「人間は9タイプ」でわかったビリギャルの育て方

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る
人間は9タイプ

あなたは、何通りの教え方を使っていますか?

教え方のパターンを意識したことのない人は、とても損をしています。なぜなら、相手の能力を最大限に引き出せていないからです。

人間には9タイプあり、タイプに応じた教え方があります。ビリギャルの坪田先生の教える技術をシェアします。

人間は9タイプ

初版:2016年09月09日

出版社:KADOKAWA

著者:坪田 信貴

能力を最大限に引き出す教え方とは?

あなたは、何通りの教え方を使っていますか?

教え方のパターンを意識したことのない人は、とても損をしています。なぜなら、相手の能力を最大限に引き出せていないからです。

たとえ兄弟姉妹であっても、「同じ育て方」や「同じ勉強の仕方」「同じやり方」でうまくいくはずがないということに、そろそろ日本人は気づいたほうが良いと思うのです。
つまり、30~40人全員に「同じ授業」をするスタイルでは、うまくいかない子がたくさん出てくるのは至極当然なのです。
それは、生徒全員に同じサイズの服を着せているのと同じです。似合う子もいるかもしれませんが、サイズが全然合わず、すぐ脱げたり、窮屈すぎて苦しかったりして、服を着るのが(=勉強するのが)イヤになる子も多く出てくるのは仕方がないとも言えます。

上記の通り、人はそれぞれ異なった人格・性格を持っています。その人それぞれに応じた教え方ができれば、最大限に能力を引き出すことができます。

ただし、人を見極めるのは簡単なことではありません。どうすれば、良いのでしょうか?

そこで有益なのが、エニアグラムです。エニアグラムとは古来から性格診断として有名な手法です。この診断は90問の質問を通して、人を9タイプに分類しています。

読者のみなさんも、「人間は9タイプ」であると知ることで、”人間関係の構築や、子どもや後輩などの人材の指導・育成”が劇的にうまくいくようになります。
もちろん、あなた自身をどう伸ばしたらいいのか、どうしたら自分自身の心が満たされるのかを知るのにも、大いに役立ちます。

参考:エニアグラムで自己分析

ビリギャルを指導した坪田先生がタイプごとの特徴と教え方を、次章でシェアします。

エニアグラムでわかる人間の9タイプとは?

エニアグラムで診断すると、人間には9タイプあります。その9つとは、完璧主義者・献身家・達成者・芸術家・研究者・堅実家・楽天家・統率者・調停者です。

どれか1つにキレイに分類されることばかりでなく、2つ3つの要素を併せ持ってる人もいます。ちなみに、ビリギャルは楽天家タイプだったそうです。それでは、1年でビリギャルの偏差値40以上引き上げた坪田先生のタイプごとの指導法を紹介します。

ケーキ

完璧主義者タイプ

  1. 段取りや計画がうまくいってないと、その時点で悩んで手が止まってしまうタイプ。事前にある程度の予測をしておき、「ここまでの遅れなら問題ないよね」という見込みを最初に確認する。
  2. 身近にいる「優秀な子」と比べて勉強がはかどっていないと落ち込むタイプ。本人の過去の進捗と、その結果のデータをとっておき、「以前もそうだったけど、試験の結果は良かったよね」などと伝えられるとベスト。
  3. 計算ミスを気にして、検算をしすぎる傾向がある。結果、全体の作業が遅れるので、「検算は1回まで」などルールを決めると良い。
  4. 時折、全体の時間配分を意識させる。「内容の正確さも大切だけど、全体をちゃんと終えるには、時間配分の正確さも大切だよね」と伝える。
  5. 「目標」を達成すると、しばらく抜け殻のようになるので、「目標」を達成させようとしないこと。「シリーズ物の参考書や問題集」のような、長く引き伸ばせるものを利用するほうが良い。
  6. 「うまくいかないほうが当たり前」と事前に伝えておき、「うまくいかなかった時にどう修正するか」という計画を最初に一緒に立てておく。「いまくいった時にどうするか」は、その「ダメだった時のプラン」の”あとに”考えるとなお良い。
  7. 小テストなどでは、70点を合格ラインと決めておく。

献身家タイプ

  1. 自分より、他人のため」とするほうが勉強がはかどるタイプ。「家族みんなの夢」や「家族みんなの目標」といったことの中に、その子の勉強の目標を盛り込むと良い。例えば、「今年1年の家族の目標」として、「お母さんはダイエットのために運動を毎日20分以上する」「○○は、自立するために受験勉強を毎日2時間する」「お父さんは?」といった感じで決めておく。
  2. その上で、「(家族の目標達成のために)今日も勉強してくれて、ありがとうね」と日々感謝すると意欲を保てる。
  3. 「自分で、何を勉強するか」を決めさせる。志望校を決める際も、相談には乗っても、「決断」は本人にさせること。さらには、晩ご飯のメニューやおやつの内容など、とにかく小さなことでも、本人に短時間で「決断」させる練習を家庭内ですると、勉強でも良い効果が表れる。
  4. 人に尽くすのが好きだが、それによって発生する心の負荷を溜め込む傾向が強い。勉強の日報もかねて、1行交換日記を実施すると、本音を吐露してくれやすくなり、心を安定化できる。この子が良かれと思ってしたことに対して、他の人から感謝してもらえないと、ストレスになって爆発することもあるので、その交換日記を通じて、1つ1つの親切にちゃんと感謝していけるとベスト。感謝の言葉の効果がとても高いタイプ。

達成者タイプ

  1. 時間内に終わらせることにこだわり過ぎ、勉強の中身がおろそかになることも。同じ問題集を2冊買い、1冊やり終えた後に、もう1冊を、短時間で解いてもらって、満点を取れるかどうかチェックすると、内容をちゃんと理解しているかの確認になって良い。
  2. じっくり取り組ませる勉強法が成績UPにつながるタイプ。まず「分習法」で勉強してもらったあとで、1週間分の内容を「全習法」で復習してもらうと良い。
  3. 「質」より「スピード」にこだわるタイプ。確かに「スピード」も大事だが、「スピード」を意識しすぎるあまり、「正確性」に欠けてしまうことがよくあるので「正確性」を意識するように指導すると良い。
  4. とはいえ、勉強における「スピード」感は、つけようと思ってもなかなかつけられない「天性の才能」。そこは本当にすばらしいので、そこを認めこそすれ、けなすことは絶対にしないように。

芸術家タイプ

  1. 「一番売れている!」といった宣伝文句の参考書や問題集は渡さないほうが無難。基本、自分自身でユニークな教材を選ばせるほうが良いが、もしも相談を受けた時には、ちょっとマイナーな参考書や問題集をすすめるほうが良い。例えば数学では、「チャート式」ではなく、同じような内容でスタイルが違う教材を選ぶと良い。「あなたは個性的だから、多くの人が使ってるやつより、こっちのほうがいいかと思って」という伝え方で、知る人ぞ知る教材を渡すと、心に響きやすい。
  2. 「”普通の人”なら、やりきるのにこれぐらいの時間がかかるらしいんだけど、あなたは特別だから、もうちょっと早くできるかもね」などと促すのも有効。
  3. 人と同じことが嫌いなので、成績や勉強のやり方を「きょうだいと比べる」のは厳禁。きょうだいと比べられ、その分野で相手のほうが優位だと「もうやらない!」となりやすい。特にその子が弟や妹の場合は、兄や姉のほうがその分野で先に進んでいることが多いので、「同じ土俵では戦わない」ことを選択しがちとなる。
  4. 集団授業を受ける塾より、個別指導塾や家庭教師の方が成績が上がりやすいタイプ。とはいえ、”自分のテリトリーに入られることを嫌がる”面もあるため、「家庭教師は嫌!」という拒絶反応を示す可能性もある。その場合は、「リビングにお母さんも一緒にいるから大丈夫!」というような対案を用意しておくと良い。
  5. 「説得」は絶対にしないこと。1度「ノー」となったら、説得すればするほど「ノー」が強くなる。どうしても「説得」したい場合は、その場ではなく、また別の日に。あるいは、違う話題を挟んで気分転換をさせる。基本的に気分屋なので、「イエス」か「ノー」かを聞く前に、ある程度、事前に外堀を埋めておくほうが良い。
  6. 本人の価値観が独特なため、少々指導が難しい。しかし、本人の価値観を否定したり、からかったりは絶対にしないこと。その価値観に沿う形で、いかに勉強に向き合わせていくかが重要。それで、その後の勉強への取り組み方が大きく左右される。
  7. いずれにせよ「気分屋」であることに、こちらがイラつかないこと。予想とは違う答えが返ってきても「あなた変わっていておもしろいね!」という広い心で接するほうが良い。

研究者タイプ

  1. 興味を持つことはとことん勉強するタイプなので、その研究心にいつでも対応できるよう、辞書や図鑑、百科事典などを常備しておくと良い。幼い頃から多くの分野の学問に触れさせると、強い興味を持つ得意分野が早く見つかりやすい。
  2. 放っておくとテストに出ない「範囲外」のことや、必要以上に細かいことまで勉強してしまう。テスト前などは、学習計画を作成させ、「時間」を守るように管理する。
  3. 一人で勉強させると方向性がずれがちとなる。よって、自宅浪人などをさせると思った以上に成果が出ず、失敗してしまいやすいタイプ。ベストなのは、”頼れる兄貴”的な先生と一緒に勉強すること。
  4. 調べものにとても長けているタイプ。なので、「疑問をぶつける」形式で指導すると良い。例えば、「イギリスって何で日英同盟を結んだのかね?」と聞いてみる。テスト前には、「どういうところがテストに出ると思う?」と聞いて、まずテスト範囲を調べさせてから、学習計画を立てるとより効率的。
  5. 5教科の学習への適正を一番持っているタイプ。自分で調べものをする能力は、すでに身についているはず。しかし、1つのことにのめり込みがちなので、数学が得意だったら、ひたすら数学を極めてしまう傾向がある。適度に違う教科の学習を促す方が良い。
  6. 本人はぶ厚い参考書問題集を求めがちだが、薄い問題集で、全体像をすぐ把握できるものを渡すほうが良い。また、「解説が詳しい」ものを選ぶこと。

堅実家タイプ

  1. 大きな目標を立てるとやる気を失う傾向がある。必ず小さな目先の目標を”一緒”に立てる。例えば、「まず、この問題とこの問題を一緒にやってみようか。お母さんここにいるからね」といった感じで、最初のほうは一緒につきあい、そこから徐々に離れていくと良い。
  2. このタイプの子は、成績を伸ばしやすい。コツコツ学習する習慣を少しずつ始めるように促す。勉強は、いかに継続できるかがポイントなので、こちらも気長に接すること。
  3. 長期目標立ててもやる気にあまり影響しないが、短期目標を立てると、そこに向かってひたすら努力するタイプ。例えば、「志望校への合格」という目標より、「次の定期テストで90点を取る」といった比較的近い目標を設定する。あるいは、1日の最後に「小テストをする」と宣言しておくと、集中して学習しやすくなる。
  4. 教材をあれこれ渡すより、1つの教材をじっくりをやらせたほうが良い。「厚め」の教材や「シリーズ」ものを渡し、教材の種類をあまり増やさないほうがベター。
  5. ある程度「現実的」な目標を立て、それをクリアしたら、さらに目標を高くしようと伝えると良い。

楽天家タイプ

  1. とにかくノリ重視のタイプ。答えたり、できたり、少しでも取り組んだりした際に、すごく喜んだり、ハイタッチしたりすると、学習のテンションが上がる。
  2. とぼけたことを言ったら、即座にツッコんでいじると、親しくなりやすい。
  3. 薄めの問題集をたくさんやらせて、それを目の前にドンと重ね、「もうこれだけ、やったんだぜ!」と数を数えさせたりすると燃えてくる。そうすると、サンクコスト効果も絶大となる。つまりは、「ここまでがんばったのに、今さら、それが無駄になるのは嫌だ!」となり、途中で投げ出すことが少なくなる。
  4. 薄めの問題集に関しては、1週間から2週間で1つのテキストを終えるような目安で進めると、飽きにくい。
  5. 好奇心旺盛で、とにかく何でもガンガンやるので、軌道に乗ると、いちいちそれをこちらが喜ばなくても、自分で気持ち良くなってやり続ける。
  6. 「よくがんばってるね」といったフィードバックは、明るいトーンで行なう。失敗しても、努力したことなどを認めて喜ぶこと。成功した時は、笑顔を見せるぐらいでもOK。とにかく明るくポジティブに接することがポイント。
  7. 「つめが甘い」ので、親や指導者がガミガミ言いがちになるか、それは圧倒的に逆効果なので、やめたほうが良い。

統率者タイプ

  1. 秘密を作らないことが大切。正直に、自分の指導方針などを伝える方が良い。その際、あまりにも正直に「このやり方は自信ないんだけど」とか「お母さんは、あまりこの教科が得意じゃないから」といった本音を言い過ぎると、一気に求心力がなくなる。基本、自信満々で「こうやれば絶対大丈夫だから!」と伝えるほうが良い。
  2. そのいっぽうで、その子に対する信頼も明確に伝える。「この教科が得意な私ですら、あなたに頼るのよ」という伝え方をすると良い。
  3. 白黒をはっきりつけたがる傾向が強い。「それはどっちでもいい」といった解説はしない。「こっちは正解なぜなら…」と明確に伝える。
  4. 今日中に課題を終わらせれば「あなたの勝ち」、できなかったら「あなたの負け」と、勉強を勝負に置き換えるとやる気がアップする。
  5. 権威に弱いタイプ。「有名な書籍」とか「偉い人を書いた参考書や問題集」を渡すほうが良い。また、合格実績がすごい先生に教わると俄然努力し出す。
  6. 負けず嫌いなので、競争させると良い。近所の友達はきょうだいと比べると、「なにくそ!」とがんばる。ただし、仮にその子が「弟」で、「兄」と比べることで負けん気を発揮して兄に勝ったとしたら、その子にとってはプラスでも、兄にとっては完全にマイナスとなる。なので、あまりきょうだいでとは比べずに、害のない対象と競争をさせるほうがベター。
  7. 「次のテストで80点以上取れば子供の勝ち、取れなければ負け」と、試験に関しても”勝ち負け”を意識させるとやる気が高まる。あるいは友達とテストの点数で勝負させても、意欲は高まる。
  8. 「次のテストで80点以上を取ったら、何か好きなお菓子を…」といったに報償に一番食いつくタイプ。その場合は、達成できなかった場合にあげるものを考えておく。本人は、勝ち負けに興味があるだけなので、結果がプラスでもマイナスでも、さして変わらないものあげたほうが、次から次へとものを要求されずに済む。

調停者タイプ

  1. とにかくマイペースで、目標達成の意識が低い傾向があるタイプ。放置をしてしまうと、いつの間にか「ものすごく遅れている」という状態にもなりえる。
  2. 優柔不断で、ピントがぼけていることも多々ある。わかりやすい「数値」目標を設定し、それを達成することがいかにすばらしいことか何度も体感させると良い。例えば、「1分考えてみて!」と伝え、「すごいじゃん!ぴったり1分考えたね」といった感じ。そこでハイタッチをしたり、背中をなでたりし、「目標を達成すると、気持ちいい」というイメージを幼少期から植えつけるほうが良い。
  3. 人がそばにいると注意散漫になりがち。なので、バリバリの進学塾のようなところに通わせると、ひたすら萎縮して、ついていけない状態になることがあるので要注意。

教育の目的は、なにか?

なんのために教育をするのでしょうか?

子どもだけでなく、部下や後輩の教育をしている人も多いでしょう。教育の目的を正しく認識することは、とても大事です。なぜなら、無自覚に「自分の利益のために」他者を教育している人が多いからです。

たとえば、子どもや部下、後輩にやる気がないと嘆いている人を考えてみてください。その場合、なにに対してやる気がないと嘆いているでしょうか?

「○○は○○に関して”やる気”がある」

という状態になってほしいとした時に、この空欄に入る言葉は何でしょうか?坪田先生は、このように問いかけています。

空欄に言葉を入れるとわかりますが、それは自分の利益になることを望んでいます。わたしも、とても反省しました。自分の利益になることを相手に望み、期待通りの行動ができていないからといって、相手を非難していたのです。とても身勝手な教育目的です。

では、教育の正しい目的とはなんでしょうか?

「教育の目的は?」と聞かれて僕が答えることが3つあります。
1つめは、子どもが「自信をつける」ことです。
2つめは、子どもの「居場所を作る」ことです。
3つめは、子どもに「他者への敬意を抱かせる」ことです。
社会に出て生活していく際に、「私は何に関心がありません」という状態では、悲しいことも多いでしょう。また、「私には居場所がありません」というのもつらいです。そのいっぽうで、自信もあるし、居場所もしもあるけど、「他者をいつも見下している」状態では、社会ではうまくやっていけません。

坪田先生いわく、教育の目的はこの3つです。

  • 自信をつける
  • 居場所を作る
  • 他者への敬意を抱かせる

1つずつ、どうすればいいのか解説していきます。

自信をつける

相手をむやみやたらに叱ってはいけません。いつもいつも否定的な言葉を投げかけられて、自信満々になれる人なんていません。

もっと自信を持って、シャキッとしなさい!とキツく言われて、自信を持てる人がいるでしょうか?

言外に、自信がなさそうな態度だから、あなたはダメなんだと相手に伝えておきながら、自信を持てとは無理は話です。まさに北風と太陽の話です。

親や先生は、子どもにとって一番身近な「他者」です。そんな親や先生が、「あなたのこんなところがすばらしいの!」とか、「君は本当にやさしくて思いやりのある子だな」とか、「あなたってほんと、天才だと思う!」ということを、これでもか!というくらい伝えたらどうでしょう?
そうしてこそ、本人の中に自尊心が芽生えます。それでようやく、自分との約束を設定して、それを守ることをくり返すようになるものなのです。
子どもは、そうした教育を経て「自信を培っていく」のではないでしょうか。

相手に、自分の良さを自覚させることです。そうすると、少しずつ自信を持つことができるようになります。

居場所をつくる

20代読書会_人気

上手くいかなかったとき、失敗したとき、人はそれを隠そうとします。そして、自分の非は認めたがらないです。さらに、他人を攻撃することで、自分の正当性を証明しようとさえします。

なぜ、人はこんなにも保身に走るんでしょうか?それは、根底に「ありのままの自分では存在価値がない」という感覚があるからです。

要するに、人間は「保身」をくり返しながら生きることで、他者との関係性を毀損していきます。すると、社会の中に居場所がどんどんなくなっていくのです。
その「保身」をしてしまう根底には「リアルな自分なんて、他人には受け入れてもらえないんじゃないか?」という他者に対する不信があると感じます。
これは、1つめの「自信」が問題とも関係するのですが、人間は、「自分のことを絶対的に肯定してくれる関係性」がありさえすれば、必然的に「その相手のためにも、がんばろう」と思うものです。そういう関係性がありさえすれば、人は窮地に陥った際に、その人に助けを求めることをします。それによって、助けが必要な人を、ある一線を越える前に助けることができるようになるのです。
教育を通じて、「自分のことを絶対的に肯定してくれる人がいる」「保身をしなくてもリアルなー時に人に迷惑をかける失敗をしてしまう自分を、受け入れてくれる人がいる」という感覚を養うことは、とても大切だと思うのです。

坪田先生のいう「居場所をつくる」とは、何があっても絶対的に自分を肯定してくれる存在がいるという認識を持たせることです。

これは、とても重要な感覚です。なぜなら、なにかにチャレンジするとき、必ず問題が起きるからです。そして問題が起きるたびに、自分の存在意義が脅かされていたら、前に進むことができません。

一方で、どんなに大きな問題を抱えても、自己肯定感があれば立ち向かっていくことができます。相手の人生のため、居場所をつくること、重要です。

他者への敬意を抱かせる

笑顔

生意気な人、いますよね?(笑)

他人に敬意を抱いていない人、口の悪い人、そういう人に対して、どう他者への敬意を抱かせればいいんでしょうか?

その子に接する大人が、その子に対して敬意を払えば良いだけなのです。
そうすれば、心理学でいう「好意の返報性」により、子供がその相手に対し敬意を払うようになります。
言葉遣いがとても生意気な子であっても、そこを指摘せず、一方的に丁寧に敬語で接していると、自然と、子どもも敬語で話すようになるものです。
むしろ、言葉遣いが生意気な子は、力や権力で押さえつけようとすれば、必ず反発してきます。
世の多くの親御さんや教師が、「下手に出ると子どもがつけ上がって良くない」「褒めると、調子に乗って子どものためにならない」などと思い込んでいます。
そして、その理屈のもとに、思い通りに動かない子どもを叱ったり、罰したり、切り捨てたりしようとする傾向が強くあります。
しかし、そうした叱責や罰によって、子どもが本当に”心から”他者に敬意を払うようになるものでしょうか?
悪意に満ちた殺人鬼や、あなたを殺そうとしている猛獣を相手にしてわけではないのです。徹底的に下手に出るくらいで、実はちょうどいい、というのが僕の経験則でもあります。

そして、こう続きます。

そもそも、「褒めると調子に乗る」なんて言いますが、調子に乗って何が悪いのでしょうか?経験が浅いうちから萎縮しているぐらいなら、調子に乗せたほうが断然良いのです。むしろ、子供が萎縮して、ひたすら従順であることを望む社会など、病的であるとすら言えるのではないでしょうか。

子どもは、親の言葉ではなく、行動を見ていると、よくいいます。たとえば、子どもに本を読ませたいなら、自身が本を読むことです。楽しそうに本を読んでいたら、読むなと言っても、子どもは隠れてでも本を読むでしょう。

他者に敬意を抱かせるのも同じです。子どもや部下、後輩に敬意をもって接していれば、相手も同じようにしてきます。

人は必ず他人から学び、協力を得ないと生きていくことができません。しかし、人を敬う気持ちがないと、学びも協力も得られません。他者に敬意を抱くことで初めて、森羅万象の精神を持てます。

相手が今後も成長し続けられるように、他者への敬意を教えてください。

20代読書会に申し込む

20代読書会は、年間1,000人以上が参加しています。東京で最大の読書会です。毎週開催しており、読書好きが集まって楽しく社外のネットワークを広げています。


申し込む

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*