
なぜ、ミレニアム世代は社会起業家に憧れるのか?
ミレニアム世代はモチベーション3.0で動いています。そのため、いい家いい車いい女というモチベーションでは動いていません。
今回はミレニアム世代が社会起業家に憧れる理由をシェアしていきます。
開催報告:20代読書会in東京
日時:11月03日(祝)09:30-12:00
参加者:15名(男性:10名、女性:5名 初参加:6名、リピーター:9名)
20代読書会in東京の感想
様々な本や考え方を知ることができた。(24歳・男性)
様々な分野の本に触れることができた。(24歳・男性)
みなさんのモチベーションが刺激になりました。(32歳・女性)
初めて会う方の話を聞くのは、とても勉強になります。(26歳・女性)
話を聞くのは面白く参考になった。(26歳・男性)
ミレニアム世代とは、なにか?
ミレニアム世代とは、1980年から2000年に生まれた人のことを指します。アメリカではジェネレーションYと呼ばれることもあるそうです。
ただ、日本では注目度が低いように感じます。なぜなら、日本は人口減少社会であるため、今後もベビーブーマーが市場の中心となるからです。
しかし、世界では違います。世界人口は100億人に向かって急激に増加の一途をたどっています。そのなかで、2020年までにミレニアム世代の労働人口は10億人を超えると言われており、ベビーブーマーを凌ぐ過去最大の世代となります。
そのため、あらゆるものがミレニアム世代にシフトしています。
こんなミレニアム世代ですが、彼らが社会に出はじめたのは2000年ごろからです。つまり、1980年生まれの人が20歳を超えた時点からということです。
そして、社会起業家というのが現れ、注目をされはじめたのも同じタイミングです。
日本の社会起業家として有名な方を見てみましょう。山口絵理子さん(81年生まれ)は2006年にマザーハウスを設立。エシカルジュエリーの白木夏子さん(81年生まれ)は2009年にHASUNAを設立。小暮真久さんは2007年にTable for twoを設立となっています。
有名な社会起業家を見ると、80年前後の生まれの人が2000年代に立ち上げた会社が多数あります。つまり、社会起業家はミレニアム世代が社会に出ると同時に世に現れてきたのです。そして、社会起業家の中でミレニアム世代がしめる割合も高いです。
実際に、ミレニアム世代に「将来したいことは?」と聞くと、社会貢献という答えが返ってくることも多いです。さらに、さきほどの山口絵里子さんや小暮真久さんのような働き方や生き方が、格好いいと憧れている人も多いと感じます。
ここにミレニアム世代を理解するヒントがありそうです。社会起業家とミレニアム世代を紐解いていくと、世の中の方向性が見えてきます。
なぜ、ミレニアム世代は社会起業家に憧れるのか?
ミレニアム世代はモチベーション3.0だからです。
「モチベーション革命」にも書かれていますが、ミレニアム世代は生まれた時からインフラが整っていた世代です。なにか物がなくて不便を感じた世代ではありません。
上の世代から見れば、とても恵まれた環境で育ったと言えるでしょう。だから、ミレニアム世代は物質的な欲求が薄いです。そして、ベビーブーマー世代の、いわゆる「いい家、いい車、いい女」という欲求で動いていません。そのため、お金の匂いがするものに単純に惹かれることもありません。
このようなことが、モチベーション革命に書かれています。
では、ミレニアム世代のモチベーションは、なんなんでしょうか?その答えが、モチベーション3.0なのです。
元アメリカ大統領のスピーチライターをしていたダニエル・ピンク氏が提唱したことですが、モチベーション3.0には3つの要件があります。
- オートノミー(autonomy)
- マスタリー(mastery)
- パーパス(purpose)
つまり、こういうことです。
- 自由で柔軟
- 自己成長
- 人生の目的に近づいている充実感
この3つを満たす生き方や働き方に、ミレニアム世代はモチベーションを感じるのです。だから、ミレニアム世代は社会起業家に憧れるのです。
社会起業家は自由で柔軟な働き方をし、自己成長しながら、充実感のある仕事をしています。(少なくとも、会社の上司よりは、そう見えます。)
とくに、社会起業家からは充実感を感じます。「好きなこと」を突き詰めて仕事にしているところが、ミレニアム世代には響くのだと思います。
もちろん、「好きなこと」と言っても、日常生活の好き・嫌いということではありません。これは誤解されていることも多いと感じますが、「人生の目的に近づいている」という意味です。
そのように考えると、YouTuberが人気な理由もわかります。
YouTuberも(とても多忙だと思いますが)自由で柔軟な生き方で、自己成長をしながら、充実感を持って仕事をしています。ミレニアム世代は、YouTuberの年収に憧れているわけではないのです。
その生き方や働き方に、憧れているのです。以上が、ミレニアム世代が社会起業家に憧れる理由でした。
何度でもチャレンジできる時代が到来した!
内的な要因(モチベーション)として、ミレニアム世代が社会起業家に憧れる理由は、すでに述べました。また、外的な要因によっても、チャレンジしやすい時代がきていると言えます。その理由を2つ紹介します。
1つ目は「大金持ちの教科書」に書かれていました。
事業にチャレンジするときに、大切なことは「節約」だそうです。ただし、節約といっても日々の食費を抑えるとか、散財をしないとか、そういう意味ではありません。
事業で節約という場合は、投資額のことです。
たとえば、500万の資本金をもって事業を行うとします。そのとき、初期費用500万の事業を選択した場合は、1度しかチャレンジができません。もし、その1回目で失敗したら、つぎにチャレンジをすることは難しくなります。
ところが、初期費用50万の事業を選択した場合は、どうでしょうか?1回失敗しても、まだ450万残っています。おなじ初期費用であれば、あと9回はチャレンジすることができます。
「大金持ちの教科書」では、これを「節約」と解説していました。
そして、ちきりんさんが「未来の働き方を考えよう」でも書いていますが、いま世の中にはパワーシフトが起きています。たとえば、大企業しかできなかったことを、個人でも行うことができる時代になっています。
その背景にはITの進化があります。そのため、昔なら数百万のお金が必要だったことでも、いまでは無料でできるようになっています。実際に、わたしもSalce forceのような顧客管理を無料アプリケーションで代用しています。メルマガも無料で配信し、サイトも無料で作成しています。
そのため、事業の節約が簡単になる時代が到来しているのです。事業の節約が可能になれば、チャレンジ回数も多くなりますので、成功確率も高まります。これが、チャレンジしやすくなった1つ目の理由です。
2つ目の理由は、人生100年の時代に突入したことです。
「LIFE SHIFT」にも書かれていますが、ミレニアム世代の平均寿命が100歳を超えています。
そうすると、時間的な猶予があります。30歳で子供を産んで、育て上げる。子供が20歳になったとき、自分は50歳です。残りの寿命は、まだ50年もあるというのです。
子供が自立する年齢になっても、人生はまだ折り返し地点に来たばかりです。そのため、①大学を出る、②子供を育てる、③老後を過ごすという人生では時間が余ってしまいます。
そう考えたときに、「なにかにチャレンジしてみよう」という気持ちが後押しされます。
実際にミレニアム世代と話してみてください。「一生、会社員で過ごそうとは思っていない」という人が大半です。逆に「会社のために一生、頑張ろうと思ってる」という人がいると、浮いてしまうくらいです。
以上、金銭的な面と時間的な面と、チャレンジしやすい時代になった理由でした。