
なぜ、チャレンジできないのか?
それは人生をコントロールできていないからです。「お金のPDCA」でわかった人生をコントロールするのに必要な3つの資本を紹介します。
目次
開催報告:20代読書会in東京
日時:06月23日(土)09:30-12:00
参加者:18名(男性:13名、女性:5名 初参加:4名、リピーター:14名)
MVP賞
なぜ、あなたの仕事は終わらないのか?
紹介された本
- お金のPDCA
- データ分析の力
- ビルマの竪琴
- 自分の小さな箱から脱出する方法
- 自分を変える習慣力
- 人を助けるとは、どういうことか
- 教養主義のリハビリテーション
- WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE.
20代読書会in東京の感想
- 普段読まない本を知れてよかったです
- 様々な本を学ぶことができて、とてもためになる(小説等)
- おもしろい本がたくさんあり、議論もできてよい
- 様々な気づきがあったため、満足度が高かった
なぜ、チャレンジできないのか?
それは人生をコントールできていないからです。お金のPDCAに、1つのたとえ話が書かれています。
真っ暗闇の中、ヘッドライトのない車を運転することができますか?もちろん、運転することはできません。
なぜなら、1m先も道が続いているのか、崖なのか、壁なのか、まったくわからないからです。どんなに性能のいい車に乗っていても、怖くてアクセルを踏めないでしょう。
人生も同じです。
1年先、3年先、5年先を見通すことができなければ、チャレンジはできません。どんなに能力のある人でも、怖くてチャレンジすることはできないでしょう。
そのため、人生においても”ヘッドライト”を持つことが大切です。著者は3つの資本が、人生のヘッドライトにあたると述べています。その3つの資本とは、時間資本・人的資本・金融資本です。
詳しくは次章で書きますが、これも1つのたとえ話でイメージをお伝えしましょう。
27歳の方が、起業しようとしているとします。しかし、なかなか決断に至ることができません。なぜなら、ビジネスを興した経験がなく、うまくいくかどうかわからないからです。
でも、時間資本・人的資本・金融資本をコントロールできていればどうでしょうか?
その方が独身で、起業すればフルタイムでビジネスに集中できるとします。そして、貯金が500万あり、1年間うまくいかなくてもやりくりしていけるとします。
また、仮に1年後うまくいかなかったとしても、現在と同条件の会社に転職することが可能で、リスクヘッジができていればどうでしょうか。チャレンジしない理由がありません。
欲を言えば、お金が尽きる1年以内にサービスを立ち上げられるだけの見込みがあれば、文句なしです。
これが時間資本・人的資本・金融資本をコントロールし、人生をコントロールしている状態です。次章では、詳しくそれぞれの資本を解説していきます。
人生をコントロールする3つの資本とは?
すでに述べた通り、この3つが人生をコントールする資本です。
- 時間資本
- 人的資本
- 金融資本
1つずつ、詳細を解説してきます。
時間資本
時間は最大の資本です。特に個人単位で見れば、時間以上の資本はありません。この点を、わたしも長い間、誤解していました。
学生時代は「今はお金がない。社会人経験もないから、経験も能力もない。だから選択肢が限られている」。こんな風に考えていたのです。
ところが、実際はどうでしょうか?
1つの例ですが、学生時代であれば会計士や弁護士資格を取るという選択肢がありました。ところが、多くの社会人に、そうした選択肢はありません。
なぜでしょうか?
社会人の方が、お金はあります。経験や能力も、そして人脈もあるでしょう。しかし、時間がありません。そのため、選択肢が狭まっているのです。
時間は最重要資本です。このことを受け入れないと、人生が手遅れになりかねません。なぜなら、結婚し、子供が生まれ、親の介護が必要になり、社内でも出世していけば、時間資本は減る一方だからです。
もちろん、結婚も子供も親も大切ですし、人生の幸せに重要です。わたしもわかっているつもりです。しかし、チャレンジしたいと考えている人は、時間資本を大切にすべきです。
人的資本
人的資本は稼ぐ力と言い換えてもいいかもしれません。お金のPDCAでは、代表的な4つを紹介しています。
- 知識・スキル
- 人脈
- 健康
- 信用
いずれも大切ですが、著者は20代で特に投資すべきなのは”知識・スキル”だと言います。そして、この知識・スキルの中には、①職務スキルと②汎用スキルの2種類が存在しています。
職務スキルとは、ある仕事特有の知識・スキルです。一方で、汎用スキルとは、どんなビジネスでも活かすことができるベースの知識・スキルです。
よく言われる通り、①人生100年時代で労働期間が長くなっており、②技術革新により変化が激しくなっていることから、職務スキルより汎用スキルの重要性が増しています。
なぜなら、40年後も仕事をする必要があることは、ほぼ間違いありませんが、そんな先の未来に必要な職務スキルを予見することは不可能だからです。
そして、「お金のPDCA」で書かれている汎用スキルには3つあります。
- コミュニケーション力
- 金融知識・スキル
- PDCA力
ちなみに、この3つは大前研一氏も「即戦力の磨き方」の中で、同じことを述べています。
大前研一氏の言葉で言うと、①コミュニケーション力(英語力)、②財務・会計力、③問題解決力だったと記憶しています。「即戦力の磨き方」は2006年に出版された本なので、10年以上も前の本です。
10年以上経っても同じ能力が重要と言われるのは、これらが汎用スキルであるからに他なりません。
では、少しこの3つの能力について説明を加えていきます。
まず、コミュニケーション力です。これは会話力、交渉力、プレゼン力など営業力に通じる能力です。さらに、多くの人を巻き込んで、目的を達成することができるようなコミュニケーション力があれば、どんな業界でも重宝されることになります。
次に、金融知識・スキルです。財務・ファイナンスの視点から会話ができるようになると、経営陣や部長クラスとも会話ができるようになると、本書では解かれています。
そして、PDCA力です。インターネットにより、一生懸命考えて生み出したものでも瞬時に拡散し、模倣される時代となっています。だからこそ、新しいアイデアや工夫を試し、次のノウハウや仕組みを生み出し続けることが重要になっています。そのような次のノウハウや仕組みを生み出すために必須なのが、PDCA力です。
詳しくは、こちらを参考にしてください。同じく富田和成氏の著書です。
金融資本
普通は自分が働いてお金を稼いでいますが、金融資本は、それとは別世界の話です。お金にお金を稼がせるということです。ピンと来ない方は、こちらの本を読んでみてください。
なぜ、金融資本が大切なのかと言うと、我々は資本主義に生きているからです。トマ・ピケティが「21世紀の資本」で書いていますが、過去200年間のデータを15年もかけて分析し、1つの不等式が証明されています。
r>g
rとは資本収益率で、gとは経済成長率です。つまり、資本から入ってくる収入が給与所得を上回ると言っているのです。
資本主義は、そもそも経済も資本も成長し続けることを前提に作られたシステムです。その要因は利子にあるのですが、経済も資本も成長し続けるのであれば、金融資本を活用したほうがいいという結論に至ります。
とはいえ、リスク・リターンを計算せずに、投資を始めるわけにもいきません。なので、PLとBSを理解するところから始めるのがいいと思います。
いわゆる家計簿をつけて、1ヶ月ごとの収支(PL)を把握してください。なぜなら、社会人になると、学生時代と金銭感覚が変わって、無駄遣いがクセになってしまう人が多いからです。
まとめると、
- チャレンジをするには、人生をコントロールすることが必要
- そのためには、時間資本・人的資本・金融資本が大切
- 特に時間にゆとりのある20代のうちに、人的資本に投資すべき