
フィナンシャル・リテラシーを身につけていますか?
お金の知識は社会人には必須です。なぜなら、日本は資本主義国家で、リテラシーなき者は合法的にお金をむしりとられるようにできているからです。
今回は読書会で紹介いただいたフィナンシャル・リテラシーについて、シェアします。
開催報告:20代読書会in東京
日時:12月27日(水)19:30-22:00
参加者:6名(男性:2名、女性:4名 初参加:2名、リピーター:4名)
20代読書会in東京の感想
自分が普段読まない本の話を聞けた。
本を読んで終わりではなく、自分がどう思ったかを他人に伝えられた。(24歳・女性)
普段読まないタイプの本を多く知れた。(26歳・男性)
見たことのない本ばかりで、自分が興味をもつ分野ではない分野に興味をもつことができました。(26歳・女性)
なぜ、フィナンシャル・リテラシーは人生に必要なのか?
日本は資本主義国家です。そのため、フィナンシャル・リテラシーなき者は合法的にお金をむしり取られます。
そのことを「さみしい時代だ」と嘆いてもはじまりません。いち早く、そのルールを理解して、身を守り、豊かな人生を築いていく必要があります。「なぜ投資のプロはサルに負けるのか?」にも、このように書かれています。
僕たちは日本という、市場経済が高度に発達した、紛れもない資本主義の国に住んでいます。それなのに多くの国民は、資本主義のルールやマーケットの仕組みに関してあまりにも無知です。僕自身、研究所の科学者を辞めてウォール街の一員になる前は、この本に書いたほとんどのことを知りませんでした。そんな最低限のファイナンシャル・リテラシー(お金の知識)を持たずに、よく平然と資本主義社会の中を生きてきたものだと、今思えば呆れてしまいます。
僕は大学を卒業して博士号まで取って、その後は世界的な研究機関で数理科学の基礎研究をしていましたから、世間一般で言えばかなり教養の高い部類に入っていたと思います。それなのにファイナンス、つまりお金の仕組みについては全く知らなかったのです。
このように日本国民は、学校から資本主義や市場経済の仕組みについて何も学ばないまま、卒業と同時に市場原理が支配する弱肉強食のジャングルに放り出されるのです。これはとても恐ろしいことだと思います。僕たち、先進国の住人は資本主義社会の中で生活しており、そこではファイナンシャル・インテリジェンスなき者は、ただただ合法的にむしりとられるほかないからです。
そして、フィナンシャル・リテラシーを身につけようと思っても、恐ろしいことがあります。それは眉唾な情報と真っ当な情報が、混在しているということです。そのため、多くの人が偽情報を本物だと誤解してしまっています。
本屋さんに行っても旅行コーナーで『ハワイの歩き方』のとなりに『ムー大陸の秘密』という本がいっしょに売られていることはまずありません。『ムー大陸の秘密』は旅行コーナーではなく、超能力とかUFOとかのコーナーに置かなければいけないことは、誰の目にも明らかだからです。
ところが、本屋さんの投資コーナーに行くと、この手のオカルト投資指南本と、大学教授が書いた堅い経済学の教科書がいっしょに売られていたりするのです。
これがマネーの世界の摩訶不思議なところです。
うまい儲け話など、存在しない
つい先日、とても興奮して不動産投資の話をしてくれた人がいました。
地方に木造で3000万ほどの投資用物件を買えば、必ず儲かるという話を聞いたというのです。そして、ある程度の貯金さえあれば銀行ですぐに融資を受けられる。だから、お金を用意して、購入しようとしているということでした。
それは、どこで知ったんですか?と聞くと、YouTubeで観たと答えるのです。
2040年には49.8%の市町村が消滅するといわれている日本で、自分が行ったこともない地方の物件を買って投資するなんて正気の沙汰とは思えません。ギャグでもかましてるのかなと思ったのですが、本気でした。本当に恐ろしい話です。
当たり前だと思いますが、そんな必ず儲かるようなうまい儲け話はありません。
しかし、不動産市場も、株式市場も多くのプロがしのぎを削っている場所ですから、素人がいくら頑張ったところで、そう簡単に割安なお買い得商品を見つけたりできません。なぜなら、金融商品の価格が適正な水準から外れると、目ざといプロが瞬く間に買ったり売ったりするので、大体の金融商品は適正な価格に落ち着いてしまうからです。
よって、ほとんどの金融商品のリスクとリターンはほぼ完全に釣り合っています。
簡単に言えば、世の中うまい儲け話はないということです。
投資はプロの世界です。たとえて言えば、ウォール街はメジャーリーグみたいなものです。少し本を読んで勉強したというのは、草野球で練習したくらいのレベルです。
150キロの速球が当たり前のメジャーリーグの試合に出ても、打てるわけがありません。ボールにバットがかすることもなく、三振し続けるでしょう。真剣にハードな練習を積み重ねてきた人でも、メジャーリーグにたどり着けない人は山のようにいます。
投資の世界も同じです。最高レベルのプロ同士がしのぎを削っているのです。素人が、その試合に割って入ったら、カモにされて終わりです。
また、投資の世界はプロ同士がしのぎを削りすぎて、上記のように価格の歪みが、ほとんどない世界となっています。そのため、皮肉なことが起きています。当たり前ですが、すべてのプロを平均すると勝率は50%となります。そして、プロに支払われる給与分だけ、損が出るようになっているのです。
ランダムに銘柄を選んで投資した場合、インデックスに勝つ確率と負ける確率はほぼ半々です。
前置きが長くなりましたが、実はプロ集団の運用成績を平均すると、サルがダーツを経済新聞の株式欄に投げてランダムに銘柄を選択して投資するよりも悪いのです。
なぜこんなことが起こってしまうのでしょうか?
プロ集団がサルよりもお馬鹿というわけではありません。プロ集団の実力は最悪でもサルと同じぐらいのはずです。ではなぜ平均するとサルよりも成績が悪いかというと、サルはせいぜいバナナを与えれば働きますが、投資のプロはかなり高い給料も払わないと働かないからです。
投資のプロに支払われる給料は、ダイレクトに投資信託のコストとして跳ね返ってきます。平均するところコスの分だけ、サルよりも運用成績が劣るのです。
このように統計的にまったく意味をなさない投資信託は今でもたくさん作られ、そして、たくさん売られています。
プロの勝率平均が50%を超えるには、多数の素人の参戦が必要です。素人が参戦して、価格にひずみが出れば出るほど、プロは儲けることができるのです。
ファイナンシャル・リテラシーを身につけよう
- 長寿化により、人生100年時代が到来
- 人口構成の変化により、年金・保険が崩壊する
- AI、ロボティクス、ブロックチェーンなどで産業が消滅する
このようなことが盛んに言われており、環境が大きく変化しています。そのなかで「稼ぐ力」の重要性が増しています。ちきりんも、「未来の働き方を考えよう」の中で、”サラリーマンとしてではなく、もっとマーケットの近くで直接お金を稼げるようにしておくべき“と提言しています。
お金を稼ぐには、お金の知識(ファイナンシャル・リテラシー)も最低限は必要となります。なぜなら、ルールをしらないと、豊かな才能も使われて終わってしまうからです。
でも、どうすればファイナンシャル・リテラシーを身につけられるの?と疑問に思う方も多いと思います。そんな方は、以下のような本を読んでみてください。眉唾な情報が多い中で、とても真っ当な本だと思います。
以上です。ファイナンシャル・リテラシーを身につけて、身を守り、資本主義社会を生き抜いてください。