「シンプルに考える」どのようにLINEは生まれたのか?

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なぜ、LINEは生まれたのか?

LINEは19ヶ月で1億人ユーザーを突破したとんでもないサービスです。そのLINEが持っていたイノベーションの源泉を紹介します。


シンプルに考える

初版:2015年05月29日

出版社:ダイヤモンド

著者:森川亮

もっとも大切なことは、なにか?

会社にとって、もっとも大切なことは、なにか?

それは、ヒット商品をつくり続けること、と森川さんは断言しています。

会社にとっていちばん大切なことは何か?
利益?社員の幸せ?ブランド?戦略?ビジネスモデル?
僕は違うと思います。たしかに、どれも大切なことです。しかし、いちばんではない。では、何がいちばん大切か?
僕の答えはシンプルです。
ヒット商品をつくり続けること。
これしかありません。ヒット商品をつくり続ける会社が成長し、ヒット商品をつくることができなくなった会社が滅びる。古今東西、ビジネスを支配しているのは、このシンプルな法則です。

そして、ヒット商品をつくり続けるために、会社として行うことが2つあると言います。

  • ユーザーのニーズに応える社員だけを集める
  • その社員が能力を発揮できる環境を整える

ユーザーのニーズに応える情熱と能力をもつ社員だけを集める。そして、彼らが、何ものにも縛られることなく、その能力を最大限に発揮できる環境をつくり出す。これ以外にありません。そのために必要なことだけをやり、不要なことはすべて捨てる。 僕がやってきたことは、これに尽きます。

ヒット商品をつくり続けることが、会社としてもっとも大切。そのために、ユーザーのことを最優先に考える社員を集め、能力を最大限に発揮できる環境をつくる。

とてもシンプルな考えですが、それがなかなかできません…

もちろん、ユーザー視点でサービスを考えることの大切さに異議を唱える人などいないでしょう。そして、サービスを設計しているときは、誰でも意識できます。しかし、ユーザーを最優先に考え続けるとなると、一気に難易度が上がります。

多くの社員を抱えて数年一緒に仕事をすれば、”なんとか、この社員のモチベーションを上げたい”とか、
一度サービスの運用を開始してしまうと、”ここの成約率を上げるにはどうしたらいいだろうか”とか、
長らくサービスを繁栄させたいがために、”どうすれば顧客を囲い込んで、参入障壁をつくれるだろうか”とか、

ユーザー視点の商品づくりから、かけ離れたことを考え始めてしまいます。

でも、それではいけません。会社はヒット商品をつくり続けることでしか、生き残ることができないからです。そのために大切なことは、ユーザーのことを考え続けることです。

そして、その実現のためにLINEが掲げている方針が10個あります。

戦わない
ビジョンはいらない
計画はいらない
情報共有はしない
偉い人はいらない
モチベーションは上げない
成功は捨て続ける
差別化は狙わない
イノベーションは目指さない
経営は管理ではない

この中から、とくに気になったものを、本書から引用しながら3つ紹介していきます。

戦わない

もちろん、現実のビジネスでは戦いを避けることはできません。
他社が優れたプロダクトを生み出せば、それを上回るものを出さなければ生き残れませんし、他社の開発スピードに遅れをとれば劣勢に立たされます。それは、競争であり、戦いでもあります。しかし、それがビジネスの本質ではないと思うのです。
むしろ、それを本質だと考えると道を間違えるのではないでしょうか?
なぜなら、ユーザーから目が離れてしまうからです。…
だから、僕はビジネスとは戦うことではないと思います。それよりも、シンプルにユーザーのことだけを考える。そして、「ユーザーが本当に求めているもの」を生み出すことに集中する。その結果として、勝利はもたらされるのです。

成功は捨て続ける

過去の成功を守る人が権力をもつ会社では、その成功を壊すような新しいことを実現するのはきわめて難しい。その証拠が「新規事業部門」の存在。そもそも、なぜ「新規事業部門」を設けなければならないのか? それは、既存部門が新しいことに挑戦しようとしないからです。しかも、彼らが力をもっている。だから、「新規事業部門」に相当の権威をもたせなければ、潰されてしまうのです。そんなケースが非常に多いのではないでしょうか?
むしろ、重要なのは、最も優秀な社員が常に「新しい価値」を生み出すような企業文化をつくり上げることです。成功は捨て続ける。守りに入らない。そんなシンプルな信条をもつ社員をエンパワメントし続ける。それが、本当の意味で強い会社をつくる方法だと思うのです。

イノベーションは目指さない

イノベーションを生み出したい。
これは、僕も深く同感することです。
しかし、目指すことで、かえって遠ざかるのがイノベーションではないか、と僕は考えています。なぜなら、自分本位だからです。「新しいことがやりたい」「今までになかったことをやりたい」という理由で突っ走って、ユーザーが求めていないものを ガンガンやっても意味がありません。それはイノベーションではなく、単なる自己満足。ビジネスの本質を見失っていると言わざるをえないのではないでしょうか?

だから、僕はこう心に刻んでいます。 ユーザーが感じている「目の前」のニーズにしっかり応えることに集中する。それが企業の社会的責任でもあるし、ビジネスの成功確率を高める方法でもある。むしろ、それを愚直にやり続けることでイノベーションにたどり着くのだ、と。

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