
いま磨くべき能力はなにか、わかりますか?
人間の知的能力は3つあります。そのうち1つは、まさにAIが得意とし、人間から仕事を奪っていきます。今回は、いま磨くべき2つの知的能力をシェアします。
開催報告:20代読書会in東京
日時:11月25日(土)09:30-12:00
参加者:21名(男性:13名、女性:8名 初参加:7名、リピーター:14名)
20代読書会in東京の感想
知らない本を知れた。(25歳・男性)
他の本の情報を得られる。自分の本についてまとめる機会ができる。(24歳・女性)
自分にない考えを知れてよかった。(23歳・男性)
読んだことのない本が紹介されていて面白かった。(27歳・男性)
みずほが従業員3分の1をリストラする時代
3メガが大規模リストラへ 3万2000人削減 三菱UFJは店舗2割統廃合も
一方、みずほFGも今後10年程度で、グループ全体の3分の1に相当する約1万9000人分の業務量を削減する計画だ。事務作業の自動化や店舗の再編を進め、浮いた人材は営業現場に回す。大量採用されたバブル世代の退職が近づく中、新規採用は抑制する。国内外の従業員は現在の約6万人から、26年度までに約4万人へと段階的に減る見通し。早期退職の募集はしないとみられる。
本当にすごいニュースが流れています…。みずほ一筋で頑張ってきた40代や50代は、戦々恐々としているでしょう。
では、なぜこんなにリストラが進んでいるのでしょうか?「未来の年表」に、こう書かれています。
- 2023年 人件費がピークを迎える
- 2030年 地方から、百貨店、銀行、老人ホームがなくなる
日本は団塊の世代(ベビーブーマー)が突出しています。そして、その人たちが60歳を迎え、人件費がかさんでいるのです。それと同時に、人口減少社会なので、地方の支店はどんどん採算が取れなくなっていきます。
この予測が現実になってきたので、23年から30年の一番厳しい時期に備えて、大幅な人員削減に踏み切るようです。
では、どのように人員を削減するのでしょうか?引用部分にも一部書かれていますが、事務作業の自動化や無人店舗などを検討しているそうです。つまり、AIやデジタル技術の活用に力をいれていくのです。
ちなみに「事務作業の自動化」と聞くと、アルバイトの方や派遣社員のリストラに聞こえるかもしれませんが、そうではありません。リストラは、もちろん人件費の高い人から優先的に行われていきます。その理由は2つあります。
- 機械に代替してコストメリットが出るから
- アルバイトや派遣社員は、いつでも人員調整ができ、会社にとって負担が少ないから
そのため、残念ながら40代、50代以上の高所得な従業員が血の海となるでしょう。
リストラ対象の人たちも、まさかみずほが3分の1もリストラをするようになるとは、夢にも思っていなかったはずです。10年前にリーマン・ブラザーズが倒産して、安泰などどこにもないと言いつつも、対岸の火事だったと思います。
でも、一人一人が自分の将来に対して、本当に責任を持つ時代が来ました。将来のリスクを自分で調べて判断していく必要があります。みんながやってるからという理由で、同じことをしていたら、とんでもないリスクを背負うことになります。
先日、ある話を聞いて、驚くことがありました。
公務員になって市役所で働きたいという大学生がいたです。理由は一生安泰で給料が高いからというのです。みずほ銀行のニュースを伝えてみましたが、だから民間よりも公務員なんです!ということでした。
でも、残念ながら、その見通しが甘いでしょう。なぜなら、人口が減っていく中で、市の税収も減少していきます。いまと同じように人件費を捻出することは、難しくなっていきます。
そして、市も統廃合を繰り返し、人を減らし、業務を自動化していくことは目に見えています。もし、自動化しなければ、機械よりも安い人件費しか払うことはできなくなるでしょう。一生安泰で給料が高い市役所職員は、いまの日本にはありません。
偏見は無知から生まれるといいますが、盲信も無知から生まれます。
AIに代替されない知的能力とは?
いま磨くべき能力はなにか、わかりますか?
人間の知的能力は3つあります。①知識・記憶、②対人感性力、③地頭力です。そのうち①知識・記憶は、まさにAIが得意としている分野です。人間がAIに勝つことはないでしょう。
そのため、これからの時代は②対人感性力と③地頭力を磨く必要があります。これこそが、人間が司る仕事になっていくでしょう。3つの知的能力を詳しくみながら、解説していきます。
①知識・記憶 ×
専門性の高い仕事で必要とされる知的能力です。たとえば、弁護士や公認会計士のような士業が代表的です。教師も当てはまるでしょう。
知識・記憶だけで勝負する仕事は、残念ながらAIやソフトウェアに代替されていきます。ある本に、こんな記載がありました。
医師のように高度な知能労働と考えられているような分野でも、人工知能のほうが得意な仕事はこれからもたくさん出てきます。ここで特に注目すべきは、ワトソンが2000万件もの癌に関連する医学論文を読み込んでいるということです。
人間の医師がひとつの論文を読むのに1時間かかるとして(実際にはもっと長くかかると思いますが、とりあえず1時間と仮定します)、年間365日の毎日、1日10時間ずつ論文を読み続けても3650本の論文しか読めません。このペースで2000万本の論文を読み終えるには5400年以上かかります。つまり人間はそんなに大量の論文を読むことはできないのです。
こういった事例に関して、人間の医師と人工知能のどちらが賢いか、などという議論は意味をなしません。ポイントは、「大量の専門文章を読み込むという仕事に関して、人間と人工知能の生産性は比べようもないくらい異なる」という点にあるのです。
この記載にある通り、AIが得意な分野では、人間が張り合っても意味がありません。それは新幹線よりも早く走れるか?と競争するのと同じくらい無意味です。そのため、知識・記憶で勝負している場合は、対人感性力や地頭力を磨き、仕事に付加価値をつけていく必要があります。
②対人感性力 ○
これは対人関係力と言い換えてもいい能力です。人と共感したり、機微を感じたりする力です。スナックのママや牧師などが当てはまるでしょう。
この能力はAIに代替されることはありません。ペッパーくんがかわいいと言っても、ペッパーくんに悩みを打ち明けて、心が軽くなる人はいないでしょう。それなら、壁に向かって話しているのと同じです。共感してもらったり、絶対的に肯定してもらったりすることは、とても大きな意味を持っています。
それは宗教を考えるとわかります。
たとえば、キリスト教を考えてみてください。聖書の内容が本当に正しいと考えている人は、ほとんどいません。それでも何千年も存続し、いまでも十億人以上の人が信仰しています。これが企業だったら、とんでもないことです。
では、牧師が提供しているものは、なんなんでしょうか?
対人感性力です。もしくは、教会のコミュニティです。聖書の「知識」を提供しているわけではありません。AIの台頭で、ますます対人感性力の重要性は増していくでしょう。
③地頭力 ○
これは、頭の良さです。地頭力は3つの要素で構成されています。それは仮説思考、フレーム思考、抽象的思考です。これもAIには代替されない能力です。
たとえば、抽象的思考ですが、AIには抽象化ができません。猫や犬の写真を見せたら、その個別具体的な猫や犬を認識するだけです。一般的な猫や犬を概念として理解することはありません。まして、猫と犬を見せて、一段階抽象化して「動物」と認識することもできません。
では、抽象的思考ができると、なにがいいんでしょうか?
それは、応用です。
具体的な事例を数件調べて、抽象化し、仮説を立てます。そして、別の事例に応用することができます。これは抽象的思考がないとできません。
よく”人のふり見て我がふり直せ”と言いますが、これも抽象的思考です。自分の失敗からだけでなく、他人の失敗からも学べるのは、他人の失敗を抽象化し、自分に応用して考えているからです。
この地頭力は「地頭力を鍛える」という細谷 功氏の本に詳しく書かれています。気になる方は、ぜひ読んでください。
はい、以上です。
いま磨くべき知的能力は、対人感性力と地頭力です。AIに代替されず、高い所得を得ようとするならば、この2つの能力は必須になります。ぜひ、磨いてみてください。