躍する人が増えるということかな?という程度の理解をしていました。

そして、19歳のイラストレーターの話を聞いて、これこそまさに信用がお金になった事例だと思いました。なぜなら、イラストレーターをしている人は世の中にたくさんいます。その中でも、この19歳に仕事を依頼したのは、なぜでしょうか?

それは、インスタグラムで作品を事前に見ていたからです。つまり、この人なら、自分が求める品質の仕事をしてくれるという信用があったからです。これが、信用がお金になるということだと思います。

もちろん、信用がお金になるということは、いままでもありました。社内で信用を勝ち取った人が出世をするとか、取引先から信用されているから次も受注を受けられるとか。

しかし、いままではよく知っている限られた人間関係の中で、信用がお金になっていました。これからは、もっと広い範囲で信用がお金になります。

この背景には、SNSの普及もありますが、ものが溢れているという要因もあります。

たとえば、雰囲気のいいカフェに行きたいと思って検索すれば、たくさんのカフェが出てきます。服でも、家具でも、なんでも同じです。そして、なにが本当にいいのか?わかりません。

そこで自分が信用している人のオススメに頼るのです。実際の知り合いでなくても構いません。オンラインでつながっている人でも信用があればいいのです。そして、その信用がお金になっていきます。これが3つ目の未来です。

なぜ、作品を無料で公開するのか?

笑顔

そして、なぜ作品を無料で公開するのか?の回答は、ここにあります。

信用がお金になる時代になったからです。そのため、無料で作品を公開しても、この人は面白い!この人は実力がある!と思ってもらえればいいのです。

そうした信用が大切です。つぎの作品がたくさん売れたり、講演や出版など別の仕事の依頼が来たり、様々な形で信用がお金になっていきます。そのため、信用を築くことができれば、作品を無料で公開しても、何倍ものリターンが返って来るのです。

アフリカ19歳イラストレーターに学ぶ3つの未来でした。

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