
なぜ、結婚をするのでしょうか?
それは、絶対的に肯定される居場所を求めるからだと思います。今回の読書会でわかった結婚の理由をシェアします。
開催報告:20代読書会in東京
日時:12月23日(土)09:30-12:00
参加者:28名(男性:13名、女性:15名 初参加:5名、リピーター:23名)
20代読書会in東京の感想
和気あいあいとしていて、良かった。(26歳・女性)
自分が普段読まない本の話を聞けた。
本を読んで終わりではなく、自分がどう思ったかを他人に伝えられた。(24歳・女性)
普段読まないタイプの本を多く知れた。(26歳・男性)
見たことのない本ばかりで、自分が興味をもつ分野ではない分野に興味をもつことができました。(26歳・女性)
読みたい本listが、また増えました。(26歳・女性)
知らない分野の本への知識。(32歳・女性)
なぜ、結婚するのか?
結婚(事実婚)は、自分の居場所を求めているのだと思います。
朝井リョウの「何者」でも、自分の居場所がテーマとなっています。これは就職活動をする大学生たちの小説で、現代のあるあるを描いています。
そして、終始カギとなっているのは、自分は誰にも肯定されないのではないか?という恐怖心です。そのため、自分をよく見せたり、バカに見せたり、一歩引いて見ていたりします。SNS上で、こう見られたいという自分像を表現しながら話が進んでいき、最後にどんでん返しが待っています。SNS世代には、とても共感できる小説で、おもしろいです。
このように、人は、根底にありのままの自分では受け入れられないんじゃないか?という恐怖感を抱いています。自分の素直な感情や思い、考えを表現したら、他人から拒絶されるのではないか?と恐れています。
そのため、自分を受け入れてくれる居場所を欲します。その最小単位の居場所が結婚相手(パートナー)なのです。
そして、その居場所は、家族や友人、同僚となるにつれ、広がっていきます。広い人間関係に居場所がある人は、とても安定した愛着を持つことができ、幸福感も高くなります。
ちなみに、映画ブレードランナー2049では、AIと人間が恋愛をするシーンが描かれていましたが、わたしはAIとの結婚は無理だろうと思います。AIに肯定されても、そこに居場所を感じることはできないからです。また、「何者」のテーマにあるSNSに居場所を求めるのも難しいでしょう。なぜなら、SNSは(不特定)多数を相手にしているので、万人に受け入れられることはないからです。
居場所を求めて、リアルの人間関係より、SNSの人間関係に目を向ける人もいると思います。しかし、それは逆効果です。一人でもいいので、自分を絶対的に肯定してくれる存在を見つけたほうが、居場所は見つかります。
結婚は、そういう意味で、互いの居場所なのだと思います。だから、人は結婚を望むのではないでしょうか。
なぜ、20代後半に結婚ラッシュが来るのか?
それは年齢とともに、自分の居場所が減っていくからです。
10代は親が居場所となってくれます。多くの親は、なんだかんだいって子供の可能性を信じ、応援してくれます。最後の最後まで見限ることはありません。困ったことがあれば、最後に駆けこめるのは親です。
そして、10代には学校もあり、そこには友達もいます。10代の人間関係は、気の合う人と友達となり、気の合わない人とは関わらないということができます。そのため、比較的居場所を見つけやすいのではないかと思います。部活動で同じスポーツをしている友人などは、特に居場所になりやすいです。幸運に恵まれた人は、教師も居場所になってくれると思います。
次に20代前半です。大学を卒業したばかりなので、大学時代の友人が居場所となります。
就職して大幅に環境が変わる反動で、毎週のように大学時代の友人と会ってる人もいるでしょう。中には、地方から東京に毎週のように遊びに来る人もいます。もはや、大学時代よりも、頻繁に会ってる人もいます。そして、同じ境遇にいる同期のつながりもあります。これも自分の居場所となるでしょう。
しかし、問題は20代後半です。
毎週のように会っていた大学時代の友人も、20代後半になれば疎遠になります。同期との会合も、そう頻繁にはなくなります。中には転職したり、結婚したり、独立したりする人も出てきます。
そうした中で、パートナーの重要度がますます高まってくるのです。
気がついたら、彼氏・彼女以外と遊びに行くことがほとんどないという人もいるでしょう。連絡を取り合うのも、彼氏・彼女だけだったという人もいるのではないでしょうか。
その結果、20代後半で結婚をする人が多いのだと思います。
もちろん、子供の問題や、人生の見通しが立つタイミングなど、他の要素もああります。しかし、20代後半で自分の支えになる人の重要性に気づく人は多いのではないでしょうか。
なにを結婚相手に求めるのか?
大切なのは、肯定感です。
これは、どんな意見にも賛同してくれるという意味ではありません。意見の違いは問題ないです。でも、価値観の違いは致命的だと思います。
そういう意味では、価値観が一致していることが重要です。
ちなみに、意見の相違は、お互いが知り得てる情報の違いや、その情報の解釈の違いで発生します。そのため、同じ情報を知ったり、解釈を変更したりすることで、意見は変わります。1時間もあれば、意見を変えることは難しくないでしょう。
たとえば、服を店で買うAさんとネットで買うBさんがいたとします。
二人が買い物に行き、服を試着し、買いたい服を決めたとしましょう。そのとき、会計に行こうとするAさんと、その店のアプリから買おうとするBさんに行動が分かれます。
Aさんの考えはこうです。服はサイズや色の違いがあり、在庫が少ない。いま買わないと、買えないかもしれない。だから、在庫を確保できる店頭で、いますぐ買ったほうがいい。
Bさんの考えはこうです。オンラインストアの在庫は、リアルタイムで検索できる。アプリから買えば、割引が適用され、明日には届く。店頭で買っても今日は着ないのだから、割引が適用されるアプリで買ったほうがいい。
この場合、二人が話し合えば、Aさんもアプリで購入するかもしれません。なぜなら、Aさんの情報が更新されれば、同じ結論になるからです。
一方で、価値観の違いは、人生の基本方針の違いです。
意見のように1時間やそこらで変わるものではありません。変化があるとしても、5年や10年などの時間を必要とします。
たとえば、先ほどの例で考えてみましょう。
Bさんは、割引のためにアプリで購入することを決めました。ところが、Aさんが「割引?わたしはいいや。お金が足りなくなったら、親からもらうから」と言ったらどうでしょうか。
意見の違い以上に、価値観の違いを感じるでしょう。そして、BさんはAさんと結婚することはないでしょう。これが価値観の違いです。
ということで、人生の基本方針である価値観が一致していることが、結婚相手とは重要なのではないでしょうか。