
質の高い睡眠を取れていますか?
成長=負荷+休息です。そのため、質の高い睡眠を取らないと、日々のストレスフルな環境での仕事や努力がムダになってしまいます。読書会でわかった睡眠の質をあげる方法を紹介します。
20代読書会in東京
日時:03月28日(水)19:30-22:00
参加者:4名(男性:3名、女性:1名 初参加:1名、リピーター:3名)
20代読書会in東京の感想
定期的に読書・発表の機会を得たい。(26歳・男性)
色々な種類の本に巡り会えた。(25歳・男性)
ここで本を発表することによって、本をより理解できるようになったり、考えをまとめられるようになりました。(23歳・女性)
なぜ、睡眠は重要なのか?
睡眠時間を”削る”という言葉があります。この前提には、寝ているより、起きて仕事をしている方が生産的だという認識があると思います。
ところが、この認識は大きな間違いです。「ピーク・パフォーマンス」の中で、睡眠不足の影響が、こう書かれています。
十分な睡眠(一晩につき7~9時間)を取っていない人は、複雑な問題を解く、新しいスキルを習得する、食事制限を守るなどの、労力と集中力が必要な活動でのパフォーマンスも悪い。いわば睡眠とは、今日のあなたのパフォーマンスを最大限に高めてくれるだけでなく、明日あなたがやりたいことに挑戦できるよう活力を注入してくれるスグレモノなのである。
つまり、睡眠とはパフォーマンスを最大化するための活動なのです。課題解決、スキルの習得、意思力、集中力を高めるために、必要な活動です。
さらに、同書には頭脳労働だけでなく、身体的なパフォーマンスにも、睡眠の影響は大きいと書かれています。その主張を裏付けるスタンフォード大学での実験があります。
スタンフォード大学は、忙しいアスリートこそ睡眠が重要だと考えている。2011年に同大学はある調査を行った。
調査の前半では、バスケットボールチームの一軍メンバーに、2~4週間通常と同じように睡眠を取ってもらい、その間彼らのパフォーマンスの基準データを取った。たとえば 短距離を全速力で疾走したときの速度、シュートの精度、反応速度など、バスケットボー ルに必要なパフォーマンスを練習のあとに毎回測定したのだ。
調査の後半では、選手たちに6~7週間の間できるだけたくさん睡眠を取るよう指示した。「きっとパフォーマンスが向上するから」と請け合い、最低でも10時間以上眠るよう 選手に伝えたのだ。一軍の選手たちはその通りにした。毎晩、平均で1時間50分長めに睡眠時間を取ったという。
そして、こう続きます。
そして、選手たちのパフォーマンスをすべて測定したが、その結果には目を見張るものがあった。短距離走の速度が4%アップし、フリースローも3ポイントショットも共にシュート精度が9%アップし、反応速度も格段に向上したという。しかも彼らは中学生でも高校生でもない。全米大学体育協会(NCAA)で最高レベルであるディビジョン1の最強チームのメンバーだ。 しかも、驚くのはまだ早い。
睡眠時間を延ばした効果は、試合結果にも表れた。2011年(調査が行われた年)、スタンフォード大学のチームは26勝をマーク(前年はわずか15勝)し、ナショナル・インビテーション・トーナメントでは優勝を果たした。翌2012年にはNCAAトーナメン トでの16強まで勝ち進み、2014年には再びナショナル・インビテーション・トーナメントで優勝している。
最低10時間の睡眠にしたところ、バスケットボールチームのパフォーマンスが飛躍的に向上し、成績も上がったのです。
10,000時間の法則で有名なエリクソン教授も睡眠時間について研究しています。そして、トップアスリートは平均8時間30分寝ており、一般人は6時間50分であることを踏まえて、トップアスリートだから8時間30分寝られるのではなく、8時間30分寝ているからトップアスリートになれるのだと述べています。
つまり、睡眠はとても重要な活動で、
- 感情・記憶・思考を整理する
- 意思力・集中力・思考力を高める
- モチベーションを高める
- 身体的パフォーマンスを高める
このような効果があります。日本人の平均睡眠時間は6時間と言われていますから、慢性的に1~2時間は睡眠不足の状態と言えます。毎日たった1~2時間で、これだけの成果をあげられる活動はありません。
睡眠によってチャンスを逃しているのではなく、睡眠時間を削ることによってチャンスを逃しているという認識を持ったほうがよさそうです。そして、睡眠時間を”削る”ことは、二日酔いで仕事をするのと同じくらい非生産的なことと思っておいたほうがいいかもしれません。
睡眠の質をあげる方法とは?
ベストは7~9時間の睡眠を毎日取ることです。なぜなら、睡眠のメリットはレム睡眠中に得られることが多く、レム睡眠は睡眠の後半に長くなるからです。
睡眠によるメリットのほとんどは、睡眠の後半の段階、なかでもレム睡眠中(急速眼球 運動を伴う睡眠)に得られる。レム睡眠の占める割合は、睡眠時間のうちの20~25%にすぎない。だが、おもしろいことに睡眠時間が長くなるほどレム睡眠の割合も増える。というのも、レム睡眠は周期が巡ってくるたびに時間が長くなるからだ。要するに、睡眠時間が長くなるほどリターンも上がるということ。ほとんどの人が確保できていないだろうが、7~9時間程度の睡眠がもっとも効果が高いのである。
ところが、7~9時間の睡眠を取れと言われても、物理的に難しい働き方の人も多いでしょう。そこで「最高の睡眠」に書かれている睡眠の質の高め方を紹介します。
それは、最初の90分の睡眠の質を高める、ということです。なぜなら、本書によると、睡眠の質の80%は最初の90分で決まっているからです。そして、最初の90分の質を高めるためには、
- 入眠の時間を揃える
- 入眠2時間前に入浴をする
この2つが推奨されています。
最初の90分で深い眠りにつくためには、体温を下げることが大切です。体温には表面の体温と深部体温と2種類あり、深部体温が下がると、眠りが深くなります。
入眠の時間を揃えることで、体に一定の睡眠リズムが刻まれるようになります。そうすると、同じ時間に深部体温が下がり始めるようになるのです。
また、入眠2時間前に入浴をすると、一時的に深部体温が上がります。ところが、時間の経過とともに深部体温が下がり、その過程で眠気が増します。そして、そのまま睡眠に入ると、深い眠りにつくことができるようになります。
そのため、①入眠の時間を揃える、②入眠2時間前に入浴をする、を実践することで、睡眠の質をあげることができるようです。ぜひ、質の高い睡眠をとって、日々のパフォーマンスを向上させてください。