「マインドセット」見栄から解放されてラクになった!

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マインドセット

うまくいかない自分を受け入れられず、苦しくありませんか?

それはマインドセットに原因があります。硬直したマインドセットの場合、結果が出ないと自分には存在価値がないと感じてしまいます。本書でわかった2つのマインドセットを紹介します。


マインドセット

初版:2016年01月21日

出版社:草思社

著者:キャロル・S・ドゥエック

2種類のマインドセットとは?

マインドセットは2種類存在しています。fixed mindset(硬直マインドセット)とgrowth mindset(しなやかマインドセット)の2つです。

そして、硬直マインドセットの人には、このような特徴があります。

自分の能力は石版に刻まれたように固定的で変わらないと信じている人ー「硬直マインドセット= fixed mindset」の人はー自分の能力を繰り返し証明せずにはいられない。知能も、人間的資質も、徳性も一定で変化しえないのだとしたら、とりあえず人間としてまともであることを示したい。このような基本的な特性に欠陥があるなんて、自分でも思いたくないし人からも思われたくない。

一方で、しなやかマインドセットの人には、このような特徴があります。

しなやかな心の持ち方、「しなやかマインドセット=growth mindset」である。その根底にあるのは、人間の基本的資質は努力しだいで伸ばすことができるという信念だ。持って生まれた才能、適性、興味、気質は一人ひとり異なるが、努力と経験を重ねることで、だれでもみな大きく伸びていけるという信念である。

人はこの2つのどちらかのマインドセットを持っています。もちろん、両方持ち合わせていて硬直マインドセットが優位な人もいれば、しなやかマインドセットが優位な人もいます。

そして、マインドセットはスポーツ、ビジネス、人間関係(恋愛、親子、友人、上司部下etc)や学習など、ありとあらゆる側面に影響を与えます。なぜなら、同じモノゴトであったとしても、マインドセットが異なると、180度解釈が異なるからです。

頭の中にあるチェックシートの枠組みを形作っているのがマインドセットである。これが解釈全体を一定の方向に導いてゆく。マインドセットが硬直していると、内なる声は自分や他人の品定めばかりするようになる。「これは私が敗北者だということだ」「これは私がみんなよりも優れているということだ」「これは僕が悪い夫だということだ」「これはパートナーが身勝手な人間だということだ」といったぐあいに。
硬直マインドセットの人が受け取った情報をどのように解釈するかを調べてみたところ、どんな情報に対しても逐一、極端な評価を下していることが明らかになった。良いことが起きると過度にポジティブなレッテルを貼ってしまうし、逆に悪いことが起きると過度にネガティブなレッテルを貼ってしまうのである。

そして、こう続きます。

しなやかマインドセットの人も、身に起こることを絶えずモニタリングしている点に変わりはないのだが、内なる対話で問題にするのは、そのような自分や他人の評価ではない。情報がポジティブなものか、ネガティブなものかということも敏感に捉えてはいるが、関心の中心はあくまでも学習や建設的行動に向けられている。この体験から何を学び取ることができるか。どうすれば自分を向上させることができるか。どんなふうに手助けしたらパートナーがもっと良くなってくれるか、など。

モノゴトの解釈を決めているのがマインドセットなのです。そして、モノゴトにどんな解釈を与えるかによって、その後の行動が180度変わります。その結果、マインドセットはスポーツやビジネス、人間関係などすべての側面で影響を与えるのです。

なぜ、しなやかマインドだと見栄から解放されるのか?

たとえば、100点満点のテストで30点を取ったとしましょう。平均点が60点だったとしたら、みなさんはどう感じますか?

しなやかマインドセットの人は、平均点を大きく下回っていても、受け入れることができます。なぜなら、努力と経験で成長は可能だと考えているからです。テストの結果を見返しながら、自分がどこを理解できていないのか?どうテストの準備をすればよかったのか?と自分の現状と向き合うことができます。

しかし、硬直マインドセットの人は、この点数を受け入れることができません。なぜなら、能力は生まれつきだと考えているため、受け入れてしまうと自分には能力がないと認めてしまうことになるからです。そのため、たまたまテストの日は調子が悪かったとか、教師の教え方が悪いんだとか、テストの問題がよくなかったんだとか、そういう解釈をします。そうやって、30点のテスト結果をまともに見返すことができず、現状をありのまま受け入れることもできません。

わたしは、過去に中学受験、高校受験、大学受験と受験を経験し、大学ではある競技に打ち込み、社会人になってからは個人で商売をしています。

そして、すべてのステージで硬直マインドセットが強かった、と本書を読んだときに感じました。結果が出ないと、その過程の努力には意味がないと考えていました。大学受験でも志望校に落ちたとき、勉強していた時間はなんだったんだ?無意味だったんじゃないか?落ち込みました。

本書を読んで考えると、つねに見栄やプライドがあって、自分の現状を受け入れられず、息苦しい思いをしていたんだと思います。

また、なぜうまく結果を出せなかったのか?もわかりました。わたしが結果を出せなかったのは、自分の現状を客観的に受け入れられず、成長できていなかったからです。そして結果が出ていないにもかかわらず、マインドセットが硬直しているので、自分のほうが頑張っているのに、なぜ?この結果はオカシイと結果を受け入れられなかったのです。

みなさんも、自分の結果や評価を見るときに苦しさを感じることはないでしょうか?見栄やプライドで、受け入れられないことはありませんか?

そういう経験がある人は、マインドセットが硬直している可能性があります。

自分の能力を正確に評価するのは、だれにとって難しいことだが、特にそれが苦手なのはどのような人たちだろうかー最近それを調べる研究をはじめた。その結果、自分の業績や能力に見当違いな評価を下すのは、硬直マインドセットの人たちであって、しなやかマインドセットの人たちは驚くほど正確な判断を下すことが明らかになった。
考えてみれば、これは理にかなったことだと言えるだろう。しなやかマインドセットの人のように能力を伸ばすことができると信じていれば、現時点での能力についての情報を、たとえ不本意であってもありのままに受け入れることができる。さらに、学ぶことに重点を置くとなると、効果的な学習をするためには、現時点の能力についての正確な情報が必要になる。
ところが、硬直マインドセットの人のように、もう伸ばしようのない能力が値踏みされていると思うと、どうしても受け止め方が歪んでしまう。都合の良い結果ばかりに目を向け、都合の悪いことは理由をつけて無視し、いつのまにか本当の自分を見失ってしまうのだ。

本書でしなやかマインドセットを理解すると、自分の不出来な部分を知ることは恐くなくなります。なぜなら、不出来な部分は成長の余地がある部分だからです。そこを明確に知ることで、もっともっと自分は成長していけると考えていれば、むしろ進んで知りたくなるくらいです。そうやって自分の不出来な部分を知っても、今がどんなにダメだとわかっても自我が脅かされることがないのです。

さらに、マインドセットがしなやかだと新しいことにもチャレンジしやすくなります。なぜなら、どんな結果でも受け入れることができるからです。そのため、うまくやれる!という自信がなくても、いろんなことにチャレンジできるようになるといいます。

注目すべきことに、マインドセットがしなやかならば、必ずしも自信など必要としないことが、私の研究から明らかになった。
つまり、得意だとは思っていないことにでも、果敢に飛び込んでいってやり抜いてしまえるのだ。得意ではないからこそ、あえて挑戦しようとすることさえある。これはしなやかなマインドセットの素晴らしい特徴のひとつと言えるだろう。うまくできる自信がなくても、尻込みせずに、楽な気持ちでトライできるのだ。

自分の現状を客観的に受け入れられない人、見栄やプライドで息苦しい人は、とても損をしています。本書を読んで、ぜひしなやかマインドセットを理解してください。

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