読書会in東京でわかったクリティカルシンキングの鍛え方とは?

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読書会

クリティカルシンキングとは、問題を特定して、適切に分析することによって最適解にたどり着く思考です。

機械化や海外の労働力と競合する中、考える力の重要性が増しています。そこで読書会でわかったクリティカルシンキングの鍛え方を3つ紹介します。

開催報告:20代読書会in東京

日時:10月13日(土)09:30-12:00

参加者:17名(男性:10名、女性:7名 初参加:5名、リピーター:12名)

MVP賞

アウトプット大全

紹介された本

  • 方法序説
  • 一発屋芸人列伝
  • 華氏451度
  • 羊と鋼の森
  • 知的複眼思考
  • ホモ・デウス

クリティカルシンキングとは?

クリティカルシンキングとは、問題を特定して、適切に分析することによって最適解にたどり着く思考のことをいいます。

よくクリティカルシンキングは「批判的思考」と訳されてますが、すこしニュアンスが異なると思います。

critical thinkingのcriticalには2つの意味があります

  • 批判的な
  • 決定的な

そして、クリティカルシンキングにおいては「批判的な」という意味ではなく「決定的な」の意味のほうが合っていると思います。構造もわからない複雑な状況を整理して、「決定的な」根本課題を明確にし、解決策を探す思考法という意味です。

そして、

  • 機械化
  • 海外の労働力

この2つの台頭により、日本の労働市場も大きく影響を受けており、考える力の重要性が増しています。上司の指示を待ち、指示通りに作業を行うだけでは、機械や海外の労働力と差をつけることができません。なので、考える力が重要であると言われるのです。

そして、考える力という場合、2つの思考法が代表的です。

  • ロジカルシンキング
  • クリティカルシンキング

この2つです。

ロジカルシンキングとは、主張と根拠によって構成された思考です。

なので、クリティカルシンキングの土台となる力です。クリティカルシンキングの場合、ロジカルシンキングから一歩先に進んでいます。ロジックが明確でない事象のロジックを明らかにして課題を見つけたり、他人のロジックを鵜呑みにせず、矛盾点を見つけたりします。

ロジカルシンキングが実践できなければクリティカルシンキングの実践は無理です。しかしながら、ロジカルシンキングを身につけていても、クリティカルシンキングができるかはわかりません。次章では、そのクリティカルシンキングの鍛え方を紹介します。

クリティカルシンキングの鍛え方

今回の読書会で「知的複眼思考」という本を紹介していただきました。

知的複眼思考

知的複眼思考とは、まさにクリティカルシンキングのことです。本書は、日本にクリティカルシンキングという言葉が入ってくる前に、クリティカルシンキング(知的複眼思考)の大切さを説いた本です。

クリティカルシンキングの意味はすでに解説しましたが、もしかしたら複眼思考だと考えてもらったほうがわかりやすいかもしれません。単純な反対意見ではなく、異なる視点からの意見を複数考える思考法です。その結果、複雑な状況に対して根本的な課題を明らかにしたり、他人のロジックから矛盾点を見つけたりすることができます。

そして、この本の中では、クリティカルシンキング(知的複眼思考)の鍛え方が3つ紹介されています。

  • 批判的に読書をする
  • 思考の構造を明確にする
  • 概念で考える

それぞれ、どういう意味か解説していきます。

批判的に読書をする

クリティカルシンキングを鍛える方法の1つは、読書の方法です。

本を読むとき、通常は筆者の主張を理解するように思考していくと思います。しかし、知的複眼思考では、批判的に読書をすることをススメています。そうすることで、筆者が書いている以外の視点も考えることが可能だからです。

ちなみに、「批判的に」読むには2つの方法があります。

  • 主張と根拠に反論する
  • 代替案を考える

たとえば、起業をススメている本があるとしましょう。その本には、

  • 主張:起業をすべき
  • 根拠:信用を価値に替えるプラットフォームが多数存在しているから

この場合、主張と根拠に反論すると、どうなるでしょうか?

  • 主張への反論:起業はすべきではない
  • 根拠への反論:プラットフォームを活用しても、十分に稼げるわけではないから

1つの反論としては、このようなものになるでしょう。他にも、本当にプラットフォームは増えてるのか?とか、プラットフォームを活用するために知識やスキルが必要だから、20代は会社で修行したほうがいいとか、いろんな反論を考えられるでしょう。

これが主張や根拠に対する反論です。

では、代替案を考える場合は、どうなるでしょうか?

  • 起業ではなく、大学院に復学しよう
  • 起業ではなく、副業をしよう

などのような代替案が考えられるかもしれません。元々の主張と、同時並行で実践できないような代替案であれば検討の余地があります。

そして、この批判的に読書をするときに、大変助けになるのが「並行読み」です。

なぜなら、著者と反対の意見を持つには、前提知識が必要だからです。前提知識がなければ、反論も代替案も考えることができません。そのため、同ジャンルで違う意見を表明している本を並行して読むことがオススメです。

そうした並行読みをすることで、それぞれの著者の考えを理解しようとするだけで、クリティカルシンキングが実践できます。ぜひ、試してみてください。

思考の構造を明確にする

クリティカルシンキングを鍛える2つ目の方法は「意見を紙に書くこと」です。

意見を紙に書くことで、自身の思考を明確にすることができるといいます。みなさんも言いたいことがあってメールに書いていたら意外と言葉が出てこずに困ったという経験はないでしょうか?

「知的複眼思考」の中でも書かれていますが、頭の中で行う思考は曖昧です。自分では完璧な論理が構築されていると思いがちですが、いざ紙に書いたり、メールに書いたりと言語化してみると、曖昧な論理であったということが明らかになります。

なので、自分の意見を言語化して思考(の構造)を明確にするとクリティカルシンキングが鍛えられます。

ちなみに、なぜ「意見」を言語化するのかというと、感情には論理構造がない場合があるからです。もしくは、感情はとてもシンプルな論理構造の場合が多いです。”こっちが親切にしているのに、なぜあの人は横柄なのか?ムカつく!”ということを言語化しても、大してクリティカルシンキング練習になりません。

一方で、意見には何層にも根拠が重なっている場合もあり、クリティカルシンキングの練習になります。

そして、副次的に言語化する練習を繰り返していると、何ごとに対しても「意見」を持つことができるようになります。

たとえば、

  • 経済は、自由経済を信奉しています。なぜなら〜〜〜
  • 午前中は飲み物しか口にしません。なぜなら〜〜〜
  • 家は賃貸がいいと思います。なぜなら〜〜〜

というように、”どっちでもいい”ではなく、自分の意見を明確にする癖がつきます。

そうすると、反対意見を目にしたときに、”なぜ自分とは意見が異なるのか?”がわかるようになってきます。こうして自分のロジックと相手のロジックの相違点をわかったり、その上でどちらの意見を採用するか判断したりするなどは、クリティカルシンキングの訓練になります。

ぜひ、”どっちでもいい”ではなく、自分の意見とその根拠を明確にする練習を繰り返してください。

概念で考える

概念で考えるというのは、一般化したり抽象化したりして考えるということです。物事には2つの捉え方があります

  • 具体
  • 抽象

この2つです。

たとえば、今わたしの目の前には”ドトールのティーカップ”があります。これはとても具体的な表現です。このドトールのティーカップを抽象化すると、目の前に”飲み物”があるという表現になります。

そして、著者は具体的な”ドトールのティーカップ”ではなく、抽象的(概念的)な”飲み物”で思考をすべきだと述べています。その理由は、具体的であればあるほど印象や感情に引きずられて、別の可能性を考えられなくなるからです。

別の可能性を考えられないというのは、複眼思考(クリティカルシンキング)ができないというのと同義です。

1つの例を考えてみましょう。

  • お隣のスミスさん
  • プロテスタント
  • キリスト教徒
  • 信徒

この4つの表現は、具体的な人をだんだん抽象化した1つの例です。具体的な”お隣のスミスさん”で思考をすると、そのスミスさんの印象やスミスさんに抱いている感情に思考が引きずられてしまいます。しかし、抽象化していき、”プロテスタント”や”キリスト教徒”、”信徒”と考えればもっとも自由に思考の枠を広げることができます。

抽象化して考えてみると、いかに自分が感情に引っ張られて偏狭な思考をしていたか?と気づくことが多々あります。ぜひ、思考に行き詰まったときは抽象度をあげて思考してみてください。

以上、読書会でわかった3つのクリティカルシンキングの鍛え方でした。

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