
動的ストレッチとは、体を動かしながら、筋肉や関節をほぐしていくストレッチです。
肩甲骨・背骨・股関節を動的ストレッチでほぐすことで、筋肉や関節のこわばり・慢性的な痛みが解消されます。電子化されたデスクワークで起きる「e-疲労」に、とても効果的です。
本稿では、読書会でわかった「動的ストレッチメソッド」を紹介します。
動的ストレッチメソッド
初版:2017年09月19日
著者:谷本道哉
目次
重苦しい疲れは「e-疲労」が原因
「e-疲労」をご存知ですか??
長時間、PCを使うデスクワークをすることによって起きる疲れをe-疲労と呼びます。
- 筋肉や関節のこわばり
- 慢性的な痛み
このような症状がでます。
デスクワークでのパソコン作業など、高度に電子化された環境特有の疲れを「e-疲労」と呼びます。これは現代病の一つとされますが、よく言われる目の疲れや精神的ストレスだけがe-疲労ではありません。長時間座り続けるなどして同じ姿勢のまま動かずにいると、筋肉や関節は硬くこわばって動きが悪くなります。このこわばりが、慢性的な痛みや疲れを呼ぶのです。
そして、e-疲労によって体がだるくなると、日常の運動が面倒になります。
その結果、
- 体力低下
- 肥満
から、生活習慣病に発展する人も多くいます。
カラダを動かさない日々が続けば当然、体力も落ちます。すると、ちょっと動くだけでも疲れがちに。体力の低下した人にとっては、日常生活での動作一つひとつが負担になるからです。何をするのもしんどいと活動量が減るし、それは肥満にもつながります。逆に体力のある人ほど余力が大きいため、日常生活をラクにこなせるし疲れにくく元気に過ごせるもの。もちろん病気を遠ざけて健康も維持しやすいでしょう。体力レベルが高いほうが平均余命は長いというデータもあるほど、体力は人生に大きな影響を与えるのです。
そのため、e-疲労に効果的な対策を行う必要があります。
e-疲労を解消できて、体のこわばり・慢性的な痛みを取り除けば、体を動かすのが楽しくなります。その結果、運動不足を解消でき、スタイルを維持したり、健康を維持したりするのに役立ちます。
なぜ、動的ストレッチは効果的なのか?
動的ストレッチとは、体を動かしながら、筋肉や関節をほぐしていくストレッチです。
一般的なストレッチと違うのは、「動き」があるという点です。そのため「動的」ストレッチと呼ばれます。
そして、動的ストレッチはe-疲労にとても効果的です。その理由は、
- 「脱力」が不調に効く
- 「血流アップ」が疲労回復に効く
- 関節の状態が改善する
この3つです。
わたしも、
- マッサージ
- 静的ストレッチ
- ストレッチポール
- スタンディングデスク
- 水泳
- 筋トレ
など、いろんなことを試してみました。今も継続している習慣もあります。
しかし、「e-疲労」を解消するという効果では、動的ストレッチがダントツです。やってみると、その日から効果を実感できます。体のだるさや痛み、不快感がスッと解消されるのです。
それでは、このように動的ストレッチによって「e-疲労」が解消される理由を解説していきます。
「脱力」が不調に効く
肩こりや首こり、脚のだるさなどの多くは、筋肉の緊張が抜けなくなってこわばることで生じます。動的ストレッチには、これをゆるめる効果が期待できます。たとえば脚を前に振るときは太もも前面の筋肉が収縮し、こわばりやすい太もも裏側の筋肉はそれに対応して「脱力」し地緩します。後ろに振るときは、これと逆の作用が。動的ストレッチはこうした動作の繰り返しなので、不調に直結する緊張しっぱなしの部分をゆるめられるのです。
「血流アップ」が疲労回復に効く
長く走ったり長時間立っていたりすると脚に疲労物質が溜まりますが、それは一時的なもの。時間とともに疲労物質は血流で回収され、代謝されます。ですが血行が悪いと疲労物質が溜まったままになり、疲労感の原因に。動的ストレッチで大きくカラダを動かすと体幹周辺を中心に全身の血行がよくなるため、滞った疲労物質もすばやく回収されるようになる。だから疲労回復に役立つのです。
関節の状態が改善する
腕や脚を大きく振るスイング動作で関節を大きく動かすことは、関節内を満たす滑液という潤滑油の働きをする液体の循環を促進します。そうして関節のすべりをよくするヒアルロン酸の含有量が増加して、骨の接触部分の摩耗を防いでくれるのです。
効果的な動的ストレッチとは?
動的ストレッチを効果的に行うには、ポイントがあります。それは動かす「部位」に注意することです。
体には多数の関節がありますが、関節には2種類あります。
- 一方向にしか曲がらない関節
- 360度曲がる関節
例えば、指は一方向にしかまがりません。しかし、手首はぐるぐると360度回すことが可能です。同じく肘は一方向ですが、肩は360度です。
このように関節には2種類あり、この「360度曲がる関節」が動的ストレッチのポイントになります。
360度曲がる関節にはアウターとインナーという2種類の筋肉が付いており、そのうちインナーマッスルの方がこわばりやすいからです。
そこで、
- 肩甲骨
- 背骨(と首)
- 股関節
この3つの「360度曲がる関節」を動的ストレッチでほぐしていくのが効果的です。
胴体部分を構成するのは背骨。背骨の関節一つひとつが少しずつ動くことで体幹を前後左右に大きく倒したり、ひねったりといった動きをつくります。そしてこの土台から腕・脚につながるのが肩甲骨と股関節です。ここがサビついていると、手足を根元から大きく動かすことができません。
この3部位を中心に大きく動かして、芯からほぐれた快適なカラダ、しなやかに気持ちよく動けるカラダをつくりましょう。
ちなみに、
え?背骨ってほぐせるの??
と疑問に思う方もいるかもしれません。わたしも同じことを思いました。
そうした方は、動的ストレッチの効果に、ぜひ期待してください。普段、背骨を動かしてない可能性が高いからです。
やってみると分かりますが、背骨は思っている以上に柔軟性があり、動かすことができます。そして、ほぐすと体が楽になります。
実践!動的ストレッチの方法
それでは、動的ストレッチの方法を紹介します。ここでは2種類紹介します。軽めの動的ストレッチと強めの動的ストレッチです。
わたしは軽めの動的ストレッチを一通りやってから、強めの動的ストレッチをするようにしています。動きに反動もつくので、筋肉や筋を痛めないよう注意しながら実践してみてください。
軽めの動的ストレッチ
強めの動的ストレッチ
以上、読書会でわかった「動的ストレッチメソッド」でした。