
それは「勉強」です。
勉強とは、今日できなかったことを明日できるようにする力です。東大主席・財務官僚・弁護士・ハーバード卒の最強の勉強法を紹介します。
東大主席が教える「7回読み」勉強法
初版:2017年06月15日
出版社:PHP
著者:山口真由
なぜ、今さら勉強が必要なのか?
大学を卒業して、勉強はおわり!
そう考えている人も多いのではないでしょうか?わたしも大学受験がおわったとき、もう勉強はこれ以上したくないと思っていました。
しかし、残念ながら、そういうわけにはいかなかったです。なぜなら、勉強とはテストで良い点を取るためだけの力ではないからです。
「勉強」、それがテストで良い成績を取るだけの力だと思わないでください。それは、今日できなかったことを、明日できるようにする力なのです。今の自分を超えて進んでいく明日の自分に夢を描くための力なのです。
そして、今の時代には「勉強」が必要です。なぜなら、人生100年時代が到来しているからです。
以前は、20年間教育を受けて、そこで学んだことを資産に40年間仕事をすることが可能でした。たとえば、学生時代に税理士の資格を取って、税理士として勤め上げることも可能だったでしょう。ところが、人生は100年になっています。そう考えると、22歳で大学を卒業してから死ぬまでに、80年もあるのです。80年って…とんでもなく長いです。
試しに、80年前を考えてみてください。2018年の30年前は1938年です。なんと戦前です(笑)
これだけ長期間、社会人として生きていくということを考えると、知識やスキルをアップデートすることが必要です。そうしないと、稼げなくなってしまいます。
また、単に寿命が長くなっただけでなく、変化のスピードも加速しています。世界中がインターネットによって繋がっているため、その土台の上で変化がどんどん速くなっているのです。今後もブロックチェーンやAIなど、新たな技術を土台としてさらに変化は加速していくことが予想されます。
つまり、①寿命の長寿化と②知識・スキルの陳腐化の加速から、「勉強」の重要性が増しているということです。
その中で、大切なことがあります。
それは、正しい勉強法を身につけることです。なぜなら、正しい勉強法を身につけていれば、何事を習得するにしても、とても楽になるからです。
そもそも勉強とは、新たな知識に触れ、それを理解していくプロセスのこと。このプロセスをいかに短時間で確実に行えるか。勉強法とは、その方法論です。
つまり知識を自分のものにするための最短距離を心得ていて、それを実践している人が、すなわち「勉強のできる人」ということになります。
勉強法が確立できていると、ある意味とても「楽」です。自分の勉強法というレールに乗るだけで、他のことは考えなくてもゴールにたどり着けるからです。
わたしも受験生のとき、「勉強法」という概念に出会って、勉強の成果が変わりました。
勉強法を意識する以前は、なんとなく我流で身につけた試験対策をするだけでした。しかし、勉強には「方法」があると知り、勉強法を学んでからは、格段に効果的に勉強をすることが可能になりました。
勉強法も思考力やコミュニケーション力などと同じく、ベースとなるコアスキルと捉えることが可能かもしれません。本書でわかった東大主席・財務官僚・弁護士・ハーバード卒の最強の勉強法を紹介します。
最強の勉強法とは?
それは、「7回読み」です。
効果的・効率的にインプットをするために同じ本やテキストを7回読むという勉強法です。ただし、7回精読するというわけではありません。1回目から7回目まで濃度の違う読み方をします。
著者は頭の中に真っ白なキャンバスを用意し、7回読んでいる間に「知識の地図」を描いていくそうです。
1回目から3回目までかけて行った全体像の把握は、言わば輪郭線を描くようなもの。4回目と5回目で行ったキーワードの把握によって、輪郭線の内側に大まかな絵を描きます。さらに、6回目と7回目の内容把握で、輪郭線の内側の絵を詳細にしていくのです。ここまでを終えたら、「絵」ができあがっていると考えていいでしょう。
こうして7回読みの間に、ぼんやりとした全体像から始まって、詳細で精緻な地図に仕上げていくそうです。そして、この7回読みには2つのメリットがあると言います。
- 疲れない
- きちんと理解できる
どういうことか、本書から引用して説明します。
疲れない
第一のメリットは、「疲れないこと」。肩に力を入れて読書に臨むと、まず、負荷がかかりすぎて疲れます。そして、それにもかかわらず、あまり効果がないとなれば、自信喪失につながることもしばしばです。そんな勉強法で続けようというほうが、無理な話という気がします。それに対して、「7回読み」のこの勉強法では、各回の読み方は「流し読み」に近い軽さです。理解しようと肩肘張る必 要もなく、わかりづらいところは飛ばしながら読んでも構いません。これにより、勉強に苦手意識を持たずに済むのです。
きちんと理解できる
第二のメリットは、「それでもきちんと理解できること」。サラサラと読み流す作業であっても、回数を重ねれば自然と頭に入ってきます。読書に抵抗を感じないまま、回数を重ねるうちにいつしか理解が深まっていく、という仕掛けです。
それでは、7回読みの具体的な方法です。
肩に力を入れず、7回流し読みをしていけばいいそうですが、1回目から7回目まで目的が異なるので、それぞれの目的を紹介します。
【1回目】
ここでは、「見出し」を頭のノート上に写し取る感覚で読みましょう。文章にも目を通しますが、主には章のタイトル、項目ごとの大見出し、中見出しなどを意識し、見出しどうしの関係を把握しましょう。こうして、全体像を大まかに感じ取ります。
【2回目】
1回目を読んで「見出し」が頭に入った段階で、全体を流し読みします。項目だけではなく、より細かいレベルで読んでいきます。
この段階を終えると、「こんな話が、こういう順番で書いてある」ということが把握できます。全体のアウトラインや構造がだいたい頭に入るのです。「前半は総論と背景、中盤は現状、最終部分でこれからの展望を語っている」といったイメージがつかめてくるでしょう。
【3回目】
この段階も2回目と、基本的に同じです。つまり、全体を軽く流し読みしている段階です。2回目にはアウトラインがわかるようになりますが、これはまだうっすらとしたもの。そのアウトラインをより詳細、かつ、明確なものにしていくのが、この3回目読みの作業です。
この1回目から3回目は、これから読むための土台作り。ここではっきりとした意味がとれなかったとしても、それを気にする必要はほとんどありません。
【4回目】
ここからは、文章の中のキーワードを意識して読みます。よく出てくる単語、詳しく説明される用語を目に留めておきましょう。ただし、それを「理解しよう」「覚えよう」とはしないこと。「頻出語」「詳しく書いてある」と感じ取るだけで十分です。
【5回目】
作業内容は4回目と同じです。4回目との違いは、キーワードとキーワードの間の説明文を意識すること。つまり、そのキーワードがどのように説明されているのかに目を向ける段階です。キーワードとキーワードの間をつなげば、その段落の要旨をつかめるようになります。要旨をつかむことは、本を読む上で一番大きな仕事なので、4回目と5回目の2回に分けて行います。
【6回目】
ここからはディテールにも目を向けます。法律家の読む本でいえば、細かな事例の説明などがその典型です。ひとつの判例に対して、「この判例で論点になったポイントはここで、それについてこんな説がある」というのが要旨であり、「その説に基づいた事例として、この判例のほかにはこんなものがある」という説明がディテールにあたります。その部分に意識を向けながら読んでいきます。
【7回目】
6回目を終えたら、頭の中のノートにだいたい本が写し取れているはずです。しかし、まだ鮮明ではないので、7回目でしっかり定着させます。「今ひとつ頭に入っていない」と思う箇所があれば、そこだけピックアップして読めば、さらに万全になります。
以上が7回読みの具体的な方法です。
わたしは、今まで①流し読みはせず精読、②本は読み返さず1回読むだけで、7回読みとは真逆のことをしてました(笑)
7回読みは、やり始めたばかりなので、効果のほどはわかりません。でも、全体像をぼんやり把握してから、詳細の情報をインプットしてく「7回読み」は、最初に結論を理解してから詳細をインプットしていけるので、とても効果的な予感がします。わたしも試行錯誤しながら最適な回数や読み方を習得していきたいと思います!みなさんも、ぜひ試してみてください。